【e-Tax】マイナンバーカードの読み取りは、リーダーがなくても対応スマホで代替可能

パソコンを使ってe-Taxで確定申告するなら、マイナンバーカードとICカードリーダーがセットで必須!……という案内が一般的でした。しかし、その認識はやや注意が必要になっています。

説明のポイント

  • e-Taxやマイナポータルをパソコンで利用するには、マイナンバーカードを読み取るためにICカードリーダーも必要という認識が一般的だった
  • Androidスマホで、読み取り機能をもつ機種が増えつつある。必ずしも「ICカードリーダーが必要」とは断言できない状況になりつつある
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マイナンバーカードとICカードリーダー

個人が確定申告をする場合、書面で税務署に提出する方法と、e-Taxで電子申告をする方法があります。

とくに個人事業主は、2020年分(2021年3月提出)から電子申告のインセンティブが設けられるようになるため、時期が近づくにつれて関心も高まっていくことでしょう。

平成30年度税制改正により、個人事業主の青色申告特別控除が変更されることになりました。この点について...

電子申告がネックになっているのは、マイナンバーカードを取得するのが面倒くさい、という根本的な問題があるでしょう。マイナンバーカードの発行を受けるためには、顔写真の提出が必要だったり、役所に取りに行く手間があるからです。

また、インターネット経由でマイナポータルによる行政手続き申請やe-Tax(電子申告)を利用するには、マイナンバーカードを読み取るためのICカードリーダーも必要になる、という問題が挙げられます。

マイナンバーカードを批判する記事を見ると、その多くで槍玉に上がるのがICカードリーダーです。いわく、「3,000円もかかるICカードリーダーは、マイナンバーカードの読み取り以外には使い道のないもので、無駄な出費だ!」という批判です。

筆者も税理士として、「e-Taxで確定申告をするには、マイナンバーカードとICカードリーダーがセットで必要ですよ」という案内をしてきました。

しかし、この案内はやや注意が必要になってきたと感じていますので、この記事で注意点を整理しておきます。

マイナンバーカードは、スマホでも読み取れる

なぜ注意が必要になってきたかというと、それはスマートフォン経由でマイナンバーカードの電子証明書を読み取れる可能性が増えてきたからです。

この情報は、「公的個人認証サービスポータルサイト」で案内されています。

まず見る機会のないポータルサイトでしょうが、スマートフォンに対応する案内は、2017年頃からすでに始まっています。

マイナンバーカードを読み取る機能をもつのは、Androidのスマートフォンで2018年11月9日現在、対応機種数は48機種です(→【PDF】対応機種リスト:随時更新されており閲覧時は機種数が増えている可能性があります)

なお、iOSのスマートフォンは未対応とされています。追記:2019年10月、iPhoneへの対応が発表されました。

引用:【PDF】マイナンバーカード読み取り対応スマートフォン一覧(2018年11月9日現在)

「公的個人認証サービスポータルサイト」によると、スマートフォンを経由して、パソコンでマイナンバーカードを利用するためには、次の対応がすべて必要です。

  • スマートフォンに「利用者クライアントソフトAndroid版」をインストールする
  • Windowsパソコンに「利用者クライアントソフトWindows版」をインストールする
  • Windowsパソコンと、スマートフォンをBluetoothでペアリングする

詳しい対応方法は、「公的個人認証サービスポータルサイト」のFAQ「電子証明書の読取り可能なスマートフォンに関するご質問」にて確認できます。

e-Tax側でも対応は案内されている

では、スマートフォンを使ったマイナンバーカードの読み取りは、肝心のe-Tax側では対応可能なんだろうか? という点も気になるところでしょう。

これについて調べてみると、e-TaxホームページのFAQに次の記載がありました。

スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためにはどうすればよいのですか。

答 スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためには、ご利用のスマートフォンがマイナンバーカード対応NFCスマートフォンであるかの確認や専用のアプリのダウンロードなどの事前準備が必要になります。

引用:国税庁e-Taxホームページ「スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためにはどうすればよいのですか。

このヘルプが存在することは、すなわち、マイナンバーカードを対応スマートフォンで読み取ることができ、それは同時にe-Taxにも対応していることを意味するでしょう。

2018年12月17日付けで、スマホをカードリーダーとして使う場合の注意点として、券面情報が一部読み取れない旨の注意が発表されました。このため、通常のICリーダーとは異なる対応が求められます。詳しくはe-Taxホームページを参照してください。

まとめ

話を整理するとこういえるでしょう。

これまでは、「電子申告する場合は、マイナンバーカードとセットでICカードリーダーも必要」というのが一般的な認識であり、税理士としても同じように案内していました。

しかし、2018年11月現在においては、この案内だけでは不十分になっているといえそうです。

その理由は、マイナンバーカード読み取りに対応するAndroidスマートフォンを保有している場合、Bluetooth経由で認証できるので、マイナポータルやe-TaxのためにICカードリーダーを新規購入する必要はないからです。

対応機種は2016年秋冬モデルから発売が始まり、2018年11月現在では、48機種対応となっています。

つまり「e-Taxは、マイナンバーカードといっしょにICカードリーダーも絶対に必要」という認識は、不十分な情報になりつつあります。注意点のお知らせとして、この記事を書きました。

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