色あせない藤田田氏の経営哲学 中小企業の経営に生かすには

20160112mac

日本マクドナルドの創業者・藤田田(ふじたでん)氏の経営哲学を振り返ります。その合理的な考え方は今もって、中小企業の経営に役立つ事項が満載です。

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藤田田氏について

藤田田氏は1926年に生まれ、輸入商社「藤田商店」を経営、「日本マクドナルド」「日本トイザらス」を創業して成功に導き、2004年に死去した実業家です。藤田氏の著書はいくつかありますが、読みやすいのは『勝てば官軍』(1996年)ですので、この本から同氏の経営哲学を考えます。

目を見張るその先見性

藤田田氏が、若かりしころの孫正義氏(ソフトバンク創業者)に対し、コンピューターを学ぶように助言した話は有名です。この逸話のように、先見性のある経営者として知られるわけですが、この著書『勝てば官軍』も20年前(1996年)に書かれたとは思えない、先見性のある予想が随所に見られます。いくつか挙げてみましょう。

  • 消費者の欲しがらないものを作っているとして、製造業の衰退を予想している
  • 金などコモディティを貯めることを提言している
  • アジアにおける日本の地位の低下、中国・韓国の台頭を予想している
  • 「頭の代わりをやる」企業の多数出現と、株価の高騰を予想している

1つ1つの内容は、確かに当時においてそのような分析があったのでしょう。しかし、これらの予測を1996年の時点ですべて明言したわけですから、恐ろしいほどの的中率と言えます。電機メーカーの凋落、コモディティの高騰、中国の台頭、グーグルというネット支配者の出現……いずれもすべて実現したことです。

中小企業に役立つ経営哲学

同書の読み方は、読者のおかれている立場によって異なる面もあるかと思いますが、ここでは、中小企業に関わる立場として役立つ考え方を採り上げてみたいと思います。

1.数字に慣れること

  数字に慣れ、強くなることは、金儲けの基本なのである。もしも、金儲けをしたいと思うならば、ふだんの生活のなかに数字を持ち込んで、数字に慣れ親しむことが大切である。生活のなかでは数字とは無縁でいて、商売の時だけ数字を持ち出してくるのでは遅すぎる。(同書P33)

 

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2.金もうけに対する考え方

  日本人は「金」というと、すぐに「きれいな金」か「汚い金」かという。金を儲けることを軽蔑する。しかし、そんな考え方が世界に通用しないことはいうまでもない。(同書P45)

3.経営プランは説明できるか

  わたしのところに、しばしば「金が欲しい。金を儲ける方法を教えてくれ。」という人が現れる。そういうとき、わたしは「いつまでにいくら欲しいのか」と質問する。ところが、たいていの人は、その質問に答えられない。儲けたいという気持ちはあっても、自分のおかれている状態や条件を分析していないからだ。しかし、そういうことでは金は儲からないのである。(同書P56)

4.ビジネスは性悪説で

  人間の本性は「悪」だという立場をとる。そういう立場をとってはじめて、自分をプロテクトしてビジネスができるという信念をもっている。性善説や勧善懲悪はあくまで「水戸黄門」の世界で生きているフィクショナルなものであって、われわれの生きている現実の世界のものではないのである。(同書P98)

5.時間の大切さ

  なにか事業を起こして、それが成功するか失敗するかは、「西欧化の波に乗っているか」「時間節約の方向に向かっているか」という、この二つのサーチライトで照らしてみることである。(同書P108)

新しい事業を起こしたとき、時間をうまく使うことによって、非常に短い時間で莫大な金を儲けるチャンスが生まれてきていることを意味している。(同書P112)

すべての考え方に同意できなくても、絶大な実績を残した経営者の金言は、どんなコンサルタントの助言にも勝ります。藤田氏の教えは、例えば、このように考えられるでしょう。

  • 数字は面倒だからすべて税理士に任せている →「金儲けの基本」から外れている
  • 事業計画書を作成しない起業 →「金が儲からない」危険性あり

徹底した合理主義者

徹底した合理的な考え方を持つ藤田氏は、次のようなことも提言しています。

  • 社員全員に簿記3級の資格をとらせる
  • 外国語に強くなること
  • 24時間気づいたことをメモをとる
  • すべての書類は1週間で捨てる
  • 名刺よりも話題を出せ
  • アイデアに金を惜しむな
  • 「金の卵」をさがすより教育して戦力とせよ
  • 役所の肩書きを持つな
  • 学歴と世襲制度は日本の癌
  • ビジネスは朝令暮改でいけ
  • 日本人は短期的なものの見方しかできない
  • いいものであれば必ず売れるというわけではない。ものにはタイミングというものがある

まさしくベンチャースピリットを感じます。

藤田氏は、日本マクドナルドの業績悪化で同社を退任したのちに亡くなりましたが、晩節を汚したという批判は当たらないと考えます。誰が読んでも何かを得られる書籍として、目を通すことをおすすめします。

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