「年末調整ソフト」プロトタイプ版ver0.9が公開 変更点の確認

国税庁は2020年9月7日、「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」(年調ソフト)のプロトタイプ版ver0.9を公開しました。国税庁ホームページ「年末調整手続の電子化」でダウンロードできます。

正式版は10月から配布開始とされていますので、ver0.9はファイナルベータ版と考えられます。どこが変わったのか、筆者が気づいた限りで整理してみます。

説明のポイント

  • 年末調整書類の印刷がA4横からA4縦に変更
  • ひとりでソフトを利用する場合は、次回利用時にパスワードの入力が不要になった
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【1】マイナポータル連携は、トップに表示されなくなった

プロトタイプ版ver0.7までは、マイナポータル連携における控除証明書などのデータ取得は、トップページに表示されていました。

この仕様が変更され、トップページに表示されているのは、「給与支払者情報インポート」「前年に作成した控除申告書データ一括インポート」になっています。

「給与支払者情報」は、会社があらかじめ配布する会社情報のXMLデータを読み込むことで、従業員が記入する情報を減らすことができます。

また、「前年に作成した控除証明書」については、令和2年分では利用しない機能とされています。令和3年以降に、前年作成のデータを再利用できるとのことです。

では、肝心のマイナポータル連携の操作がどこに移動したのかというと、控除申告書の作成画面で取り込むようになっていました。

初回のデータ作成時においては、作成する申告書を選択しなくても、まず証明書のデータをインポートする画面が表示されます。

 

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【2】書面出力の書式が「縦」が標準になった

ver0.9の大きな変更点としては、書面印刷した場合の年末調整書類の書式が、A4縦を基本とされています。

プロトタイプ版ver0.7までは、印刷様式がA4横になっていましたので、記入項目数が多いと、枚数が多くなってしまう状態でした。

これがA4縦に変更されたことで、印刷枚数はいくぶん少なくなるといえます。

気になる点としては、国税庁の標準配布様式も兼用する予定である場合は、縦と横の様式が入り交じるため、さらに違和感が生じることになりそうです。

【3】個人番号がXMLと帳票に表示されるようになった(ver0.7までは表示されず)

プロトタイプ版ver0.7までは、申告書の作成段階で個人番号を入力しても、扶養控除等申告書などの帳票には反映されていませんでした。

この点、ver0.9になり、個人番号が帳票に表示されるようになりました。

【4】トップページで、「ひとりで使用」「複数人で使用」のいずれかを選択するようになった

プロトタイプ版ver0.9を利用すると、真っ先に気づくであろう変更点が、「使用するユーザ数の選択」が表示される点です。

ほとんどの場合では「ひとりで使用する」のでしょうが、共用パソコンでインストールすれば「複数人で使用する」ことも可能です。

「ひとりで使用する」を選んだ場合は、前回にログインした情報がそのまま維持されるようになり、パスワードは入力不要で操作を開始できます。

一方、「複数人で使用する」を選択した場合は、ソフトのスタート画面で利用者の選択が表示されるようになり、パスワードの入力が必要です。

まとめ

2020年9月上旬に公開された年末調整ソフトプロトタイプ版ver0.9における主要な変更点を確認しました。

筆者が気づいたのはおおむねこのあたりですが、これ以外にも微妙な変更点があるかもしれません。

年末調整ソフトの正式版は10月とされており、もうリリース目前です。ver0.9は、正式版とほぼ同一仕様であると考えてよいでしょう。