中小企業向けの公式税務ソフト「e-Taxソフト(WEB版)」がMicrosoft Edgeに対応し、Windows10の推奨ブラウザとして追加されました。
説明のポイント
- Windows10の標準ブラウザMicrosoft Edgeが、「e-Taxソフト(WEB版)」に対応した
- 事前準備セットアップから誘導されるMicrosoft Storeでブラウザ拡張機能をインストールする
Edgeがe-Taxソフトの推奨環境に追加された
2019年5月の連休明け、国税庁は、無料の税務ソフト「e-Taxソフト(WEB版)」について、Microsoft Edgeを推奨環境に追加したと発表しました。
参照:e-Taxの推奨環境に「Microsoft Edge」を追加しました。(令和1年5月7日)
事前の予告はなかったので、ちょっと突然の感じがあります。
発表を見ると対応した各種ソフトが並んでいますが、このうち中小企業の税務で関わりのあるのが「e-Taxソフト(WEB版)」です。
なお、Windows7、8.1でMicrosoft Edgeは提供されていないため、Edgeが使えるのはWindows10のみです。
税務のブラウザは「Internet Explorer」だった理由
「e-Taxソフト(WEB版)」ですが、Windowsを利用する場合では、これまで推奨ブラウザはInternet Explorerだけとされていました。
これは、電子証明書の認証が影響しているためと考えられます。
推奨環境の警告を無視すれば、Chromeなどでも「e-Taxソフト(WEB版)」にログインできますが、神経を使う税務手続きを、まさか推奨されていないブラウザで利用するのも勇気のいる話です。
「Internet Explorer」は、1990年代からインターネットを利用していた人にとって、なにかと思い入れのある(ありすぎる?)ブラウザです。
しかしこんにちでは旧式のブラウザであり、提供する当のマイクロソフトが使用中止をうながしています。
(参照:「マイクロソフト、企業にInternet Explorerの使用をやめるよう要請。「IEは技術的負債もたらす」」engadget日本版、2019年2月)
この点について、国税庁はいつ「Internet Explorer」から次世代ブラウザへ移行を進めるのか注目されていました。
対応したのは、Windows10標準ブラウザであるEdgeだけですが、ようやく一安心といえるでしょう。
Macを使っている人には関係のない話ですが、企業内の税務でWindowsを利用している多くの人には重要な話です。
Edge対応は難しくない
Microsoft Edgeへの対応方法ですが、むずかしい作業はほとんどありません。
まず、スタート画面の「M」の項目を探してEdgeを立ち上げます。
つぎに「e-Taxソフト(WEB版)」の画面を表示します。
ブラウザ環境のチェック画面が表示されると、「事前準備セットアップ」をインストールするように求められます。
事前準備セットアップのページにアクセスし、セットアップをダウンロードします。
セットアップのインストール画面で、Edge拡張機能をインストールする画面に誘導されます。
うっかり見過ごしそうになる表示ですが、ここで表示左下の「Microsoft Storeはこちら」をクリックします。
Microsoft Storeで、e-Taxソフト(WEB版)Edge用APという拡張機能が表示されますのでインストールします。入手は無料です。
インストールが完了したら、拡張機能を「有効にする」にします。これでもうMicrosoft Edgeで利用可能となっています。(e-Taxヘルプも参照のこと)
Storeの画面を閉じて、事前準備セットアップのインストールも完了させます。
念のため、拡張機能の詳細も見ておきましょう。
「電子証明書の発行機関が提供するICカードを利用した申告・申請等の署名の機能等を提供する」と書かれています。
つまり、法定調書の提出において、マイナンバーカードなどを利用して電子申告することも可能ということでしょう。
「確定申告書等作成コーナー」はどうなる?
「e-Taxソフト(WEB版)」がMicrosoft Edgeに対応したのは、喜ばしい話です。個人事業主や法人の内部で利用される税務ソフトとして利便性が高いからです。
では、個人事業主が利用する申告ソフト「確定申告書等作成コーナー」は、どうでしょうか?
前回(平成30年分)の申告では、マイナンバーカード方式の対応ブラウザは、「Internet Explorer11」のみでした。
「e-Taxソフト(WEB版)」と同様に、マイナンバーカードの認証の影響があったものと思われます。
今回「e-Taxソフト(WEB版)」がEdgeに対応したことを考えれば、次回の令和元年分の「確定申告書等作成コーナー」においても、Microsoft Edgeに対応することはほぼ確実と期待されます。
方法としては、この記事で紹介したように「確定申告書等作成コーナー」の事前準備セットアップのページから、Edgeの拡張機能をインストールする流れが予想されます。
今回の「e-Taxソフト(WEB版)」の事例を見た限りでは、とくに戸惑いはありませんでした。長年の懸案が、これでようやく解決したといえそうです。
まとめ
企業内で活用されている「e-Taxソフト(WEB版)」について、Windows10環境下において、Microsoft Edgeが対応したことをお伝えしました。
Windows10の場合、まず「Internet Explorer11」がどこにあるのかを探すところから一苦労でしたので、喜ばしい対応といえるでしょう。
また、一歩進んで来年の確定申告書等作成コーナーにおけるMicrosoft Edge対応も予想してみました。
税務では、地方税申告のeLTAXにおいて、Internet Explorerの利用を求められる場面もまだあります。
よって完全な「脱IE」はまだ先ですが、企業内で用いられるe-Taxソフト(WEB版)がEdgeに対応したことは大きいでしょう。