e-Taxのメッセージボックスには「ゴミ箱」というフォルダがあります。普段気に留めることもない部分ですが、この機能について考えてみます。
e-Taxメッセージボックスの「ゴミ箱」
e-Taxのメッセージボックスには、通常閲覧する「直近」のフォルダの他に「120日以前」や「ゴミ箱」というフォルダもあります。
「120日以前」については、時間が経過した内容を確認したい場合に利用します。通常の直近フォルダにあるメッセージは、120日が経過すると「120日以前」のフォルダに強制的に移動するためです。
では、「ゴミ箱」はどうでしょうか。個人的に普段使うことはなかったのですが、この機能について、もう少し考えてみます。
メッセージボックスの保存期間は5年間
e-Taxのメッセージボックスでは、受信通知などの重要性の高い通知は1,900日(約5年)間保存され、その後削除される、と案内されています(参考)。
つまり、e-Taxのサーバーでは過去の履歴を5年間、無料で保存してくれるわけです。5年過去をさかのぼれるならば、永久的に効果を発揮する届出書の履歴を除いて、通常の業務としておおむね問題を感じることはないでしょう。手元にあるPDFの控えが失われても、e-Taxのサーバーから改めて出力することが可能です。
では、あえて「ゴミ箱」を使う理由はあるのでしょうか。
一般的な認識としては、なるべくメッセージボックスで過去の履歴を参照できたほうがよい、と考えられているものと思います。メッセージを残したほうがいいならば、ゴミ箱を使う理由はありません。
直近や120日以前のフォルダにあるメッセージを削除すると、そのメッセージは「ゴミ箱」に移動します。そして、「ゴミ箱」にあるメッセージを削除すると、そのメッセージは完全に削除され、閲覧はできなくなります(参考)。
あえて削除でセキュリティ対策?
ゴミ箱の活用方法を考えるならば、受信通知をあえてメッセージボックスに残さないことで、e-Taxのセキュリティ対策のひとつにする、という方法があるでしょう。
e-Taxに不正ログインされた場合でも、メッセージボックスに履歴が残っていなければ、過去の申告データを取得される恐れはありません。
しかし、べつに削除をせずとも、フォルダ作成とパスワード設定の機能を使い、重要性の高いメッセージは隔離して保管する方法もあります(参考)。
これならば、過去のメッセージの安全を確保しつつ、保存しておくことも可能です。わざわざあえて、セキュリティ対策のために削除をするかは微妙なところです。
どのみち5年で削除されるなら……
あくまで筆者の認識ですが、e-Taxのメッセージボックスにおいて、フォルダ分けを使ったり、ゴミ箱でわざわざ削除しているケースは少ないと思われます。
どのみち5年間でメッセージが削除されることや、大量のメッセージが届くわけでもないので、労力をそこまでかける意味が感じられない、ということもあるでしょう。
中小企業でも規模が大きく、組織内における閲覧の権限に関連して、メッセージボックスの管理を厳格に行なう意味では、フォルダ分けやゴミ箱の活用も意味がありそうです。
まとめ
ふだん気に留めることもないe-Taxメッセージボックスの「ゴミ箱」に注目する記事でした。
一般的にあえて使う必要はなさそうですが、削除することでセキュリティ対策を目的とする意味はありそうです。
マニアック過ぎて、誰も関心を持たなそうな話ですが、「ゴミ箱」について語ってみました。

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