そういえば、住宅ローン控除って一時期廃止の話がありましたよね

存在するのが当たり前という感覚もある「住宅ローン控除」ですが、この減税制度は今後も続くのでしょうか。実際、以前にありそうだった廃止縮小の流れを想起してみます。

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一時期存在した住宅ローン控除の縮減・廃止論

今となってはかなり前の話ですが、住宅ローン控除を廃止・縮減しようとする流れが、かつてありました。

平成20年(2008年)の住宅取得における控除限度額の総額が、160万円まで縮小しているのは、その現れといえます。

しかし、「100年に1度の経済危機」と当時いわれたサブプライム危機により、こうした流れはどこかにふっとんでしまい、経済対策としての住宅ローン控除が復活、その後も継続されてきました。

参考「過去最大」の大風呂敷広げた住宅ローン減税拡充案の実態(ダイヤモンドオンライン、2008年)

住宅ローン控除は存続すべき!という意見

その2008年当時に作成された、住宅ローン控除の継続をうったえる意見書があります。

参考住宅不動産税制研究会「これからの住宅取得支援税制のあり方を考える」中間とりまとめ、2008年

これを読むと、著名な経済学者、税法学者、税理士の手によって作成されていることがわかります。(不動産業界の肝いりですが)

住宅ローン控除のあらましや、経済政策における重要性は、すべてこの意見書で把握できるでしょう。

サブプライム危機のあとの景気回復の過程においても、住宅ローン控除の適用額はだんだんと縮小されつつありましたが、その後に廃止が議論されたことはない、と記憶しています。

住宅ローン控除ってどうなの?

やはり住宅ローン控除は重要で、廃止などとんでもない!

 

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……というのが主流派の意見なのでしょうが、個人的には、住宅ローンという制度には疑問を感じるところもあります。

いくつか意見してみます。

まず、政府が税制としての優遇のお墨付きを与えることが、「持ち家をもってこそ、一人前」という風潮に寄与しているのではないか……という印象も筆者はもっています。

とはいえ、諸外国にもこうした持ち家政策への優遇制度はあるそうですから、筆者の見方は考えすぎなのかもしれません。

「持ち家 vs 賃貸」という議論は、別にどうやって住もうがその家族の勝手だろくらいにしか思いませんが、世間的に「持ち家」に対する焦燥感というか、土地信仰のようなこだわりがあるからこそ、こうした議論がウケるようにも感じます。

住宅ローン控除は、住宅というインフラの供給を事業者ではなく、個人に推奨する政策ですが、これに個人が応えることは適当なのか。疑問視する点もあります。

その理由ですが、ひとつには災害リスクです。過去の震災で新築住宅が全壊し、二重ローンとなってしまった事例がありました。この日本列島が「災害の巣」であることは、論を待たないでしょう。

もう一つは、安定収入・終身雇用を前提とした制度のため、環境が激変した場合には苦境に陥る可能性が高いことです。新築の住宅を売却しても、背負っているローンを全額返済できないことがほとんどでしょう。

環境が不安定な時代に、莫大な住宅ローンを借りたとして、これに対する税額控除という制度もきちんと機能するのか?

個人に対して、持ち家取得の背中を押す制度としては結構ですが、これらを考えるに、どうも不安視せずにはいられない点もあります。

まとめ

住宅ローン控除に一時期、廃止論があったことを思い出したので、その時点に関する資料をメモ代わりに掲載してみました。

住宅ローンに対して優遇制度を設けることは、税額控除という魅力ばかりが目立ち、その一方で住宅ローンを背負い込むことのリスクは軽視されがちのようにも感じられます。

賃貸住宅であれば、身の丈にあった生活ができますが、持ち家ではそれは難しいです。

ちなみに、誤解のないように述べておくと、住宅ローン控除を批判すると、なぜかムキになる人がいるのですが、別にその制度に賛成しない点や疑問視する点があるのであって、適用を受けている人を批判しているわけではありません。

あくまで国の減税政策としての「住宅ローン控除」が当たり前すぎていないか? と感じており、この点に関心を持って記事を書いています。

なお、筆者は経済学者・財政学者ではないため、私見のメモに近いものとお考えください。