純金への投資について、2023年6月に新しい投資信託がスタートするようです。日本円で買い付けできて、低コストのようなので、ご紹介します。
税務とは関係ない、投資の話です。
説明のポイント
- 日本円で買い付けできる低コストの純金投信「サクッと純金」が新規設定
- 実質的な負担は、年率税込0.1838%程度
低コストの純金投信が注目されている
以前の記事ですが、海外の純金ETFであるGLDMが総経費率を0.10%に引き下げたことを紹介しました。
この記事ですが、他に類似する記事が少なかったためか、そこそこのアクセスがあって、驚きました。金価格が上昇している影響もあったかもしれません。
GLDMに注目したのは、日本円で買える純金の投信よりも、コストが大幅に低い事情があるためです。
日本円から米ドルに換金して、外国ETFを買い付けするという手間よりも、維持コストのメリットが上回る…… ということです。
日本円で買える低コスト純金投信が登場
そんななか、SBIグループの SBIアセットマネジメント株式会社が、新しく設定する投資信託のシリーズのなかに、純金に投資するものがあるようです。
参考:「SBI・V シリーズと SBI・i シェアーズ・シリーズのインデックス型ファンド拡充に向けた公募 11 ファンドの募集・設定のお知らせ」(2023年5月9日)
プレスリリースを見ると、
- ファンド名:SBI・i シェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)
- 愛称:サクっと純金(為替ヘッジなし)
- 実質的な負担(年率・税込):0.1838%程度
- 主要投資対象 (ティッカー):i シェアーズ・フィジカル・ゴールド ETC(IGLN)
と書いてあります。なお、「為替ヘッジなし」のほかに、「為替ヘッジあり」も提供されます。
6月3日現在、SBI証券のホームページを見たところ、「SBI・iシェアーズ”サクっと”シリーズ」としての特集ページも用意されていました。
IGLNとは?
「サクっと純金」について見てみると、海外ETFに投資する投資信託であり、主要投資対象 (ティッカー)は「i シェアーズ・フィジカル・ゴールド ETC(IGLN) 」とありました。
iシェアーズの金ETFといえば、IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)だったような…… という印象を筆者はもっていたのですが、調べてみると、IGLNはロンドン証券取引所に上場するETFのようです(※SGLNは英ポンドで、IGLNが米ドル)。
IGLNの総経費率は0.12%とありますので、やはり低コストです。
「サクっと純金」が日本円で買い付けできることを考えると、実質的な負担で「年率・税込0.1838%程度」というのは、やはりありがたいところです。
日本円で買えることのメリット
この記事で紹介した「サクっと純金」の実質負担が年率0.1838%程度ということを考えると、以前に紹介したGLDMの総経費率(年率0.10%)のほうが低いので、なんだか見劣りするように感じるかもしれませんが、日本円で「サクッと」買い付けできるのは魅力的です。
かなり昔の話ですが、あるインデックス投資家さんのブログで、「たしかに外国ETFはコストが安くて多彩な選択肢もあるので魅力的だが、それでも自分は日本籍の投資信託を選ぶ」という意見を見たことがありました。
その理由として、もし自分に万が一があったときに、残された家族が外国ETFを売却するのは不慣れで負担になるかもしれない、ということを挙げており、なるほどと思った記憶があります。
昨今は「デジタル遺産」の承継が注目されていますが、課題を先取りしていた意見といえそうです。この点で、ネット証券であっても日本円で買える投資信託であれば、まだ比較的扱いやすいものといえます。
まとめ
新規設定された投資信託である「サクっと純金(為替ヘッジなし)」について注目する記事でした。
日本円で購入できてさらに低コストというのは、やはり魅力的です。自動買い付けも設定しやすいので、積み立ても手間がかかりません。
余談ですが、「SBI・iシェアーズ”サクっと”シリーズ」の特集ページを見ると、純金投信以外にも、類似が少ない米国短期国債の投資信託などが見られます。
個人的には、「2621 iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)」の為替ヘッジなし版があるとうれしいです。
(追記:2023年11月27日、為替ヘッジなしのETF(2255)が東証に上場しています。お知らせいただいた方、ありがとうございます。)