少し早いですが、確定申告への準備として、2018年の仮想通貨の相場を確認しておきます。
説明のポイント
- 2018年は一貫して下げ相場
- プラスとしての所得申告の機会は少ない
相場変動を知って、所得の申告に備える
個人の確定申告は暦年単位(1/1~12/31)となっています。
2018年の1年間を通じて、仮想通貨の相場の変動が多ければ、それだけもうけのチャンスも多いことになり、所得の申告の必要性が生じる機会も増えることになります。
この記事では、仮想通貨のチャートを見ておくことで来年の確定申告に備えよう、という実務家向けの確認になります。
2018年の仮想通貨の相場はどうだったか?
現在は11月上旬ですが、2018年の仮想通貨の相場を振り返っておきます。
なお、チャートは「DMM Bitcoin」からキャプチャしており、2018年11月9日午後4時ごろのものとなります。
相場変動は2018年1月を頂点とし、その後は一貫して下げ相場となっています。
仮想通貨の種類によっては、ビットコインは3分の1、イーサリアムは7分の1程度です。無慈悲なほどの下げ相場です。
レバレッジをかけていれば、この影響はさらに大幅に膨らみます。
チャートを見る限り、前年末~今年のはじめから取り組んでいるトレーダーは、損失を抱えている可能性が高いといえます。
売却しない限り損失は確定しませんので、多少息を吹き返したところで売却し、損失をやわらげたいと考えている方もいるでしょう。
仮想通貨の所得区分は「雑所得」であるという国税庁の見解(法令ではない)が現行の基準とされており、これにのっとれば他の所得との損益通算はできません。
この点を考えれば、2018年では、仮想通貨の所得をプラスで申告し、納税までいたる機会は少ないといえそうです。
売りから始めることもできるが……
仮想通貨の証拠金取引であれば、仮想通貨を「売り」から始めることも可能です。
もしこの大暴落の相場で「売り」から入っていれば、当然のことながら大勝ちしている可能性も高そうです。
しかし、そのような勝者は少ないでしょう。歴史に残る大暴騰のあとで「売り」から入ることは、心理的に難しいはずです。(もし2017年11月に売りで勝負していたら大負けしています)
相場のトレンドをフォローして取引している場合、3月から4月のリバウンドで拾えていれば、利益を手にしている可能性もあります。
しかし、その後は大きいリバウンドもありませんので、大儲けは難しいでしょう。
細かいトレンドをフォローして売り買いを繰り返し、コツコツ利益を出した人はいるかもしれません。
申告じたいはラクになる
仮想通貨については、所得計算が煩雑であるのがネックでしたが、これまでに明らかにされている情報によれば、所得計算を簡単にする措置が検討されています。
しかし、あれだけの大相場がしぼんでしまうと、やや「いまさら」の感も否めないところがあります。
まとめ
2018年の仮想通貨の相場を確認し、今年の所得申告の必要性を概観しました。
歴史に残る大相場のあとの大暴落ですが、国税庁の見解によれば他の所得との損益通算もできないことから、所得を申告して納税まで至る機会は少ないといえそうです。
かつてはものめずらしい扱いだった仮想通貨も、株式や商品・先物・FXと同じく、たんなるひとつの相場に落ち着いてきた感もあります。