e-Taxの改善とマイナポータルとの連携により、2023年1月に新機能が追加されます。個人向けに、自分の税務に関する情報が確認できる機能が追加されるようです。
説明のポイント
- 2023年1月予定のe-Taxの新機能。個人では、マイナポータルからのe-Taxへの遷移後画面が改善され、自分の税務情報が確認できる
- 「マイナポータルとe-Taxを連携させてください」というガイドが必要になるかも
追記:2023年1月4日
この記事では、マイナポータルからe-Taxに遷移することで、マイページを確認できるものと紹介していました。
2023年1月4日のリリース時点の情報によると、マイナポータルからの遷移をしなくても、マイナンバーカードで認証して、受付システムやe-Taxソフト(WEB版)にログインした場合でも、マイページの確認はできるようです。
マイナポータルからの遷移は必須ではないため、記事の一部文章に取消し線を入れています。
補足記事を書きました。
e-Taxの2023年新機能
2022年10月、e-Taxホームページにて「令和5年1月からe-Taxがさらに便利になります」という情報が公開されました。具体的には、2023年1月以降に実施されるe-Taxの新機能が紹介されています。
個人に関わる税務として注目されるのは、マイナポータルとe-Taxの連携が強化されることでしょう。
ここでいう「連携」というのは、マイナポータルにおいてe-Taxを「もっとつながる」に登録し、そこからe-Taxに遷移することです。
「マイページ」機能に注目
マイナポータルとの連携において、2022年までの遷移後の画面は、とくにめずらしいものではなく、さほどメリットを感じるものではありませんでした。
マイナポータルを経由せずとも、e-Taxホームページからも直接アクセスできるものだったためです。
これが、2023年1月からは、画面のアクセス性が改善されます。
画面がシンプルになっていますが、ここから飛べる項目は、従来と同じく「確定申告書等作成コーナー」「e-Taxソフト(WEB版)」「受付システムのメッセージボックス」で、とくに違いはないものと推測されます。
ひとつだけ目新しいのが「マイページ」です。マイページについては、
令和5年1月から、e-Taxのユーザー情報や確定申告に必要な所得税・消費税などの各情報を閲覧できる「マイページ」の提供を開始する予定です。
とアナウンスされています。
2022年10月発表時の仮の画面を見ると、「各税目に関する情報」として、「所得税関係」と「消費税関係」という項目がありますので、この部分を指しているのでしょう。
仮の画面を見た感じでは、自分の税務に関する情報が集約されています。消費税では、届出の情報が見られると便利ですが、どうでしょうか。
とりあえずいえそうなこととして、個人の税務で確認したいことがあれば、まずはマイナポータルとe-Taxを連携してもらい、そこで情報が確認できるかをチェックしてもらうことになるでしょう。
税理士事務所としても、そのようにガイドできる知識や体制を整えておく必要があるかもしれません。
このほか、マイページには「本人確認」という項目があり、ここであらかじめマイナンバーカードによる本人確認を実施しておくと、送信時の電子署名付与においてマイナンバーカードの読み取りが省略できるようです。
マイナポータルへの情報集約も進む
さきほどの新機能とは別の話ですが、税務関係の情報は、マイナポータルへの情報集約が進んでいます。
引用:政府税制調査会「第8回納税環境整備に関する専門家会合(2022年10月19日)資料一覧」
上記に引用した画像を見ると、2023年1月からは、公的年金等の源泉徴収票、国民年金保険料の控除証明書も連携対象として追加されるそうです。
まとめ
2023年1月予定の、e-Taxに関する新機能の追加予定について紹介しました。内容自体は2022年10月に発表されたものです。
おそらくは2023年1月4日にリリースと思われますが、新年は何かと慌ただしいことから、予習として整理してみました。
そういえば、前回の2022年1月4日については、e-Taxでトラブルが起こりました。(参考:e-Taxホームページ「e-Taxで処理が遅延しています(第一報)」2022年1月4日)
新年開幕のe-Taxは、12月末の申告期限と新機能リリースが重なるため、なんだか少し怖い印象がありますね……。
今年も一年、読んでいただきありがとうございました。新規の方は、途中から読んでいただいてありがとうございました。来年も「普通の税理士の視点」で更新を続けていきます。読者の皆様も、よい新年をお迎えください。