国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」の名前が変わるかも……? という可能性の話をお伝えします。確定申告にまつわる小ネタです。
説明のポイント
- 「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁公式の確定申告書作成ソフト
- 令和2年分の確定申告後のアンケートで、「確定申告書等作成コーナー」の名前について意見を求める項目が見られる
「確定申告書等作成コーナー」は2002年スタート
「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁公式の税務ソフトです。個人向けに提供されており、所得税、消費税、贈与税の申告書の作成が可能です。
このソフトの歴史は意外に古く、平成14年(2002年)分の確定申告期から提供されているとのことです。(参照:国税庁「最近10年間の動き(平成11年7月~21年6月)」)
つまり、およそ20年の実績があるソフトといえます。
名前が変わるかもしれない?
そんな歴史ある「確定申告書等作成コーナー」ですが、国税庁は、この名前について変更の可能性を探っているようです。
令和2年分の確定申告を終えたあとのアンケートを見ると、「確定申告書等作成コーナー」という名称の認知度の質問と、名前を変更することの是非と尋ねる項目がありました。
筆者は、近年でこのようなアンケートを見た記憶はありません。
ちなみに、上の画像は「変更した方がいい」というパターンですが、「変更しない方がいい」という回答のパターンもあります。
「確定申告書等作成コーナー」は書面提出がメイン
「確定申告書等作成コーナー」は、書面作成による提出のほかに、e-Taxでの送信も可能です。
書面作成とe-Tax、どちらが利用されているかといえば、やはり書面提出の割合が多いとされています。
平成27年(2015年)分では、「確定申告書等作成コーナー」を利用した人の比率を見ると、書面を1とした場合の割合で、e-Taxは0.13でした。
これが、令和元年(2019年)分では、書面1とした場合に、e-Taxは0.41にまで縮まっています(参照)。
スマホ申告の開始や、マイナンバーカード不要で申告できる「ID・パスワード方式」が功を奏しているようです。
このようにe-Taxの利用度が高まっている状況を受けて、「確定申告書等作成コーナー」をさらにe-Taxと結びつけようということが、名称変更の目的かもしれません。
e-Taxが通常の申告方法であり、書面提出はe-Taxができない場合のやむを得ない申告方法という位置づけになっていくのでしょう。
ちなみに、令和元年度の所得税におけるe-Tax利用率は、59.9%とされています。
引用:第2回納税環境整備に関する専門家会合(2020年10月16日)資料(政府税制調査会)
まとめ
国税庁「確定申告書等作成コーナー」について、名称変更の可能性があるかもしれない、ということをお伝えしました。
確定申告をする人のあいだでは、国税庁の広報の努力もあり、「e-Tax」(イータックス)という名称も、すでにお馴染みとなっているように感じます。
もし名前を変えるとするならば、「e-Tax」を奨励する意味で、名前にも「e-Tax」を付けることもありえそうです。
当ブログでは、「e-Tax確定申告アプリ」という新しい名前を予想しておきます。(これまでの名前の「等」に含む贈与税申告をどうするのかという点は気になりますが、語呂が悪くなるのでカット)