金ETFのGLDMが経費率を0.10%に引下げ 純金積立に最適かも

大手資産運用会社のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズによると、金ETFのGLDMについて、総経費率を0.10%に引き下げるとのことです。2022年2月23日からとのこと。

投資の話です。税務とはあまり関係ありませんが、特定口座と一般口座で気づいた話が少しだけあります。

説明のポイント

  • 金ETFのGLDMが、総経費率を0.10%に引き下げ
  • 外国株では、株式併合など特殊ケースで、特定口座のものが一般口座に払い出しされる場合がある
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純金積立にもいろいろあるが……

純金といえば、太古から価値を認められてきた資産。

資産の一部に純金など実物資産を組み込むことの推奨記事はたまに見かけますが、弱点なのは株式や債券と違い、配当や利息がないことです。

筆者も純金の購入については、金ETF、CFD、地金購入、専門業者やネット証券の積立など、どれがいいかを長らく悩んでいたのですが、どれがいいのかはなんともいえないところでした。

個人的には、気軽に売買できる金ETFが好みです。しかし、古くからある金ETFのGLD(SPDRゴールド・シェア)も、経費率は0.40%。つまり価格が同じままで10年持っていたら、配当もないわりに4%が経費に消えるということです。

三菱UFJ信託が「金の果実シリーズ」を2010年にスタートしたときも、GLD(東証1326)を意識したのか、金の果実の金ETF(東証1540)の信託報酬は0.40%(税抜)という感じです。

「金ETFはお手軽なのがいいけど、経費率を考えるとちょっと悩むよね。純金積立は維持コストはないけど結局は売買のスプレッドがそこそこあるし。ゴールドバーやコインは手許に置くのもじゃまだし……」という感じで、結論も出ない感じでした。

ここ数年では海外で金ETFの経費率引き下げ競争があったようで、GLDの弟分のETFとして、GLDM(SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)が2018年に設定されました。

経費率は0.18%で、積立の長期保有としてもお手頃でいいのでは? という感じです。なんといっても、経費率はGLDの約半分です。

GLDMの経費率がさらに減って、0.10%に!

そんな経費率にこだわる庶民にやさしいGLDMですが、2022年2月に発表されリリースによると、総経費率を0.10%に引き下げるということです。

参考ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、ワールド・ゴールド・カウンシルと『SPDR®ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト』の受益権併合を発表

今回の受益権併合にあわせ、2022 年 2 月 23 日(米国時間)から GLDM の総経費率(TER)を 10 ベーシスポイント(0.10%)に引き下げ、投資家のトータル保有コストをさらに軽減します。

いまでもお手頃な経費率がさらに下がるということで、ちょっと驚きでした。配当のない純金ですが、コストが小さければ心理的な負担も少ないです。

富裕層でない一般人としては、金の積立はこれでいいのでは……というのが個人的な意見です。ただし米国ETFなので、取引手数料、為替手数料がかかるなどの注意点もあります。

さらに少し気になるのは、今回の発表で受益権の併合(2→1)があるということです。流動性の面からはどうなのでしょうか。

特定口座でも一般口座に払い出しされることがある

筆者は現在、楽天証券でGLDMの購入をしています。最近、米国株式の自動積立が始まったことと、GLDMは購入手数料の無料プログラムの対象になっていることが理由です。

ところが、楽天証券から通知されたところによると、GLDMが受益権併合されることにより、特定口座で保有していた株式が、一般口座に払い出しされるとのこと。

楽天証券では、株式併合があった場合など一定の理由があるときは、特定口座の株式であっても一般口座に強制的に払い出しされてから処理されるようです。(楽天証券ヘルプ参照

これに比べ、筆者が以前にGLDMを買っていたSBI証券では、株式併合があっても特定口座のままで対応できるようです。(SBI証券ヘルプ参照

筆者は米国株式の個別売買はあまり経験がないので、このような扱いを初めて知りました。

つまり、外国株も特定口座と思って安心していたら、特殊なケースによっていつのまにか一般口座になっていることもある……ということです。

ネット証券の米国株式も特定口座に対応してからは、一般口座をあまり意識することが少なくなったように思いますので、税務の資料収集に関連する話としても要注意と思いました。

まとめ

金ETFのGLDMについて、総経費率の引き下げと、受益権の併合にともなう一般口座への払い出しの可能性について述べました。

金ETFは、気軽に純金を保有できるのがいいですね。日本円で取引したければ、東証上場の金ETFでもいいと思います。

最近は、純金の価格が高騰しており、日本円ベースの先物では、史上最高値に到達したそうです。(日経電子版、2022年2月21日

GLDのチャートも、設定当初から17年で価格は4倍近くになってます。

思い返すに、10年以上前には現物資産ブームがあったように思いますが、今回はどうなんでしょうか。

今回の経費率の引き下げも、資産価格が高くなれば相対的にコストを下げることも可能なようにも思いますので、活況の影響もあるのかもしれません。

最高値が出た近辺で金ETFの話を書くと、まるで「高値づかみ」感が全開ですが、当方はあくまで積立を前提としているので、その点はご承知おきください。

2023年6月に関連記事を書きました。こちらもご参照ください。

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