SBI証券にて、個人型確定拠出年金の資料を請求した人向けに、その届いた書類の意味をかんたんに説明します。
説明のポイント
- 何を返送すればよいか
- どの資料を見て勉強すればよいか
個人型確定拠出年金のメリット
個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に注目が集まっています。
これまで知る人ぞ知る年金制度でしたが、制度の改正により加入対象者の枠が広がったため、万人向けの「節税」として今後ますます注目が集まることが予想されます。
この制度の節税のポイントは、次の3つです。
- 積み立てた年金の分だけ、所得控除になる
- 運用益が非課税
- 年金受け取り時の課税も退職所得で有利
つまり、積立時で節税、運用時も節税、受け取り時も軽めの課税ですむ、という実に美味しい制度です。
また、退職所得の制度が変更された場合には、節税の目算が異なる可能性もゼロではありません。
SBI証券から送られてくる資料に戸惑いを感じる
ネット証券最大手のSBI証券では、個人型確定拠出年金の加入対象者の拡大に合わせて、サービスを拡充しています。
サイト:確定拠出年金(SBI証券)
私はこれまで他の金融機関(スルガ銀行)を利用していましたが、今回、サービスが拡充されたSBI証券に年金資産を移管することにしました。
早速、SBI証券に資料を請求したところ、届いた書類は難しい文字が羅列されたもので、投資初心者にはまったくやさしくない印象でした。
投資初心者が、このページをご覧になるかは不明ですが、届いた書類の意味をできるだけ簡単に説明しておきます。
SBI証券から届いた書類の意味とは?
まず、SBI証券から送付されてきた書類は、上記のリストのとおりです。(※加入時の状況によって、種類が多少異なります)
(1)何を返送すればよいのか?
まず、2の「個人型年金ケース別ご提出書類一覧(A~J)という書類を見ます。これを見て、自分がどの対象の区分になっているのかを確認し、提出すべき書類を封筒の中から探します。
一般的には、6の加入届or変更届、8の確認書、9の返信用封筒を返送すればOKです。また、会社にお勤めの第2号被保険者の場合は、「事業所登録申請書」も必要です。
(2)何を見て、この制度を理解すればよいか?
とりあえず(1)の書類を返送すれば、口座の開設や移管はできあがりです。手もとに残った書類は、個人型確定拠出年金の制度を理解するための資料です。
確定拠出年金の制度をよくわかっていない……という方は、口座を開設する前に、まずは送付されてきたカラフルなパンフレット「個人型年金プランのご案内」を熟読しましょう。(下の写真の左側のパンフレット)
(3)投資できる金融商品は?
この制度で投資できる金融商品は、あらかじめ用意されたものに限られます。用意された金融商品の中から、自分が選択して運用を依頼します。
選べる金融商品は、「基礎編」と「運用編」の2つのパンフレットで確認できます。
まず「基礎編」のパンフレットは、投資する金融商品の詳しい説明が書かれています。どの金融商品を選ぶかはお好みしだいで、何個選んでも構いません。
また、金融商品には運用コストがかかることも知っておきましょう。運用コストを知るには、「信託報酬」と書かれたところを確認します。この報酬の年率が低いほど、運用コストが低く、将来的な運用結果で有利といわれています。
また、「運用編」のパンフレットは、金融商品の概要とこれまでの運用実績などが書かれており、どんな金融商品かを知るのに役立ちます。ちなみに、過去の実績がよかったからといって、今後も同じように好調が続くとは限りません。
絶対に損したくない場合は、選択できるプランから「定期預金」を選びましょう。ただし、安全の見返りに、将来的に年金が増えることもほとんど期待できません。
ちなみに、私たちが国に預けている公的年金は、下記の表によるポートフォリオ(資産の組み合わせ)で運用されています。「株はギャンブルと同じ」と思っている方も、国の年金の半分が株式で運用されていることは知っておいた方がよさそうです。
参考:基本ポートフォリオの考え方(年金積立金管理運用独立行政法人)
SBI証券が申込みを受け付けたあと
SBI証券が、個人型確定拠出年金の申込みを受け付けると、IDとログインパスワードが簡易書留で送付されてきます。
▲郵送されてきたIDとパスワードを使って、確定拠出年金サイトにログインします。
▲ログイン後の画面です。今後の積立のために、「運用指図」を選択します。
▲「掛金の配分」を選択します。金融商品のリストが表示されますので、掛金の配分をパーセンテージで指定しましょう。
まとめ
SBI証券個人型年金プランの書類を取りよせて、困惑を覚えた人向けに、簡単な解説をまとめました。
届いた書類は少々むずかしく、「分かっている人向け」という印象があります。「お得だと聞いたんでとりあえず資料請求してみた」という人の場合は、頭がクラクラしそうなハードルの高さがあります。
とはいえ、ここで挫折してはいけません。国のしくみは、勉強して理解した人から、お得な制度が利用できるようになっています。
自分で勉強しても理解が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなど、中立的な意見をもらえる専門家の助けを借りることも検討しましょう。
専門家に払う報酬は一時のものですが、得た知識は人生をより豊かにするはずです。