MFクラウド会計で、源泉所得税の徴収が必要な報酬を支払っている場合について、効率的な処理を考えます。
前回の記事からの続編です。
説明のポイント
- 源泉所得税を含む支払いをどうやって楽に入力するか
- MFクラウド経費を使う方法
MFクラウド経費の「支払依頼」機能を使う
MFクラウド会計に連携する「MFクラウド経費」というソフトがあります。
「MFクラウド経費」は、クラウドでの経費精算ソフトで、経費精算業務の効率化を図ることができます。
このソフトには「支払依頼」という機能があります。この機能を使うことで、受け取った請求書の処理を、クラウド会計に連携させることができます。
「支払依頼」のメリットについては、以前の記事でも紹介しました。
支払依頼を使った操作とは?
MFクラウド経費の「支払依頼」では、入力時のフォームにおいて、源泉所得税を含んだものになっています。
下の画像は、10万円の支払いに、源泉税額10,210円を記入したものです。これらの数字は、受け取った請求書から記入します。
このフォームで入力すると、MFクラウド会計では、締め日ベースで源泉所得税が入力されます。締め日は、MFクラウド経費にて設定できます。
(業務委託料)108,000 /(未払金)97,790
. /(預り金)10,210
締め日ベースで源泉所得税が計上されるため、一般的な会計処理である「支払日における源泉所得税の計上」ではないことに留意が必要でしょう。
以前の記事でも説明したとおり、クラウド会計と相性の良い処理は、締め日ベースでの源泉所得税の計上です。
締め日に源泉所得税を計上すれば、その後の帳簿入力は、手入力の必要がないためです。
(未払金)97,790 /(普通預金)97,790
(預り金)10,210 /(普通預金)10,210
支払依頼を使うメリット
支払依頼の機能を利用するメリットは、
- MFクラウド経費の内部で入力を完結できる
- API連携に対応した金融機関であれば、振込操作もMFクラウド経費で処理可能
- MFクラウド経費だけ入力するため、仕訳のややこしい理解は不要
- MFクラウド会計においても、源泉所得税に関する手入力が不要になる
- スキャンした画像と支払依頼の業務をむすびつければ、スキャナ保存が導入できる
という点が挙げられるでしょう。
支払依頼の使いづらい点
「支払依頼」機能は、支払先ごとにひとつずつ申請を入力していく必要があります。大量の支払があったとしても、一括した処理はできないようです。
筆者の想像ですが、電子帳簿保存法のスキャナ保存の対応で、支払依頼における領収書の画像と紐付けるため……? とも考えられます。
このため、単に「帳簿を作る」という一点に注目してみれば、MFクラウド会計において仕訳帳をインポートする処理のほうが圧倒的に早いでしょう。この作業のやり方は以前に説明しました。
しかし、「帳簿を作る」ことだけが会社の業務ではありません。業務サイクルをトータルで見て、どのような処理がよいかを考えていくことが重要でしょう。
まとめ
MFクラウド経費の「支払依頼」の機能を通じて、源泉所得税を含む仕訳をMFクラウド会計に入力する方法を考えました。
どんな方法がいいのかは、会社によっても異なります。すでにMFクラウド経費を使っているならば、「支払依頼」の機能も、業務に組み込むことを検討してもよいのかもしれません。