地方税共同機構は2020年3月23日、eLTAXのブラウザの推奨環境に「Microsoft Edge」を追加したと発表しました。この点に触れておきます。
説明のポイント
- 対応した推奨環境のEdgeは、新バージョンのもの
- 旧バージョンのEdgeでは、eLTAXの指定の拡張機能をインストールできない
- 2020年3月現在、新バージョンのEdgeはe-Taxでは誤作動を起こすことに注意
eLTAXもEdgeに対応
税務で利用するブラウザといえば、長らく「Internet Explorer」が中心で、Windows10の標準ブラウザである「Microsoft Edge」には、未対応の状況が続いてきました。
しかし、2019年5月にe-TaxでEdgeが推奨環境に追加されました。
また、2020年には個人向けの「確定申告書等作成コーナー」でもEdgeでのe-Tax送信に対応しています。
これに続き、地方税のeLTAXにおいても、推奨環境のブラウザに「Microsoft Edge」が追加されたことが発表されました。
これで税務もようやく、「脱IE!」になったといえます。
新Edgeはe-Taxで現在非対応
ただし、これでEdgeを利用しようとしても、旧バージョンのEdge(Microsoft Edge 44)は、eLTAXの推奨環境ではないことに要注意です。
旧バージョンのEdgeの場合、ブラウザのアイコンは次のものになっています。
この記事執筆の2020年3月現在、ほとんどの人が「旧バージョンのEdge」を利用しており、いまのところは推奨環境の対象外となっています。
日本国内での新Edge(Microsoft Edge 79)へのバージョンアップは一時的に停止されており、4月17日以降になると発表されています。
これは、Microsoftによる確定申告への影響を考慮した対応とのことです。
国税庁e-Taxホームページによると、新バージョンのEdgeを利用した場合、e-Taxにおいてマイナンバーカードを認証できない場合や、画面の表示崩れ、進行不能などの不具合が生じるとされています。
参考
- Microsoft Edgeをご利用の方へ(令和2年1月30日)(国税庁e-Tax)
- Microsoft Edgeへの対応について(国税庁 確定申告書等作成コーナーよくある質問)
- 新しい Microsoft Edge へのアップグレード(Microsoft)
実務で利用する場合、eLTAXがEdgeに対応したといっても、e-Taxも新バージョンのEdgeに対応してくれないと、困ってしまいます。
Edgeが今後、強制的に新バージョンにアップデートされたものの、もしe-Tax側で対応が間に合っていなければ、e-Taxでは一時的にInternet Explorerを利用することになるでしょう。(ややこしいので、e-TaxとeLTAXともにIEを利用するのが無難でしょう)
旧EdgeをeLTAXで使うとどうなるか?
実のところをいうと、いまの旧Edgeでも、eLTAXのPCdesk(WEB版)を利用することは可能です。
では、旧Edgeでどのような障害が生じていたかというと、申告データを送信するときに電子証明書を認証できないという問題があります。
Edgeで電子証明書を認証するためには、「eLTAX PCdesk(WEB版)Edge用AP」のインストールが必要ですが、旧Edgeでは非対応となっています。
電子証明書の利用を伴わない作業であれば、旧EdgeでもPCdesk(WEB版)を利用することは可能です。
ただし、なにかあっても嫌なので、推奨環境のInternet Explorerを使うのが無難でしょう。
まとめ
eLTAXでもついに推奨環境に「Microsoft Edge」が追加されました。これで、税務のブラウザ対応も「脱IE」に到達したといえます。
ただし、推奨環境に追加されたのは新バージョンのEdgeであり、2020年3月現在の旧Edgeでは、電子証明書の認証はできないことに要注意です。
また、旧Edgeから新Edgeのアップデート配信は、確定申告への配慮で4月17日以降とされています。
現状ではe-Tax側で新バージョンのEdgeに対応できておらず、状況は若干ややこしいことになっています。
4月以降、もしEdgeが強制的にアップデートされてしまった場合は、e-Taxソフト(WEB版)は、Internet Explorerを使うほうがよいでしょう。
一方のeLTAXは、新バージョンのEdgeが推奨環境になっているので問題ないわけですが、ブラウザの使い分けは利用者の考え方しだいでしょう。