防衛特別法人税に関する納税の方法について、国税庁からお知らせが出ました。このブログでは電子納税を扱うことが多いので、こちらをメインに見てみます。
国税庁からの案内
まずは国税庁からの案内です。公式情報なので最初にリンクしておきます。
防衛特別法人税に関する納付手続等について
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/bouei_noufu/index.htm
防衛特別法人税の確定申告の電子納税
防衛特別法人税に関する確定申告の電子納税については、国税庁ホームページによると、
e-Taxで防衛特別法人税の申告書を送信後にメッセージボックスに格納される「受信通知」をご利用いただくことで、簡易に納付情報登録依頼が作成可能となります。
と案内されており、その詳細は別添のPDFである「防衛特別法⼈税の暫定的な納付⽅法について」で紹介されています。
このPDFを整理して読みやすく書くと、次のとおりです。
① 防衛特別法⼈税の税額が発⽣する申告書をe-Taxで送信
② e-Taxのメッセージボックスに受信通知が届く。受信通知のなかに納付⽅法に関するメッセージが記載されているので、「こちら」という部分をクリック
③ 税⽬、課税期間、申告区分、本税を引継いだ「納付情報登録依頼」の作成画⾯に遷移するので、納付情報登録依頼を作成(税目は「法人税」、申告区分は「その他」)
④ メッセージボックスに「納付区分番号通知」が格納されるので、納付手続きを行う
特徴的な点として、税目は「法人税」、申告区分は「その他」になるということです。案内では「令和9年5月までの間」と書かれており、PDFでのタイトルも「暫定的な納付⽅法」とあるので、あくまで暫定的な方法です。
防衛特別法人税の納税用の税目区分がまだ用意できていないため、暫定的に「法人税」を使うということのようです。
なお、法人税の確定申告では、法人税と地方法人税は自動で納付情報登録依頼が作成され、納付情報も自動で格納されています。しかし、現段階の防衛特別法人税の確定申告については、受信通知から納付情報登録依頼を作成するということなので、自動格納はされないものと予想されます。
防衛特別法人税に関して届く受信通知が、法人税・地方法人税とは別になっているのかも、現在のところ不明です。
防衛特別法人税の中間申告の電子納税
防衛特別法人税の中間申告は、令和9年4月1日以後に開始する年度から始まるので、まだ少し先の話です。
令和9年4月1日以後に開始する課税事業年度(※)において、法人税の中間申告書を提出すべき法人は、防衛特別法人税についても中間申告書を提出する必要があります(防確法 21)。
引用:国税庁「防衛特別法人税が創設されました」(2025年5月)
ブログ筆者が少し気になっているのは、中間申告に関する納付情報登録依頼の扱いです。
現在(令和8年4月)ですが、法人税の中間申告の電子納税について、メッセージボックスに届く「お知らせ」から転記する「参照作成」の機能を利用した場合、法人税と地方法人税の納付情報登録依頼は別々に作成されています。(下画像参照)
このため、中間申告の電子納税は、法人税と地方法人税で別々に、計2回行う必要があります。なお、これは中間申告書は送信せず、電子納税だけ行う場合の話です。
そして今回、防衛特別法人税が追加されるわけですが、中間申告に関する電子納税はどうなるのでしょうか。ものすごい細かいことですが、少し気になっています。
法人税の中間申告書を提出すべき法人は、防衛特別法人税についても中間申告書を提出する必要があるとされています。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法
第21条 中間申告
法人税法第71条又は第144条の3の規定による申告書を提出すべき法人は、これらの申告書に係る課税事業年度・・・から2月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
第24条 防衛特別法人税中間申告書の提出がない場合の特例
防衛特別法人税中間申告書を提出すべき法人がその防衛特別法人税中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、その法人については、その提出期限において、税務署長に対し第21条第1項各号に掲げる事項(仮決算中間申告法人にあっては、第22条第1項各号に掲げる事項)を記載した防衛特別法人税中間申告書の提出があったものとみなして、この章の規定を適用する。
第29条 中間申告による納付
防衛特別法人税中間申告書を提出した法人は、当該申告書に記載した第21条第1項第1号に掲げる金額(第22条第1項各号に掲げる事項を記載した防衛特別法人税中間申告書を提出した場合には、同項第2号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する防衛特別法人税を国に納付しなければならない。
ということは、防衛特別法人税の「お知らせ」は、法人税・地方法人税とあわせてひとつの「お知らせ」で送られてくる可能性もありそうです。
そうなると、参照作成から作成できる納付情報登録依頼はどうなるのでしょうか。もしかして納付情報登録依頼も3件発行されて、「法人税」「地方法人税」「防衛特別法人税」で計3回の納付になるのでしょうか。
防衛特別法人税が0円の場合は気にする必要はないのでしょうが、もし3回の納付が必要とするならば、微妙に手間になりそうです。年1回のことなので、そこまで気にする手間でもないのですが、いちおう気になったことを書いてみました。
今回の記事を書くにあたって、防衛特別法人税の根拠法である、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(略して「防確法」)の第1条である「趣旨」を読んでみました。当たり前のことですが、防衛費に使われるのだな、ということを実感しました。
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