MFクラウド会計・MFクラウド確定申告における、API連携による口座の再連携で注意すべき点をお伝えします。
説明のポイント
- APIによる口座の再連携での注意点
- 自動仕訳ルールは再連携でも引き継がれない
- 旧ID方式にひもづいている自動仕訳ルールを削除してしまう危険性
MFクラウド会計のAPI連携
MFクラウド会計(個人向けは「MFクラウド確定申告」)では、金融機関の口座とのAPI連携が進んでいます。
API連携を利用すれば、金融機関からのデータの取得のために、IDやパスワードをクラウドに預ける必要はありません。
政府方針でも、金融機関のAPI連携を促進するとされています。対応する金融機関の数は、今後も増えることでしょう。
API連携をするには口座の再連携が必要
MFクラウド会計は、API連携の対応を積極的に進めています。
とくに2018年2月においては、最大のメガバンクである三菱東京UFJ銀行の法人口座・個人口座がAPI連携に対応しています。
参考:三菱東京UFJ銀行の個人口座がAPI連携に対応しました
参考:三菱東京UFJ銀行の法人口座がAPI連携に対応しました
これにより、従来の電子証明書・ID方式から、API連携の方式に切り替える個人事業主・法人も多数あるでしょう。
ただし、ちょっと面倒なことがあります。
それは、API連携をするためには、従来の口座連携を一度解除し、API連携の口座として新たに設定する必要がある、ということです。
つまり、API連携に自動で置き換わってくれるわけではない、ということです。
再連携で要注意?
ここで、API連携で再連携させる場合に、注意すべき点があることに気づきました。
それは、従来の口座(ID連携)を削除すると、そこにひもづいていた「自動仕訳の設定」も削除されてしまう、ということです。
この点は、現在のところヘルプに記載されていません。筆者も繰り返しで検証はできていないのですが、注意喚起としてブログに記載します。
具体的にどういうこと?
この注意点、具体的にどういうことでしょうか。
MFクラウド会計のヘルプでは、API連携による再連携について、次のように作業を指示しています。(参考:データ連携の取り込み方式を変更した際の切り替え方法)
- API方式の口座を新規で連携させる
- 補助科目が別になってしまうので、従来の科目と同じにする
- 旧ID方式の連携は、「ごみ箱マーク」で解除する
ここでのポイントは、3番でしょう。
旧ID方式の連携は、API連携の開始によりもう利用できなくなるので、ごみ箱マークで削除(解除)します。それは確かにそのとおりです。
連携を削除した場合でも、これまでに入力してきた仕訳データに影響はありません。この点は、ヘルプにも記載されています。
メニュー画面「データ連携」>登録済一覧 で表示できる連携口座については、画面一番右のごみ箱マークで削除することができます。
ヘルプに記載のない注意点
ただし、ヘルプに記載がなかったのが、「自動仕訳ルール」についての取り扱いです。
ごみ箱マークで連携を削除すると、その口座で作っていた自動仕訳ルールについても、いっしょに削除されてしまいます。
これは、その「自動仕訳ルール」が連携口座にひもづいているためと考えられます。もし口座が存在しなくなれば、ルールの設定も意味をなさないからです。
複雑な入金・出金が数多くあり、複合の自動仕訳を多数作成している場合は、安易に連携を削除すると、自動仕訳ルールの設定の苦労が水の泡になりかねません。
対処方法は?
対処方法はどうすればいいのでしょう。
API連携を新規に設定しても、旧ID方式で作った自動仕訳のデータは引き継がれません。
このため、手作業による移行が必要です。
「自動で仕訳」>「連携サービスから入力」
画面右側にある「自動仕訳ルール」を選択
画面右側にある「エクスポート」でCSVデータを出力し、そのCSVデータを加工して、新たな口座に「インポート」をさせましょう。
なお、エクスポートされたCSVデータは、すべての口座の自動仕訳ルールが出力されています。
すでに存在するデータも上書きでインポートすることはできないようです。このため、該当の金融機関の口座だけのデータにしぼりこんで加工する必要があります。
まとめ
API連携の開始による、口座の切り替えについて気づいた点をお伝えしました。
ポイントは次のとおりです。
- APIでの連携を新規に開始すると、従来のID方式の自動仕訳ルールは引き継がれない
- ID方式の口座連携を削除すると、過去の設定データが消えてしまう
過去に苦労して設定した自動仕訳ルールが、うっかり消えてしまうことのないよう、配慮が必要でしょう。
筆者の環境において何度も検証できる内容ではありませんが、ここで記載した可能性は非常に高いと考えます。
口座連携を削除する場合は、自動仕訳ルールをあらかじめ保存しておいたほうが安全でしょう。