この記事は、当ブログのポリシーをお伝えするものです。このブログで言及する事柄は「現時点でオープンにしてもよい情報だけ」としています。
ビジネスの常識的なルールとして
当ブログの執筆者は、会計事務所を経営する税理士です。
会計事務所の取引先を考えるに、仕入先としては会計ソフトや税務ソフトを制作する会社があり、得意先として顧問先があります。
当たり前の話ですが、これらの取引先から信頼されることがなければ、取引は打ち切られ、会計事務所を維持することもできません。
そして、取引先から知り得た秘匿性のある情報を、勝手に公開してしまうことが許されないのは、ビジネスとしての原則でしょう。
そのようなことをすれば、取引先からの信頼がなくなるのは当たり前の話です。場合によっては、情報保護の義務に違反する可能性すらあります。
この記事では、このようなビジネスの原則を前提に、話を進めます。
「会計事務所優先」の情報が伝えられたら
本題はここからです。
もし、取引先である会社から、「重要な話なので、まずは会計事務所に優先してお伝えします」という情報が伝えられた場合、この情報をどう取り扱うべきでしょうか?
ここから先は、筆者の考え方になります。
当ブログとしては、ビジネスの原則に照らし、この情報の取扱いには慎重な判断が必要と考えます。その理由を以下に述べます。
まず第一の理由ですが、伝えられた情報は、公開情報ではありません。
センシティブな情報であるからこそ「公開情報」ではなく、「会計事務所に優先された情報」であると考えるのが当然でしょう。
こうした情報の取扱いには、慎重な対応が要求されると考えます。
そして第二の理由ですが、その情報を得たのは、優先的な権限を持っていたためです。
優先的な権限とは、取引先とのあいだに結ばれた契約であり、または認証によって得られた制度です。
こうした契約、優遇制度に基づいて優先的に得た情報であるならば、やはり「公開情報」と判断するのは難しいでしょう。
第三の理由として、「自分がされたら嫌なことはしない」という仁義のルールがあるからです。
当ブログが許可なく秘匿性のある情報を公開したのであれば、他人に対しても、私の秘匿して欲しい情報を公開することを認めることになってしまいます。
「情報公開はしないでください」と書かれていないものを、曲解して「公開していいもの」と判断するならば、それは仁義に欠ける行為と考えます。
多大な影響が生じる情報通知だった場合はどうか
当ブログの筆者は、取引先との信頼や、結ばれた契約をビジネスの土台と考えています。このため、情報の取扱いにはできるだけの注意を払っています。
では、仮に優先して伝えられた情報が、当ブログ及び会計事務所の経営に著しい影響を及ぼすものであったとして、この場合は、ビジネスの原則を無視してよいことになるのでしょうか?
この場合、まずはその情報について、担当者への問い合わせを行うのが正しい手続きと考えます。
その伝えられた情報に納得がいかないのであれば、まずは会社に直接抗議するのが筋でしょう。
その情報について不快感を覚えたからといって、誰が見ているかもわからない「公開の場」であるSNSやブログで、その内容を公表することは、ビジネスの原則から外れる行為と考えます。
また、他人がこの点についてすでに言及していたとしても、自分がいっしょになって騒ぎ立てれば、その行為に加担したのと同様になってしまいます。
どうしてもその情報をブログで公開することで世間に是非を問うのであれば、もし交渉したとしても会社からまったく相手にされない場合であり、その場合でも、相手側への通知・承認が必要でしょう。
ただし契約の概念に基づけば、取引先に不利益を与えた場合、今後の取引の打ち切りを覚悟する必要も当然にあるでしょう。
価格改定通知が「会計事務所優先」のパターン
奥歯にモノがはさまったような言い方をこれまでしてきましたが、このようなことを書いたのは、実際にこのような事例が生じているためです。
具体的な企業名を挙げることはしませんが、投資資金の回収フェーズに入ったいくつかのソフトの利用料が、昨今引き上げられていることは、ご存じのとおりです。
このような価格改定において、その情報の公開を「一般ユーザーよりも、認証メンバーを優先」という、パターンが見られるようになっています。
その通知の手順についての善し悪しを問うことは、ここでは避けます。また、価格改定という内容の是非も、また別問題であると考えます。
ここで論じているのは、情報の取扱い方という、ビジネスの原則の話です。原則を無視して、こうした枝葉の論議が成り立つとは考えづらいでしょう。
ビジネスの原則に照らせば、当ブログの考え方はこれまでに述べてきたとおりで、秘匿性のある情報をこのブログで公開することはありません。
公開情報となった時点で、その内容について言及することとしています。
その理由は、そのようなセンシティブな情報を雑に扱うと、相手側の経営に影響を及ぼす可能性があり、営業妨害となる可能性を恐れるからです。
また、いくら批判すべき内容であったとしても、ビジネスの原則を無視しているならば、その批判の有効性そのものが問われるといえます。
ここまで長々と書いてきたのは、当ブログのポリシーを説明したいからでした。
考え方は人それぞれ
あくまでここで述べたことは、筆者が考えているビジネスの原則です。
このため、もしこれを読んだ人が別の考え方を持っていたとしても、それを批判するという趣旨のものではありません。
例えていうならば、筆者は「鶏ガラだしの手打ちラーメン」が好きですが、このブログでその良さを力説したとしても、別に「背脂チャッチャ系のこってりラーメン」が好きな人のことを否定するつもりはない、ということです。
世の中には、自分と違う意見が存在することそのものが、なぜか自分への批判・否定であると解釈する人も一定数いるようで、意見を書くというのは本当に難しいです。
個人個人が好きな意見を持ち、好きな行動を取ればいいと思いますが、当ブログの筆者はこのように考えているということをお伝えしました。
あまり高潔きどりで、格好をつけた主張をしてこのブログのハードルをあげるのも嫌なのですが、自戒の「指さし確認」として記述しました。