平成30年(2018年)の年末調整より始まった「QRコード付控除証明書」について、その入手方法を解説します。
説明のポイント
- 平成30年分(2018年分)から新しく始まった制度
- XMLデータ(電子的控除証明書)を保険会社から入手 → 国税庁専用ページで「QRコード付控除証明書」を入手
QRコード付証明書とは?
このページに検索でたどり着いた人は、QRコード付控除証明書の情報を探しているでしょう。よって、手短に概要を説明します。
「QRコード付控除証明書」の要点は、次のとおりです。
- 保険会社からXMLデータ(電子的控除証明書)を受け取る
- 国税庁ホームページの専用ページにアクセスして、XMLデータ(電子的控除証明書)をアップロードすると、「QRコード付控除証明書」が交付される
- その「QRコード付控除証明書」を印刷すると、年末調整や確定申告に使える(いままでのハガキと同じ扱い)
どうやって取得する?
「QRコード付控除証明書」を入手するには、次の手順が必要です。
1.XMLデータを保険会社などから入手する
QRコード付証明書を入手するためには、先に、生命保険会社や損害保険会社から、XMLデータ(電子的控除証明書)を入手する必要があります。
入手方法については、各社によって対応が異なると考えられます。例えば、フコク生命のホームページFAQでは、次のように案内されています。
当社ホームページ専用受付画面より電子的控除証明書の発行依頼を受け付けます。 受付後順次、ご指定のE-mailアドレスあてに「電子的控除証明書」をお送りします。
つまり、フコク生命の場合では、申込み手続きをすると、XMLデータがメールアドレス宛に添付データとして送られてくる、ということになります。
まずは保険会社から届いた文書や電子メールの案内を探して、それでもわからないようならば、入手方法についての問い合わせをすればよいでしょう。
2.国税庁の専用ホームページにアクセスする
保険会社からXMLデータ(電子的控除証明書)を入手したら、国税庁のe-Taxホームページの「QRコード付証明書等作成システム」にアクセスします。
注意点として、国税庁の指定する推奨環境を満たす必要があります。スマホは非対応です。Windowsを利用している場合、ブラウザは「Internet Explorer 11」を利用します。
この記事は2018年に執筆したものですが、2022年時点でのブラウザは、Edge、Chromeにも対応しています。
国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」をページを表示したら、「3.事前準備セットアップ」を実行します。このほか、ブラウザの拡張機能が必要な場合もあります。
セットアップのインストールが終わったら、システムにアクセスします。
システムにアクセスしたのち、XMLデータ(電子的控除証明書)をアップロードすれば、QRコード付証明書をダウンロードすることができます。
ここで発行されたPDFファイル(QRコード付控除証明書)を印刷し、年末調整の添付資料として、会社に提出します。このあたりは、いままでのハガキと同じ対応です。
ハガキと同じですので、確定申告の生命保険料控除、寄付金控除などの資料として使うこともできます。
もっとこまかい手順は、国税庁マニュアル【PDF】「はじめよう!QRコード付証明書作成システム」も参照してください。
理解を深めるためのポイント
国税庁にもQ&Aが用意されていますが、これをおぎなう補足的な説明をしておきます。
1.何のための制度なのでしょう?
「QRコード付控除証明書」の制度は、利便性向上とコスト削減が目的です。保険会社などは、ハガキ発送のコスト負担を下げることができます。
また、納税者にとっても、手間をはぶくことができます。申請すると最短で当日中にXMLデータ(電子的控除証明書)を入手できる点を考えれば、いままでのハガキ郵送(再発行の場合は電話も必要だった)に比べると、明らかにスピードが早まっているといえます。
2.いつから始まったものですか?
この方式は、2018年(平成30年)の年末調整から始まった新方式です。
3.従来のハガキの方法はどうなるんですか?
当然ですが、ハガキの控除証明書の制度がなくなったわけではありません。新しい方法が追加されただけです。
パソコンを使えない保険加入者のことを考えると、従来のハガキによる控除証明書がなくなることはないでしょう。
4.確定申告にも使えるという話ですが?
XMLデータ(電子的控除証明書)は、e-Taxでの確定申告の添付データとしても使うことができる、とされています。
また、QRコード付控除証明書をダウンロードして、書面としての添付資料として使うことも可能です。
5.きちんと動作しないのですが?
国税庁の指定する推奨環境を守っていますか? 指定のブラウザを利用し、事前準備セットアップのインストールを忘れずに行いましょう。
このほか、保険会社から入手したデータは、XML形式であるかも確認しましょう。入手したデータが、圧縮されたままの場合もあります。(この場合、解凍用パスワードが別送されている可能性もあります)
もし不明点がある場合は、
- 国税庁ホームページのQ&A
- 国税庁マニュアル【PDF】「はじめよう!QRコード付証明書作成システム」
を参照してください。(当然ですが、このブログ筆者に聞かれても、個別にサポートはできません)