MFクラウド経費で利用できる「支払依頼」機能の活用を考えます。
説明のポイント
- MFクラウド経費における「支払依頼」機能のメリット
- 「支払依頼」の位置づけの把握
支払依頼とは?
「MFクラウド経費」は、マネーフォワードが提供する経費精算ソフトです。2016年2月に正式版がリリースされ、MFクラウド会計に連動するソフトとして活用されています。
MFクラウド経費は、2017年7月に「支払依頼」機能をリリースしました。支払依頼は、「コーポレート」「エンタープライズ」プランだけで利用できる機能とされています。
「MFクラウド経費」を活用していない事業主や、使っていても上位プランではない場合は、あまりなじみのない機能といえるでしょう。
MFクラウド会計に連動できる
「MFクラウド経費」支払依頼のメリットを見ていきましょう。
MFクラウド会計を利用している場合、売上発生の仕訳を連動できる「MFクラウド請求書」については、ひろく活用されているようです。
では、お尋ねします。仕入関係を連動させるには、どうしたらいいのでしょうか?
実は、その仕入関係の連動に該当する機能が「支払依頼」になります。
基本的な利用シーンは、届いた請求書を「支払依頼」を通じて管理します。その管理されたデータは、MFクラウド会計の仕訳にも連動します。
しかし、メリットは仕訳連動だけではありません。業務プロセスの集中管理という意味でも注目に値します。
いままでは、
- 紙の請求書を受け取り →銀行振込処理
- 紙の請求書を受け取り →会計ソフトに手打ち
という分断されたプロセスだったのが、MFクラウド経費の支払依頼を利用することで、
↓
MFクラウド経費に入力
↓
会計ソフトに自動連動&銀行振込処理
という流れに一本化できます。
銀行API連携で、MFクラウド経費から振込処理が可能
「MFクラウド経費」から銀行振込に対応する点を検討します。現在のところ、多くの銀行では総合振込(FB)データによる振込に対応しています。
総合振込になじみのない方は、次のリンクをご覧ください。
参考:総合振込(WEB-FB:ファームバンキング)(楽天銀行)
また、一部の銀行では、オンラインバンキングのAPI機能を活用し、MFクラウド経費からそのまま銀行の振込処理が可能になっています。
この記事の執筆時現在(2017年11月)において、API連携に対応している銀行は次のとおりです。いずれは、他のネット系銀行やメガバンク・地方銀行でも、対応が期待できるでしょう。
- 住信SBIネット銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
参考:銀行振込APIが可能となりました!(MFクラウド経費、2017年3月)
従業員からも支払依頼を受け付けられる
「MFクラウド経費」では、従業員が負担した実費の精算だけでなく、「支払依頼」をつうじて、会社から支払うものも従業員から受け付けられます。
精算や支払いのプロセスをより柔軟に決められるようになり、負担の軽減につながることが期待できるでしょう。
さらに、スキャンした請求書の画像と支払依頼を結びつけることで、電子帳簿保存法の導入も可能です。所定の要件を満たすことで、請求書の保存は不要になります。
支払依頼を利用していれば、スキャナ保存の導入は難しくないように考えられます。
「支払総合管理」ソフトへ脱皮しつつある
「MFクラウド経費」は、2016年2月に正式版がリリースされた、まだ若いサービスです。この記事執筆段階では、ベータ版も含めてまだ2年程度のサービスです。
しかしその2年間で、すさまじいほどの機能のアップグレードにより、現在では経費精算の枠を超えるソフトに進化しています。
「MFクラウド経費」という名前からは、従業員の経費精算だけをイメージしがちです。
しかしその実態を見ると、企業内の支払管理について、MFクラウド経費に機能が集中しつつあることがわかります。
「MFクラウド会計」だけでなく、こうしたソフトの新機能にも注目すべきでしょう。
まとめ
MFクラウド経費と、コーポレートプラン以上で使える「支払依頼」について紹介しました。
ここで強調しておきたいのですが、「フィンテック」とは、単に銀行からデータを取り込むことだけではありません。
資金力のない小規模企業でも、テクノロジーの進化の恩恵を受けられるようになり、時間やコストの省エネで生産性を向上できる、ということが重要です。
こうしたサービスは、使ったところから得をするものですので、早め早めの対応が重要です。
また、記事中にも書きましたが、MFクラウド経費の機能のアップグレードは、すさまじい勢いで進んでいます。
筆者は、現状において情報のキャッチアップが重要と考えています。注意喚起の意味も込めてこの記事を書きました。
支払依頼の具体的な使い方は、MFクラウド経費のヘルプをご覧ください。