パソコンやスマホの平均使用年数が延びつつある(消費者調査より)

内閣府の消費者向け調査のデータによると、パソコンやスマートフォンの利用年数は、以前よりも伸びている傾向が見られます。

税法の耐用年数に直接関係のある話ではありませんが、トレンドの話として書いておきます。

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スマホは実際どれぐらいの期間使われているのか?

当ブログで2018年に書いた記事で、スマートフォンの耐用年数を検討したことがありました。

この記事は、スマートフォンの法定耐用年数を検討しています。いまや10万円を超えるスマートフォンもめず...

現在では、後発・同種の記事が増加し、アクセス数も激減しておりますが、執筆から数年間はそれなりに閲覧いただいた記事でした。

ブログ筆者が記事を書いた2018年時点では、「4年説」「10年説」「20年説」が乱立していました。現在見られる後発の記事を読んでも「4年説」がほとんどであることから、先導する役割を果たせたものと考えています。

ところで、この記事を書いたときに調べたことのひとつに、スマートフォンが実際にどれぐらい使われているのか、ということがありました。

このときに調べたこととしては、スマホを製造するメーカーのブログに書かれていた見解には「3年程度」とありました。

しかし、内閣府の消費者向け調査を見ると、傾向としては2017年頃から「4年程度」になっている様子もうかがえます。

内閣府経済社会総合研究所の「消費動向調査」においては、毎年3月に実施される調査において、家電などの普及率・保有数量・買換え状況が調査されています。

この調査によると、携帯電話(スマートフォンを含む)の平均使用年数は、スマートフォンが普及し始めた2010年頃以降を見ると、「3~4年程度」とされていることがわかります。

そして、2017年以降は平均使用年数が4年を超えたのちは、ずっと4年超になっています。

引用:内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査(令和6年3月実施調査結果)」

スマートフォンの高性能化と高価格化の影響もあるのか、平均使用年数が2017年以降に4年超になっているのは興味深いです。

また、買換え理由として「上位品目への移行」の割合が減っているのも気になるところです。新製品のスマートフォンがほしい、というニーズは減っているということでしょうか。

なお、この数値は消費者調査であって、ビジネス用途ではないことに留意が必要です。

パソコンも長期利用が進んでいる

なお、この統計調査では、パソコンについても調査されていますが、こちらの平均使用年数は2024年の調査で「7.6年」とされています。

引用:内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査(令和6年3月実施調査結果)」

引用した図表では2005年が最も古いですが、これよりも古い統計を参照すると、パソコンの平均使用年数は2002年調査で4.1年でした。これが2024年には7.6年にまで伸びています。

こちらも、あくまで消費者調査ですのでビジネス用途とは異なりますが、平均使用年数が延びていることは注目に値します。

平均使用年数は全般的に伸びている

税法では、電子計算機の耐用年数が5年から4年に短縮されたのは、平成13年度(2001年度)税制改正でした。

電子計算機は改正前が6年だったものを、サーバーを除くパソコンは「4年」、それ以外を「5年」に短縮されました。

ところがその後の傾向を見てみると、消費者調査では、平均使用年数が伸びている状況がうかがえます。

「いやいや、ビジネスの現場では、5年過ぎたパソコンなんて使えませんよ」という意見もあるでしょう。また、ノートパソコンとデスクトップでは消耗の激しさもまったく異なります。

統計はあくまで結果ですので、何が原因でパソコンやスマホの使用年数が延びているのかまでの詳細はわかりません。

パソコンの平均使用年数が延びているのは、消費者向けではスマホ利用がメインになっており、パソコンの重要性が低下している可能性もあります。

このほか、他の家電や乗用車でも、同じように平均使用年数が伸びているのも気になります。性能の向上で長寿命化している可能性もあるかもしれませんし、生活のコストを下げるために買換えを先延ばししている可能性もあります。

平均使用年数は「耐用年数」とは異なりますし、ビジネス用途の調査でもありませんが、全般的なトレンドとして家電や自動車については、使用年数の感覚は20年前とは変わっているといえそうです。

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