2019年分から確定申告書Bの所得控除の欄が変更 源泉徴収票に対応する小計を追加

国税庁は、2019年分から確定申告書Bの様式を一部変更する件を告知しました。年末調整済みの源泉徴収票をもとに、所得控除の合計をそのまま記載することができ、負担を軽減できます。

説明のポイント

  • 2019年分から「確定申告書B」の様式が一部変更される
  • 年末調整済みの源泉徴収票があれば、その所得控除の合計額をそのまま書き写せる欄が追加される
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国税庁ホームページにおける告知

2019年3月29日、国税庁ホームページで「国税関係手続が簡素化されました」という告知がありました。

告知された内容はいくつかありますが、そのなかでも気になるのが確定申告における実務対応の変化です。

  1. 各種書類の添付省略について
  2. 所得税の確定申告書の記載事項等の見直しについて

上記のうち、今回の記事でお伝えしたいのは、2番の「所得税の確定申告書の記載事項等の見直しについて」です。

この点について、「国税関係手続が簡素化されました」を見ると、

納税者の申告等の手続を簡素にするため、平成31年4月1日以後に提出する、平成31(2019)年分以後の所得税の確定申告書については、以下の記載事項が見直されました。

(記載事項の見直し内容)
所得控除額が年末調整で適用を受けた額と異動がない場合には、その合計額のみの記載とすることができます。

と書いてあります。

しかし、これだけだと何を意味しているのかがイマイチわかりづらいです。

様式変更の予定案が手引きページに掲載されている

国税庁の告知を見る限り、どうやら確定申告書の様式が変更になるらしいのですが、上記の告知だけでは、具体的な変更はよくわかりません。

この変更について、国税庁の手引きのページに、その変更案の画像が3月29日の時点ですでに掲載されていることに気づきました。

この部分は、なぜか告知から直接リンクされていません(4月1日現在)。

手引きのページが更新されたことは、注意深く国税庁ホームページを観察していないと、まず気づかないでしょう。

どんなふうに変更になるのか?

様式の変更案が載っているのは、「平成31年分の所得税の確定申告書B様式が変わります(平成31年4月)」というパンフレットです。

具体的には、次のように変更されます。いずれも「確定申告書B」が対象です。

【変更前】2018年分(平成30年分)までの所得控除欄

 

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【変更後】2019年分(令和元年分)からの所得控除欄

変更点のチェック

変更箇所ですが、まず所得控除の欄の配列が変更になりました。これにより、確定申告書A(平成30年分)と同じ所得控除の配列となっています。

そして、給与の源泉徴収票に対応する所得控除の小計(「⑩から⑳までの計」という部分)が設けられることになりました。つまり所得控除の欄は、確定申告書Aと同じ配置に統一されます。

この小計欄が用意された理由ですが、平成31年度税制改正において、年末調整済みの源泉徴収票に記載のある所得控除に変化がない場合は、その所得控除の合計額だけを「⑩から⑳までの計」に書き写せばいい、とされたからです。

これはさきほどの国税庁のアナウンスにもあるとおりです。

つまり、給与所得の源泉徴収票における「所得控除の額の合計額」の数字を……

そのまま、確定申告書Bの「⑩から⑳までの計」にそのまま書き写すことになります。

合計欄を書き写すだけでいいので、個別の所得控除の記載は不要になります。基礎控除や社会保険料控除をイチイチ書き写す必要がなくなるため、省エネになるでしょう。

ただし、2019年分からの確定申告では、源泉徴収票の添付が不要になります。よって、その根拠となる合計値の資料が、確定申告書に添付されていないことに留意が必要です。

(添付しないだけで、保存は必要ですし、確定申告書を作成するためにいままでどおり資料として必要なことに注意)

変更前と変更後の配置番号を見比べると、所得控除の欄はいずれも⑩から(25)までであり、小計が1列追加されたにも関わらず、番号が変更の前後で一致するのは奇妙に見えます。これは「変更前」⑰が欠番のためで、平成16年分で廃止された「老年者控除」の影響のようです。

まとめ

平成31年度税制改正の影響として、「確定申告書B」の様式が変更となり、所得控除の欄に変更が生じる点をお伝えしました。

その理由は、給与所得の源泉徴収票における所得控除の合計を、そのまま書き写すことができる欄を設けるためです。

なお、この新様式は2019年分用であり、2020年1月1日以後に使用予定とされています。この記事執筆時点ではまだ利用できません。

なお、今の2018年分(平成30年分)の段階でも、「確定申告書等作成コーナー」において確定申告書Aを使って申告書を作成し、所得控除を追加・変更をしない場合は、所得控除の欄における小計だけが入力された確定申告書が出力されます。

(つまり、社会保険料控除や生命保険料控除は個別に表示されず、「⑥から⑮までの小計」という部分だけに数字が入る)

なんでこういう出力ができるのか、その根拠がうっすらと気になっていましたが、調べるのも骨なので、税制改正の解説を待ちたいと思います。

参考