e-Taxにおける「納税用確認番号」の意味について紹介する記事です。利用者識別番号と暗証番号の意味はわかっていても、「納税用確認番号」については、なんだかピンとこない方もいるかもしれません。この記事で利用方法を整理します。
説明のポイント
- 「納税用確認番号」を活用する場面の整理
- 通常使用するのは、インターネットバンキングのペイジーで納付する場合
- e-Taxの初期登録時に設定した番号。不明な場合は会計事務所の担当者に問い合わせするか、再設定をする
納税用確認番号はマイナーな存在
納税用確認番号は、e-Taxをオンラインで利用開始申請するときに登録する、6桁の暗証番号です。
e-Taxというと、利用者識別番号(ID)と、通常の暗証番号は、ひんぱんに使うので重要視されます。これに比べて「納税用確認番号」はマイナーな気がします。
「納税用確認番号」は、e-Taxのログイン時に入力することもありません。使用するのは、あくまで電子納税をする場合に限られています。
納税用確認番号はe-Taxの利用開始時に設定しているため、もし不明な場合は、利用開始時の担当者(一般的には会計事務所と思われます)に確認をされたほうがよいでしょう。
「納税用確認番号」はどこで使う?
納税用確認番号を使用するケースを、パターン別に説明してみます。
基本的に、金融機関のインターネットバンキングを利用し、ペイジーを利用して支払うことが前提となります。
1.中間納付(予定納付)の納付書をペイジーで支払う
以前の記事で紹介しましたが、中間納付(予定納付)において税務署から送付される納付書には、ペイジーのコードが記載されています。
このペイジーのコードを用いて、金融機関のオンラインバンキングにログインして支払おうとすると、「確認番号」の入力で手が止まります。
納付書をよくみると、”「納税用確認番号」を入力してください。”と書いてあります。
中間納付においてペイジーで電子納税する場合、「納税用確認番号」が必要ということがわかります。
これはe-Taxを登録した担当者が管理しています。通常は会計事務所が管理しているでしょう。
2.ペイジーで納付する(登録方式)
e-Taxにて、源泉所得税の徴収高計算書の送信後は、納税の手続きも必要です。メッセージボックスの受信通知にある通知から電子納税の操作が可能です。
また、決算の申告後や、自分から依頼して「納付情報」が発行された場合も、その通知から納税の手続きを実行できます。
納税の手続きについては、「インターネットバンキング」「ダイレクト納付」「クレジットカード納付」の選択肢があります。
インターネットバンキングを利用する場合、通常は、メッセージボックスの画面から直接遷移して、ペイジーでの納付手続きに移行することができます。
これを「情報リンク方式」といいます。
この情報リンク方式でアクセスしたあとに、金融機関によっては納税用確認番号の入力が必要な場合があります。
なお、この情報リンク方式が利用できるのは、会社がe-Taxを利用している場合だけです。
もし会計事務所だけでe-TaxのIDを管理していると、会社はe-Taxのメッセージボックスにアクセスしていないので、「情報リンク方式」を利用しての納付はできません。また、会計事務所はネットバンキングにログインできませんので、納付の代行はできません。
こうした状況の場合、一般的にダイレクト納付を利用しての納付代行が推奨されているわけですが、これ以外の方法として、会計事務所からペイジーのコードを会社に伝達する方法もあります。
ペイジーのコードは、メッセージボックスの受信通知に表示されています。
- 収納機関番号 →国税庁は「00200」
- 「納付番号」 →利用者識別番号(e-Tax登録時に発行された番号)
- 「確認番号」 →納税用確認番号(e-Tax登録時に申請者が決めた番号)
- 「納付区分」 →納付区分番号(その受信通知の独自の番号)
状況を整理すると、次の条件である場合に、ペイジーのコードを用いての電子納税が想定されます。
- e-TaxのID管理は、会計事務所だけで行っている(会社はメッセージボックスにログインしないので、情報リンク方式でインターネットバンキングへアクセスできない)
- ダイレクト納付の申請はしていない(またはインターネット専業銀行しか口座がないため、ダイレクト納付に対応できない)
- 会社はインターネットバンキングを利用できる
ダイレクト納付の申請をすれば、こんな手間は一切省けるわけですが、電子納税に対応する場合の選択肢になるでしょう。
3.ペイジーで納付する(入力方式) ※通常は使わない
ペイジーでの納付は、登録方式が一般的ですが、これ以外に「入力方式」も利用できます。
入力方式とは、自分でペイジーのコードを組み立てて、税務署に直接納付する方法です。
上記2.の登録方式が、いったん税務署に納付情報を登録したうえで納付するのに比べ、入力方式は、その登録をすっとばして、直接納付します。この登録方式が対応する税目は、「申告所得税」「法人税」「消費税」に限られます。
昔のe-Taxでは、申告後におけるペイジーのコード表示が親切ではなく、この入力方式により、自分でコードを組み立てて納付したこともあったと記憶しています。いまは自動的に登録方式を利用するようになっているので、めったに用いることはないでしょう。
どうしてもこれでやってみる場合、コードの組み立て方は、e-Taxホームページの詳細にて確認できます。(参照:入力方式による納税手続)
まとめ
e-Taxで初期登録する場合に、あわせて登録していた「納税用確認番号」について、その使い道を整理しました。
通常はインターネットバンキングからのペイジーでの納付で、会社が利用する場面が多いでしょう。
納税用確認番号はe-Taxの利用開始時に設定したものですので、一般的には会計事務所が把握していると思われます。もし不明な場合は、番号の再設定も可能です。
参考:納税用確認番号を忘れてしまいました。どうすればいいですか。(国税庁e-Taxホームページ)