ネット専業銀行の法人口座、振込手数料の引き下げ合戦か?

インターネット専業銀行の法人口座で、微妙に振込手数料の引き下げ合戦が始まっているようです。今回、住信SBIネット銀行が発表した最安水準の手数料を紹介するとともに、これまでの経緯もお伝えします。

説明のポイント

  • 住信SBIネット銀行が、法人口座の振込手数料を最安水準に引き下げ
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インターネット専業銀行のメリット

法人を設立した場合は、どの事業主も、どこかの金融機関に口座を開設することでしょう。また、業務改善や省コスト化を考えている事業主も、いらっしゃることでしょう。

もし有名な銀行の「看板」にこだわる必要がなければ、インターネット専業銀行を選ぶことも選択肢の一つです。

インターネット専業銀行を選ぶメリットは、振込手数料が一般の金融機関に比べて低いうえに、月額の維持手数料がかからないことです。

個人向けのネットバンキングに慣れていると違和感がありますが、一般的な金融機関においては、法人口座のネットバンキングは月々の利用料がかかります。しかし、ネット銀行であれば法人口座でも月々の維持手数料はかかりません。

手数料の引き下げ合戦?

ここ数年ですと、インターネット専業銀行の法人口座における各種手数料は、楽天銀行が最安という認識が一般的でした。

例えば、振込手数料について3万円以上の他行振込は「258円(税込)」となっています。一般的な金融機関での「756円(税込)」と比べてみれば、その振込手数料の価格差は歴然です。

そんななか、2018年7月に開業したのが「GMOあおぞらネット銀行」です。

インターネットサービス総合企業のGMOインターネットとあおぞら銀行の業務提携でスタートした同行は、法人口座の拡大にも注力しているようです。

法人口座における振込手数料を見ると、3万円以上の他行振込で「257円(税込)」という金額を設定しています。1円きざみですが、これが楽天銀行を意識しているのは明らかでしょう。

また、同行間の振込手数料が0円であることにも注目です。

従業員の口座もそろえれば、毎月の給与振込手数料は一切かからないことになります。これは、後発のネット銀行として口座利用者を増やすための戦略でしょう。

住信SBIネット銀行の振込手数料が最安水準に

そして最近である4月18日、住信SBIネット銀行が法人口座における各種手数料の改定を発表しました。

住信SBIネット銀行のプレスリリースによれば、引き下げの実施は2019年6月1日とのことです。

新しい手数料の一部を見てみましょう。

振込手数料は3万円以上の他行振込で「250円(税込)」となっています。1円きざみではなく、GMOあおぞらネットよりも7円下げてきました。

同行間の振込手数料は50円(税込)ですが、住信SBIネット銀行はすでに一定の口座利用者がいることを考えた設定でしょう。

とくに他行振込3万円以上で「250円(税込)」という設定は、同行の個人口座における振込手数料よりも安い設定です。

これ以外にも、総合振込の月額基本料金を無料化し、こちらも楽天銀行・GMOあおぞらネット銀行と同じ水準にあわせています。

こうした経緯を見る限り、ネット銀行において、法人口座における手数料の価格競争が起こっているようです。

もちろん数円程度では、よほどの振込回数でなければ明確な差にはならないにしても、訴求力としてのインパクトは違います。

このほか、住信SBIネット銀行の法人口座では、入金回数が月間10件以上あると、振込手数料が10件無料になるという、他行にない特典でも注目されます。

ペイジー非対応という注意点

じゃあ、「これからは住信SBIネット銀行がイチオシ!」かというと、微妙にそうとも言い切れない事情があります。

それは、住信SBIネット銀行・GMOあおぞらネット銀行ともに、ペイジーに対応していないということです。

ペイジーとは、納付書に書かれている番号を入力するだけで納付できる電子納付システムのことです。ネットバンキングにおいてペイジーで処理すれば、たいていの納付処理はネットで完結します。

しかしペイジーに対応していない金融機関では、月々の源泉所得税や社会保険料の納付がネットでできず、不便さを感じます。

つまり、法人口座の「ファーストチョイス」としてはちょっと微妙……ということになります。

もちろん、複数の金融機関を併用している場合は、問題ないでしょう。納税や社会保険料は、ネット銀行以外の金融機関で処理すればいいからです。

まとめ

ネット銀行の法人口座において、振込手数料の引き下げ競争が静かに起こっていることをお伝えしました。

とくに、住信SBIネット銀行が発表した新手数料は他行振込3万円以上で「250円(税込)」という設定です。これは、同行の個人口座における振込手数料よりも安い設定です。

各銀行のあいだで今後も手数料の引き下げ合戦が継続するかはわかりませんが、経理に関係する話として注目しておきたいできごとでしょう。

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