MFクラウド給与入門【ペーパーレスで年末調整を実現するには?】

MFクラウド給与を利用する会社に向けた、素朴なギモンの解決法です。今回は、「扶養控除等申告書をネットで処理したい」という疑問にアンサーします。

説明のポイント

  • 「年末調整」の設定で「Web回収」に変更する
  • 扶養控除等申告書をネットで処理するには、税務署への申請が必要
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Q.年末調整で扶養控除等申告書を紙でやらなくてもいいって聞いたけど?

年末調整をペーパーレスで実施する疑問点についてお答えします。

年末調整といえば、年末に配布される用紙を記入するのがおなじみです。これは、原則として、年末調整に関する税務書類は紙に印刷して処理する必要があるためです。

しかし、MFクラウド給与では、紙で印刷することなく、年末調整に関係する書類を作成できます。このペーパーレスの年末調整機能は、昨年(2016年)11月にリリースされました。

参考『MFクラウド給与』年末調整をWeb上で完結 〜従業員の年末調整書類をオンラインで回収、ペーパレス化を実現〜(MFクラウド、2016年11月)

ペーパーレス年末調整の設定方法

MFクラウド給与におけるペーパーレスの年末調整の設定は、とても簡単です。

まず、会社側のアカウントにログインします。メニュー画面から、「年末調整」>「年末調整計算」を選択します。

年末調整の開始画面が表示されたら、「書類の回収の設定」のボタンを押します。

MFクラウド給与の年末調整

扶養控除等申告書と保険料控除申告書の2つを、いずれも「MFクラウド給与で回収する(Web回収)」に設定しましょう。

MFクラウド給与の年末調整2

その後、従業員側のアカウントでログインすると、「年末調整」のメニューにおいて、扶養控除等申告書をネット上から記入できます。

記入したものを印刷することもできます。紙で保管する場合は、PDFで出力して印刷しましょう。

MFクラウド給与の年末調整(従業員)

社長ひとりの会社でよくある話

扶養控除等申告書を記入するためには、「従業員側のアカウント」でログインする必要があります。

社長ひとりの会社の場合、自分の給与明細を見る必要がほとんどないので、社長を「従業員」として招待していないことが多いようです。

まず最初に、社長自身を「従業員」として招待しましょう。

画面右上に事業所名が表示されていますので、その右となりの▼ボタンを押し、「メンバーの追加・管理」を選択します。

MFクラウド給与の従業員招待1

メニューボタンを押して、「従業員をメンバーに追加する」を選択します。

MFクラウド給与の従業員招待2

メンバー追加画面が表示されますので、ここでメールアドレスを入力して、「一括追加」を押します。

MFクラウド給与の従業員招待3

【給与作業担当者の方へ】
2017年8月に、従業員の招待方法が大きく変更されています。上記で紹介した手順は、変更後のものです。
参考:一括で従業員をメンバーに追加できる機能をリリースしました(MFクラウド給与)

重要! ペーパーレスを実施するには税務署の承認が必要

MFクラウド給与の設定自体は難しくありませんが、このペーパーレスの年末調整には、注意点があります。

それは、このペーパーレスの処理を実現するためには、事前に税務署の承認が必要ということです。もし承認を得ていない場合は、Web回収を実施しても書類の印刷が必要になり、ペーパーレスになりません。

まず、税務署に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出して、承認を得ましょう。

なお、MFクラウド給与のヘルプでは、申請書の具体的な記入方法は説明されていませんので、補足しておきます。

MFクラウド給与におけるID(識別符号)は、各従業員を招待したメールアドレスです。このため、申請書における「その他参考事項」には、「識別符号の内容:メールアドレス」と書きましょう。

その他事項の記載欄

以前には、ペーパーレスの年末調整に関する解説記事を書きました。基本的な内容は、次の記事をご覧ください。

<当記事の改訂について> 当記事の初出時、「扶養控除等申告書」は申告書であり、国税関係書類に該当せ...

開業年からペーパーレスは実現できるか?

年末調整を待たずに、開業した年からペーパーレスは実現できるのでしょうか。

「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」の承認のタイミングは、申請書を提出した月の翌月末です。

ペーパーレス年末調整は開業月からは対応不可

ということは、開業月に申請書を提出しても、開業月の翌月まではこの申請の効力の範囲外です。一方で、扶養控除等申告書は、給与の支払いを最初に受ける日の前日までに提出して、会社で保管する必要があります。

これらを考えると、開業年からペーパーレスで実現したい場合は、開業から2ヶ月間の給与をあきらめる必要があると考えられます。

とくにこだわりがなければ、開業年は紙で対応して、翌年からペーパーレスを実現すればよいでしょう。

12月開業の場合、その翌年1月に給与を払う場合は、開業年とその翌年も扶養控除等申告書を紙に印刷する必要があるでしょう。

まとめ

MFクラウド給与における、ペーパーレス年末調整について説明しました。

MFクラウド給与を利用するメリットのひとつは、給与明細や年末調整をペーパーレスで利用できることです。事務負担やコストの減少につながります。

ペーパーレスの年末調整については、税務署への申請・承認が必要ですので忘れずに行いましょう。

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