明治維新の立役者の一人である坂本龍馬を、お気に入りの歴史上の人物としてあげる人も多いでしょう。坂本龍馬の生き方にあこがれるなら、ぜひ将来の独立の準備をしましょう。
(画像はWikipediaより引用)
説明のポイント
- 坂本龍馬は組織内で成功した人物ではない。むしろアウトローに属する人物
- 尊敬する人物にあげるなら、将来の独立を検討しよう
坂本龍馬の実績とは?
土佐藩出身の幕末の志士・坂本龍馬(1835~1867)の生涯は、NHK「大河ドラマ」で放送されたこともあるので有名でしょう。
- 土佐藩の下層武士の出身で、後に脱藩
- 江戸に留学、千葉道場で剣術を修行
- 幕府の設立した神戸海軍操練所で、勝海舟の片腕として修行
- 日本初の商社である亀山社中を長崎で設立
- 犬猿の仲だった薩摩藩と長州藩の同盟を仲立ちし、倒幕の機運をつくる
- 新政府の政策の原案となる「船中八策」を考案し、大政奉還に貢献
などが知られています。
これらの経歴をみると、多彩な交流で見聞を広げ、広い人脈をもった実業家・外交家としての実績が目立ちます。
参考:坂本龍馬って何した人?(高知県立坂本龍馬記念館)
組織内で働く人が尊敬する人物にあげる不思議さ
不思議なのは、坂本龍馬という人物が、組織内で働く人々に支持されている点です。
高知空港にその名前がつけられたり(高知龍馬空港)、NHKの「大河ドラマ」の題材(龍馬伝、2010年放送)になったことからも、その傾向がうかがえます。
しかし、坂本龍馬は、組織内で出世して成功した人物ではありません。絶対に許されない脱藩をしており、アウトローやベンチャースピリットの面が目立つ人物です。
本来、組織内での活躍を目指す人は、
- 出世レースに勝ち上がってトップに上り詰めた人
- 体制内で改革を目指した人
を尊敬するべきです。例えば、豊臣秀吉はその代表例でしょう。
尊敬する人物に坂本龍馬を挙げるなら、将来の独立の準備をしよう
安定した地位の人までも、理想の人物像に坂本龍馬を挙げるのは、不思議な面があります。小説やドラマの印象で、さわやかな生き方という一面だけをとらえるのは、ご都合主義の見方です。
坂本龍馬は、反体制的な思想を持ち、倒幕という裏工作を仕掛けたエージェントであり、政商であるベンチャー企業の社長だった人物です。さわやかどころか、はっきりいって危険きわまる人物です。(だから暗殺されたわけです)
龍馬の死後、たまたま倒幕が成功したので、結果として坂本龍馬が先駆者のように語られているのが、自然な見方です。
もし本当に坂本龍馬があこがれの理想像、尊敬する人物と思っているならば、坂本龍馬のように「脱藩」してベンチャースピリットを発揮するのが、言行一致の生き方です。
まとめ
尊敬する人物に坂本龍馬を挙げるなら、ぜひ、将来の独立を検討するべきでしょう。
アウトロー、ベンチャーのお手本ような坂本龍馬ですが、世に出てすぐに独立したわけではなく、修行時代を経ています。たくさんの人物に出会い、見聞を広めた結果、多数の選択肢のなかから最善と思われる方向を選んだものと想像できます。
以前に「就職先がないからフリーランス」という議論がネット上で見られましたが、その賛否はともかくとして、坂本龍馬の生き方は参考になるのではないでしょうか。
フリーランスは手段であって、その目的が何なのかをハッキリさせないと、人生の軸は定まらないと考えます。

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