国民1人当たりの公共サービスの値段についてまとめた、「週刊東洋経済」2009年9月12日号の記事が秀逸でしたので、ちょっと古い記事ですが紹介します。
週刊東洋経済の試算
先日、本棚を整理していたら、ちょっと古めの「週刊東洋経済」が出てきました。2009年9月12日号を見ると、「鳩山新政権」という言葉もあり、時の速さを実感します。
参考:週刊東洋経済 2009年9月12日特大号 | 東洋経済
2009年9月12日号の特集は、「生活者目線で読む税金超入門」です。この特集で秀逸だったのは、週刊東洋経済の試算による「本邦初! 独自試算を一挙公開 これが公共サービスの値段だ!!」という記事です。
公共サービスの値段とは?
「本邦初!」と銘打たれた記事は、国民1人当たりの年間の公共サービスの値段を東洋経済が独自に集計したものです。
たいへん興味深い記事ですが、すべてを紹介することはできないので、国民1人当たりで算出されているサービスの値段の部分を、以下に抜粋します。
消防 | 1万4,800円 |
警察 | 2万7,900円 |
公営住宅・住宅金融 | 1万3,700円 |
清掃 | 1万7,500円 |
保健衛生 | 2万8,000円 |
下水道 | 1万9,900円 |
公園 | 6,600円 |
防衛 | 3万5,600円 |
国際経済協力 | 6,200円 |
エネルギー対策 | 1万9,500円 |
社会福祉 | 2万1,400円 |
児童手当 | 7,400円 |
道路・橋 | 5万4,200円 |
医療費(75歳未満の場合) | 22万3,200円+自己負担分 |
なぜこうした分析が重要なのか?
この試算は、自分の税金や保険料がどう使われているのかが見える点で、秀逸といえます。
とはいえ、この一覧表ではイメージがつかみづらいところもあります。記事では比較対象として、
- 「公園」6,600円に対して、東京ディスニーランドの1デーパスポートの金額5,800円(当時)
- 「警察」2万7,900円に対して、民間会社のホームセキュリティの年間料金3万6,000円~5万4,000円
が挙げられています。
税金は「社会の会費」という位置づけとされていますが、日本人の大半は、給料から天引きされて税金を収めており、その利便性の副作用で、納税意識が希薄ともいわれています。
こうした分析は、国民が負担している税金の使途を実感する上で、重要なものといえます。
まとめ
税金は納め終わってしまうと、その先の使い道はよくわからないのが実情です。しかし、自分の受けている公共サービスは無料ではありません。
1人あたりのコストに置き換えてみると、国民から集めた税金を使っていることを実感できます。
各分野を比較してみると、医療費が段違いに突出しているのには驚きます。社会保障費の膨張は、国家の一大事だと痛感します。