ふるさと納税をした人は要注意 念のため住民税の納税通知書をチェックしよう

「ふるさと納税」をした場合に、住民税がきちんと減税されているか、住民税の納税通知書で確認したほうがいいでしょう。

説明のポイント

  • ふるさと納税による減税が、適用されていなかった事例がある
  • 減税が適用されているかの確認方法
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「ふるさと納税」とは

「ふるさと納税」とは、自分の好きな地方公共団体に寄付をすることで、実質的にその地方公共団体に納税したことと同じ効果を得られる制度です。

その寄付した「納税」相当分は、本来の居住地に納税するはずだった住民税があとで減少するしくみになっています。

つまり、寄付が先行しており、あとで住民税が減税されるため、寄付者における納税の負担は、トータルでほとんど変わらないことになります。

これはもともと、都市部に集中する財源を、地方に移譲するための政策のひとつです。都市部の住民がふるさと(地方)に納税すれば、都市部の財源を地方に移すことができるからです。

しかし、「ふるさと納税」という名称ではあるものの、「納税」ではなく「寄附」による控除という税のしくみを利用したことで、寄付額と減税額が一致せず(寄付額>減税額)、納税者に一部の自己負担が生じることになりました。

その自己負担の穴埋めとして、寄付を受けた自治体が「お礼」を出したことがきっかけとなり、お礼競争の過熱で、世間に話題となったものです。

「ふるさと納税」に適用もれの事例

そんな「ふるさと納税」に、住民税の減税がきちんと適用されていない、というニュースが見られるようになりました。

参考やっぱり他にもあった 岐阜市も「ふるさと納税」控除漏れ 指摘受けるまで気付かず(Tabisland、2018年5月)

上記のニュースの内容をかいつまんで述べると、「ワンストップ特例」の利用者について、ふるさと納税の減税がされていなかったというものです。

「ワンストップ特例」は、ふるさと納税の適用にあたり、確定申告を不要にして納税者の利便性を高めた制度ですが、しくみが複雑になることで自治体の担当者に負担を与えている状況がうかがえます。

自分の住民税の納税通知書をチェックしよう

先ほども述べたとおり、「ふるさと納税」は寄付が先行しており、その寄付を住民税の減税によって回収する制度になっています。

もし減税が適用されていないとしたら、寄付しただけで終わってしまう「まる損」になってしまいます。

自分の住民税に課税ミスがないか、きちんと確認したほうがいいでしょう。

特別徴収の場合

会社に勤務している場合は、会社から住民税が徴収される「特別徴収」という制度になっていることがほとんどです。

会社から手渡される書類は、次のようなデザインの横長の紙です。

このうち、紙の右側に「税額控除額」の欄があります。

普通徴収の場合

自営業の場合は「普通徴収」という、住民税を直接納める制度になっています。この場合、住民税の納税通知書は、自治体によってデザインが異なります。

東京都北区の場合、通知書の右下の方に「税額控除」という欄がありますので、そこを確認します。

税額控除はふるさと納税の寄付額と一致しない

ふるさと納税の計算はやや複雑なしくみとなっており、寄付額と税額控除は近似するものの、一致はしません。(寄付額>減税額)

また、税額控除の欄には、ふるさと納税以外の税額控除も合計して記載されることがあります。よって、ふるさと納税単独の税額控除が確認しづらい点も気になるところです。

万が一適用もれがある場合、控除がすっぽり抜け落ちていることがほとんどでしょう。金額が不自然であるかどうかは、確認すればすぐにわかるはずです。

もし疑問があった場合は、納税通知書を送付したお住まいの自治体の税務課に問い合わせましょう。(※税務署ではありません)

まとめ

5月~6月に手元に届く住民税の納税通知書について、ふるさと納税の適用がきちんとされているかどうかの注意喚起と、その確認方法をお伝えしました。

住民税の納税通知書は、お住まいの自治体から送られてくるものです。住民税は自分で計算したものではなく、自治体が計算したものですので、ごくわずかであっても課税ミスの可能性は含まれます。

ちょっとの手間ですむ話ですので、納税通知書をチェックしたほうがいいでしょう。

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