家計簿アプリの「マネーフォワード」を使って、「MFクラウド確定申告」用の仕訳データを作成する方法を説明します。
説明のポイント
- 口座設定の「手入力」の表示をONにする
- 家計簿と事業用データはアカウントが共通で、同じデータを参照している
- 家計簿側で手入力したデータを、事業用の仕訳データに利用できる
MFクラウド会計のアプリでは仕訳を作成できない
マネーフォワードの「MFクラウド会計」は、公式アプリを提供しています。アプリがあるならば、そこからクラウド会計の入力ができると考える方もいるでしょう。
しかし、この「MFクラウド会計」のアプリでは、仕訳を入力することはできません。アプリで利用できる機能は、次のものに限られています。
- 金融機関の登録
- 連携金融機関の入出金明細・残高の確認
- 未来の資金繰り予測の確認
- 収益・費用の確認
つまり、預金残高の確認と、資金繰り・収支の分析に限定されています。
アプリのダウンロードストアでも、「本アプリは分析、データ照会専用アプリです」と、ハッキリ書かれています。
家計簿アプリと事業用アカウントは共通している
公式アプリが分析用になっていることから、これを早合点して、「freeeは公式アプリで入力できるが、マネーフォワードの公式アプリは入力に非対応」と述べる記事が見られます。
しかし、マネーフォワードでも実は、家計簿用の「マネーフォワード」アプリを使うことで、仕訳データを作成することができます。家計簿用のアプリも、もちろん公式アプリです。
「おいおい、このアプリはご家庭向けじゃねーか、俺は事業の帳簿をつけるンだぞ……」と思われた方、もうちょっと我慢して読み進めてください。
重要なポイントですが、実は家計簿用の「マネーフォワード」と事業用の「MFクラウド確定申告」のデータはつながっています。同じデータベースを参照しているので、「MFクラウド確定申告」のアカウントで家計簿用の「マネーフォワード」にログインすることもできます。
サイト:ログイン|家計簿アプリ「マネーフォワード」
事業用で「MFクラウド確定申告」を利用し始めた方で、なおかつ家計簿の「マネーフォワード」を使ったことがない場合では、このつながりを知らないことが多いようです。
ただし、会計簿アプリでつけた内容と、事業用の帳簿でつけた内容は連動していません。これらは、あくまで別の処理とされています。
例えば、事業用で「水道光熱費」という仕訳を入力しても、それが家計簿側で連動して「光熱費」で処理されるわけではない、ということです。
アカウントとデータベースが共通といっても、銀行から取り込んだ口座の「原始データ」が共有されているだけの話です。
MFクラウドに「公式アプリ」で仕訳を追加する方法
さて、ここからが本題です。先ほど説明したとおり、家計簿と事業用はデータベースが共通しています。
このため、同じデータベースであることを利用して、家計簿アプリ「マネーフォワード」から入力したデータを、事業用の仕訳データに反映することができます。
実際に「マネーフォワード」の公式アプリから、仕訳データを手入力で作成してみましょう。
手入力で仕訳データを作成する
まずは、MFクラウド側で、口座表示の設定をします。メニュー画面から「データ連携」を選択し、「連携データの選択」の表示に切り替えます。
「手入力」という表示があるので、チェックを入れて「保存する」のボタンを押します。
次に、家計簿用の公式アプリ「マネーフォワード」をダウンロードしてインストールします。人気アプリのため、アプリの検索に迷うことはないでしょう。(iOSアプリでは「Essentials」の表示あり)
インストールが終わったら、MFクラウド確定申告のアカウントでログインします。
ログインしたら、画面下のボタンから「入力」に移動します。
入力画面に移動したら、下の画像のように交通費を入力します。
・日付の変更 →「カレンダー」のマーク
・摘要欄の入力 →「メモ」のマーク
・入力用口座の変更 →「¥の袋」のマーク(※アプリ内で口座を追加可能)
MFクラウド確定申告の画面に戻ると、さきほどアプリから入力したデータが、「手入力」として表示されています。
あとは、いつものように仕訳に整えて入力できます。ここからの説明は不要でしょう。
もどかしいのは、直接の仕訳入力ではないこと
公式アプリからの連動入力であるため、口座としての直接入力が可能です。ただし、「直接仕訳が入力されるわけではない」という点がもどかしいところです。
どういうことかといえば、アプリで入力をしても……
クラウド会計上の画面で、仕訳としてもう一度入力をする必要があるということです。きちんと確認・入力できてよいという考え方もあるでしょうが、正直、二度手間の印象があります。
また、家計簿アプリも同じアカウントで利用する場合、家計簿側で入力したレシートの内容は、口座設定を分けないと、事業用に反映されてしまうことも要注意です。(MFクラウド側で表示を除外すればOK)
家計簿用と事業用のアカウントは、別にしたほうがよいと考えます。
まとめ
「MFクラウドでは公式のアプリからでは仕訳を入力できない」という情報が、ネットで見られましたので、フォローの意味を込めて書きました。
ここで紹介したように、確かに「MFクラウド会計」の公式アプリは分析・確認用なので、仕訳を入力することはできません。
しかし、家計簿用の「マネーフォワード」のアプリを使えば、仕訳用のデータを作成できます。仕訳をそのままダイレクトに入力できるわけではありませんが、現金払いのレシートを入力するための一つの方法に挙げられるでしょう。
次回の更新では、レシートを撮影した場合の入力方法も説明しています。