会社から年末ごろに渡される「源泉徴収票」。毎年のものが溜まっているが、捨てていいのかわからない……という疑問にお答えします。
一般向けの記事です。
説明のポイント
- 源泉徴収票を受け取っても、保存する義務はない
- あとで確定申告をしたい場合に使う可能性があるので、5年間は保存しておくのがオススメ
源泉徴収票、捨てていいの?
「源泉徴収票」は、会社から給与をもらっている人、年金をもらっている人が交付される書類です。
この「源泉徴収票」ですが、確定申告をしなかった人にとっては、結局使うことのなかった書類なので、いつ捨てていいのかわからない……という疑問もあるようです。
その疑問にお答えします。
1.保存義務はない
結論ですが、「源泉徴収票」を受け取った場合でも、保存しておく義務はありません。
かなり乱暴な言い方をすれば、受け取った瞬間にごみ箱に放り込んでも、誰からも怒られることはありません。
ただし、即座に捨てるとあとで困る可能性もあるため、できれば5年間の保存をおすすめします。
2.過去5年間は、あとからでも確定申告できる
源泉徴収票を利用する機会といえば、やはり確定申告をする場合です。
確定申告書には、給与の額や、社会保険料、源泉徴収された金額を記入します。そして、これらの情報は、源泉徴収票に載っています。
つまり、あとで確定申告をしたいと思った場合に、もし源泉徴収票を捨てていると、確定申告書が記入できない…… ということで、困ってしまいます。
では、確定申告ができる期間までは源泉徴収票を保存するとして、その期間はどれぐらいなのか?
その期間は「5年間」とされています。つまり、源泉徴収票を受け取ってから5年間は、手もとで保存しておくとよい、といえます。
例えば、現在は令和2年ですが、この時点で提出できる確定申告書の過去の期間は「令和元年、平成30年、29年、28年、27年」の5年分となっています。
具体的には、国税庁のe-Taxホームページで確定申告書を作成できるソフトとして「確定申告書等作成コーナー」が提供されています。ここで表示できる期間を見れば、どれぐらいまで過去の申告書を作成できるのかわかります。(※下の画像は令和2年現在のもの。令和元年、平成30~27年の5年分が作成できる)
これ以前の期間は提出できません。よって、5年より前の源泉徴収票を確定申告のために使う機会はありませんので、保存する意味も失われているといえます。
画像で保存しておくのはどうか?
近年の令和元年度税制改正により、確定申告書を提出するときには、源泉徴収票をいっしょに添付する必要はなくなりました。
しかし、さきほども述べたとおり、給与の金額などを確定申告書に記入するためには、源泉徴収票はやはり必要です。
つまり、確定申告書に添付はしなくていいが、確定申告書を作成するまでの過程では、源泉徴収票が必要ということに変わりはありません。
では、給与などの数字さえわかればいいのだから、スマホなどで写真として保存しておくのはどうか? という疑問も浮かぶことでしょう。
この疑問への答えですが、「自分さえ困らなければ、それでもOK」という意見になります。
確定申告書に源泉徴収票は添付しませんので、画像をみて数字を記入すれば、確定申告書は作成できます。
しかし、源泉徴収票は、確定申告書を作成する以外にも収入証明の書類として使われている実情があります。(住宅ローン契約、賃貸契約など)
こうした意味で、画像の源泉徴収票だと、提出先に認められない可能性があるかもしれません。
まとめ
源泉徴収票はどれぐらいまで保管しておけばいいのか、という点を説明しました。
話をまとめると、
- 源泉徴収票を受け取っても、保存する義務はない
- あとで確定申告(還付申告)をしたい場合に使う可能性があるので、5年間は保存しておく
ということになるでしょう。
5年を超えた源泉徴収票は、使う機会は通常ありません。しかし、捨てるのもなんだか不安という場合は、スマホなどで写真を撮っておくのも一つの手でしょう。