MF債務支払 指定のメルアドに送付を受ければ、請求書の自動取り込みが可能

昨年(2021年)11月にリリースされた、マネーフォワードクラウド債務支払の「請求書メール自動取込機能」。どんな機能なのかを紹介しておきます。

説明のポイント

  • マネーフォワードクラウド債務支払の機能のひとつ。2021年11月リリース
  • 特定の取引先向けに固有のメルアド(マネーフォワードクラウド宛てのメールアドレス)を作成し、取引先に伝えておく
  • そのメルアドで請求書の添付のある電子メールの送付を受けると、自動で支払情報を作成し、文字データを解析して情報も取り込んでくれる
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図解

自動取り込み機能を図解してみます。

MF債務支払のなかで、取引先を設定することで、固有のメールアドレスが作成されます。このアドレスは自社のドメインではなく、マネーフォワードクラウドの用意した専用アドレスとなります。

(支払側のMF債務支払の設定画面。支払先ごとに割当のメールアドレスが作成される)

そのメールアドレスを取引先の請求側に伝達して、今後はそのメールアドレス宛てに請求書を送ってもらうようにお願いします。

指定のメールアドレスに請求書が添付されて送信されると、これを自動で処理し、MF債務支払に自動で請求情報を追加します。PDFもアップロード済みです。

公式情報では、「独自開発したAI解析エンジンを活用したAI-OCRにより「支払先」「支払期日」「請求金額」の自動入力ができる」とされているほか、API連携に対応した請求書ソフトでは細かい項目の入力も可能とのこと。対応ファイルはPDFのみとされています。

情報の発表とマニュアルは、次のとおりです。

手作業と比較すると……

この機能を使わない場合(つまり今までの処理)では、おおむねこのような処理になっていました。

まず、(1)会社指定のメールアドレスでメール添付の請求書PDFを受け取り、(2)そのPDFをいったんローカルフォルダに保存します。

(3)そのPDFを開いて視覚的に情報を確認して納品書などと突き合わせを行い、(4)MF債務支払に手打ちで情報を登録し、(5)PDFもアップロードして添付します。

「請求書メール自動取込機能」を利用した場合は、これらの処理がおおむね省略され、一括して自動登録されます。

自動登録かつOCR解析なので、(3)の突き合わせ、(4)の自動登録の情報が合っているかは自分で確認する必要がありますが、手作業の負担は軽減されるでしょう。

なお、受信した電子メールについては、その文中に書かれている内容はとくに考慮されず、たんに添付されたPDFのみが処理されるようです。

MF債務支払ってあまり聞いたことがないけど……

マネーフォワードクラウド債務支払(MF債務支払)は、受け取った請求書等を登録して、支払(振込)を処理するための管理機能です。

おなじみのMF請求書が「請求する側」の処理だとすると、MF債務支払はその逆パターンの「請求を受ける側」の処理といえます。

以前はMF経費のなかに機能が組み込まれていましたが、2021年1月に分離独立してリリースされました(参考)。

「MF債務支払」があまり耳慣れないのは、以前はMF経費の上位プランでのみ提供されたことが理由としてあるかもしれません。

なお、2022年6月予定の改定後プランによると、スモールビジネスプランでは「依頼できる支払依頼数3件まで」とされています。(参考

債務支払で請求管理をしたい場合は、上限3件では件数が足りないでしょうから、機能を充分に利用するためにビジネスプランへの移行が必要でしょう。

留意点

留意点としては、2022年秋頃にスタートが予定される「共通仕様の電子インボイス」を考えると、この作業を業務改善として全力を傾けても、二度手間になる恐れもあります。

しかし、機能単体としては、取引先が共通仕様の電子インボイスに対応しておらず、例えばExcelで請求書を作成していても電子メールがやりとりできれば対応可能で、汎用性は高い機能といえます。

なお、Excelなど表計算ソフトで作成された請求書は、マネーフォワード自身の調査(2021年)では、5割近くを占めるとされています(参考)。

今後の推測ですが、電子インボイスのやりとりのなかでは、このような機能も併存して同時に提供されるのではないかと考えられます。

まとめ

マネーフォワードクラウド債務支払でリリースされた、請求書の自動取り込み機能についてお伝えしました。

2021年11月にリリースされたとのことですが、年末年始のドタバタで深く気に留めることなく、スルーしていました。

公式サイトの情報もアピール度が控えめで、いい機能なのにちょっと地味な印象もあります。

他社でも先行して似たようなサービスはすでにあったように記憶していますが、MF債務支払でも同じような機能が使えるようになったのはありがたいです。

謝辞:この情報は、マネーフォワードのSさんに教えていただきました。

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