この時期は業務も多忙でしょうから、すこし違った話をしてみます。お茶選びの提案です。
普段飲んでいるお茶も、長期的に見ると、お茶選びで違ったメリットがあるかもしれません。
お茶はかつて薬用で高価なものだった
吉川英治や横山光輝の「三国志」を読んだことがある方ならご存じでしょうが、物語の冒頭では、主人公の劉備がお茶を買い求めるシーンがあります。
「茶を売って下さい、茶が欲しいんですが」
「え、茶だって?」
洛陽の商人は、鷹揚に彼を振向いた。
「あいにくと、お前さんに頒けてやるような安茶は持たないよ。一葉いくらというような佳品しか船にはないよ」
「結構です。たくさんは要りませんが」
「おまえ茶をのんだことがあるのかね。地方の衆が何か葉を煮てのんでいるが、あれは茶ではないよ」
「はい。その、ほんとの茶を頒けていただきたいのです」
彼の声は、懸命だった。
茶がいかに貴重か、高価か、また地方にもまだない物かは、彼もよくわきまえていた。
その種子は、遠い熱帯の異国からわずかにもたらされて、周の代にようやく宮廷の秘用にたしなまれ、漢帝の代々になっても、後宮の茶園に少し摘まれる物と、民間のごく貴人の所有地にまれに栽培されたくらいなものだとも聞いている。
また別な説には、一日に百草を嘗めつつ人間に食物を教えた神農はたびたび毒草にあたったが、茶を得てからこれを噛むとたちまち毒をけしたので、以来、秘愛せられたとも伝えられている。
いずれにしろ、劉備の身分でそれを求めることの無謀は、よく知っていた。引用:吉川英治「三国志 桃園の巻」(青空文庫)
お茶とは古くには薬用でもあり、高価な商品であったことが描写されています。
この「茶」がそのまま緑茶であるかはわかりませんが、緑茶についての歴史を見ると、日本には奈良時代~平安時代に輸入され、その後、徐々に広まっていったとされています。(わかさの秘密「緑茶」)
いまの時代ではありふれた「お茶」なのかもしれませんが、歴史上でみれば、それがいかに恵まれているか、という実感がわいてきます。
どんなお茶を飲む?
お茶には効能があることが知られていますが、どんなお茶を選ぶかによって、その効能も違ったものがあると思われます。
ブログ筆者が普段飲んでいるお茶をまとめてみました。
1.緑茶
日本では一般的なお茶が緑茶です。どのお店の棚を見ても、一番多く並んでいます。緑茶はカテキンの効果がよく知られているほか、ビタミンCを多く含んでいることでも有名です。
以前にNHKの番組で、ビタミンCの効果を取材したときに、茶園で働く方が年齢に比べて若々しいことを紹介されていたのが、ブログ筆者の印象に強く残っています。
免疫力向上、リラックス効果、生活習慣病の予防・改善効果、虫歯や口臭を予防する効果が期待できるそうです。(わかさの秘密「緑茶」)
2.紅茶
緑茶の茶葉を発酵させたのが、紅茶です。紅茶はポリフェノールが有名ですが、発酵の効果によって、緑茶とは異なった効果が期待できるようです。
日経「1日3杯で万能の健康効果 「効く」紅茶の飲み方」によれば、食後血糖値の上昇抑制、体内の炎症反応を抑え脂肪の吸収を抑制、肌の老化を促す糖化を抑制、などと書かれています。
ここでお勧めするまでもなく、普通に飲んでいる人が多いお茶でしょう。ブログ筆者は冬に、しょうがパウダーとブレンドして飲んでいますが、かなり身体が温まります。
3.ルイボスティー
南アフリカのお茶として知られているルイボスティーですが、現地では「不老長寿のお茶」などといわれていたそうです。(わかさの秘密「ルイボス」)
高い抗酸化作用が知られており、美肌効果を期待して飲む方も多いようです。ノンカフェインで、睡眠前でも飲みやすいこともポイントです。
このほか、血管の老化現象で毛細血管が失われていく「ゴースト血管」の予防にも効果があることで知られています。(湧永製薬「教えてドクター」)
ブログ筆者の意見ですが、販売されているルイボスによっては、「土臭い」感じがするものもあり、独特の風味があります。もし風味を苦手に感じる場合は、シナモンパウダーを入れるか、香料を付けたものを試すとよいと思います。(→リプトン アップルルイボス ティーバッグ 15袋)
4.よもぎ茶
日本のハーブティーの代表格といったら、このよもぎ茶でしょう。草もちなどでもおなじみの素材です。
ブログ筆者の実感では、胃もたれを感じる場合によもぎ茶を飲むと、症状が軽減されるように感じます。
わかさの秘密「ヨモギ」では、「●コレステロール値を下げる効果 ●貧血を予防する効果 ●生活習慣病の予防・改善効果 ●粘膜や皮膚を健康に保つ効果 ●便秘を解消する効果 ●胃の健康を保つ効果 ●体を温める効果 ●美容効果」が書かれています。
正直な話、これほどの効能のあるハーブティーは他にはないのでは? と思われるほどです。RPGで「薬草」をアイテムに入れておくのであれば、現実でも「よもぎ」をアイテムとして手もとに置いたほうがいいのでは、とブログ筆者は勝手に思っています。
よもぎ茶は、思ったほど草のような風味はなく、比較的飲みやすいと思われます。ヨモギのアレルギーがあるそうなので、アレルギーのある人は要注意です。
5.ハトムギ茶
美肌効果でよく知られているのがハトムギ茶です。市販されている「爽健美茶」などのブレンド茶でも、そのベースになっていることでわかるとおり、飲みやすいお茶といえます。ノンカフェインなので、夜でも飲みやすいです。
ハトムギは、中国では古来から高い効能があることが知られています(わかさの秘密「ハトムギ」)。漢方薬の「ヨクイニン」の原料としても有名です。
口当たりがよいので飲みやすく、お値段もそこそこで、高い効能を持っていることを考えると、日常的に飲むお茶としてもイチオシです。ハトムギ茶のほかにも、ハトムギスナックのような食品もネット通販で販売されています。
ブログ筆者の実感ですが、輸入品のハトムギは品質が怪しいものがあったので、できれば国産を選んだ方がいいと思います。
6.菊花茶
日本では、ほとんどなじみのない「菊の花」のお茶ですが、中華圏ではよく飲まれているそうです。
眼精疲労を改善するほか、アンチエイジングなどの効果が知られています。(わかさの秘密「菊花」)
このブログを読むようなタイプの人は眼精疲労の可能性も高そうですし、一度試してみるといいかもしれません。
風味は少し独特で、苦手な人もいるようです。中国でも、プーアル茶などとブレンドして飲むことが多いと聞きます。
職場で飲むには?
ブログ筆者のように一人で働いているならともかくとして、職場でお茶をいれるのは難しいこともあるでしょうから、水筒に入れて持って行くのがよいでしょう。
ちなみにブログ筆者は、事務所の勤務時代は、普通にペットボトルのお茶を飲んでいました。今となってはもったいないことをしたと思っています。台所を使える事務所では、紅茶を飲んでいました。
ペットボトルよりも自分でいれたお茶のほうが風味もよく、お値段も安いです。いろいろなお茶を試すこともできます。
唯一、水筒がかさばることがデメリットですが、小型軽量の水筒であればそこまで邪魔ではないと思われます。例えば、タイガー魔法瓶の200mlステンレス水筒は、公称で110gです。(→タイガー魔法瓶「真空断熱ボトル MMP-K021」)
1日飲む分には足りないでしょうが、持参用としては手頃です。
長期的には何を飲むかで影響を与える……かも
お茶は「医薬品」ではないので、短期的・即効性のある効果は期待されないとしても、長期的な飲用では、よい方向でのメリットが期待できるかもしれません。
ブログ筆者も昔は「何を選んで飲むか」を強く意識はしていませんでしたので、そんな人に向けて書いてみました。
ビジネスパーソンとしても、自分の身体のメンテナンスは重要です。そのメンテナンスに一役買いそうなのが、お茶選びと思います。自分の好きなお茶を探してみたり、効果で選んでみるのもいいかと思います。
昔は、貴人しかお茶を飲めなかったのかと思うと、お茶のありがたみを実感します。