クレジットカードの利用明細を確認する場合に、セキュリティのために画像認証を導入している会社があります。これが障害となって、マネーフォワードクラウドの会計や経費精算において、データを取得しづらい場合があります。その事例を紹介します。
この記事では、事業主向けにスポットを当てていますが、家計簿アプリ「マネーフォワードME」でも共通の内容となります。
説明のポイント
- マネーフォワードクラウドへの連携に不向きなクレジットカードの紹介
- データ取得時に画像認証が必要で、手間が生じる
クレジットカードの利用明細と自動取得
マネーフォワードクラウドを利用するメリットのひとつには、クレジットカードの利用明細を自動取得できることがあげられるでしょう。
このしくみがなかった時代では、クレジットカード会社から利用明細のCSVデータを手作業でダウンロードし、それを仕訳用CSVデータにあつらえて、インポートする……ということが行われていました。
しかし、クラウド会計であれば、そんな手間は不要です。データ連携をひとたび設定すれば、あとはお茶を一服している間にデータがインポートされます。
また、設定後はクレジットカード会社の明細が更新されれば、そのデータを自動取得してくれます。なんとも楽な時代になりました。
マネーフォワードクラウドで画像認証を要求される
ところがです。ここで述べた「自動取得」が、微妙に「自動」ではないケースもあります。
そのケースとは、画像認証を導入しているクレジットカード会社と連携した場合です。一例をあげてみましょう。
下の画像は、オリコカードを自動連携させた場合の状態です。定期的に利用明細をインポートしてもらいたいのですが、取得するためには画像認証がそのたびに必要です。
このため、データの取得はいつも停止されており、わざわざ手作業で認証したのち、取得が開始されます。
画像認証では、ランダムな「ひらがな3文字」を要求されます。毎回のようにひらがなの入力をおねだりされ、正直しんどいです。
悪意はないのでしょうが、「ぬぽぽ」などと頭の悪そうな文字が並ぶと、血圧が10ほど上昇することは間違いありません。
画像認証が必要なクレジットカード会社は?
さきほどの例では、オリコカードを紹介しましたが、これ以外にも画像認証の必要なクレジットカード会社はどれぐらいあるのでしょうか?
筆者が知るところでは、次のクレジットカード会社で、明細取得時に画像認証が必要とされているようです。
- オリコカード(根拠)
- セディナ(根拠)
いずれも大手クレジットカード会社であり、利用者も多いことでしょう。
もしかしたら、これ以外にもあるかもしれません。ポケットカードでも、画像認証があるという話を聞きますが、筆者は未確認です。
API連携でいずれは解消される?
明細データの取得(スクレイピング)をするためには、マネーフォワードクラウドにログインIDとパスワードを預ける必要があります。
この方法を、もっと安全・快適なAPI利用に変更しようという動きがあります。2018年から2019年の現在においては、とくに金融機関でその動きが顕著です。これは、API導入の努力義務が影響しているようです。
クレジットカード会社においてもAPI利用の導入が検討されているようで、2018年4月には経済産業省による「クレジットカードデータ利用に係るAPI連携に関する検討会」において「クレジットカードデータ利用に係るAPIガイドライン(第1版)」がとりまとめられています。
しかし、API導入への努力義務が課された金融機関に比べて、クレジットカード業界では、セゾンカード、三越伊勢丹グループのエムアイカードのような例外をのぞき、いまのところAPI開放の動きはほとんど見られないようです。
とはいえ、いずれはAPI利用も増えてくることも期待されます。そうなれば、面倒な画像認証も不要になるのでしょう。
まとめ
マネーフォワードクラウドにクレジットカードを連携させても、画像認証が必要となり、自動取得にならない場合を紹介しました。
筆者が知るところでは、オリコ、セディナで画像認証があり、明細の取得がやりづらくなっています。
セキュリティを確保するためとはいえ、画像認証を毎回求められれば、やはり手間がかかります。そういう意味でいえば、これらのカードを事業用決済にあてるのは、とまどいを感じてしまいます。
ちなみにデータ取得の仕組みは同じなので、事業用にとどまらず、「マネーフォワードME」で家計簿をつけている場合でも同様です。
データ取得において画像認証が必要なものは、クレジットカード以外のサービスでもあるのですが、この点は別の機会に紹介します。