インボイス登載事項 国外事業者のフリガナ小書き文字が大文字になる理由は

国外事業者がインボイスを登録した場合における登載事項のうち、日本語カナにおける小書き文字(ャ、ュ、ョなど)の登載のされ方が大文字になっている点が気になったので、ルールを調べてみました。

ものすごい細かい話ですが、税務のスキマを埋める記事として書いてみます。

説明のポイント

  • 国外事業者は日本語カナも登載事項(国内事業者ではカナは登載事項ではない)
  • 日本語カナの小書き文字カナが、なぜか大文字になっていることがある(ャ→ヤ)。法人番号の登録によるカナが影響している可能性がある

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国外事業者のインボイス登録は日本語カナが必要

国外事業者のインボイス登録申請をした人であればご存じでしょうが、事業者の氏名又は名称について、「日本語(カナ)表記」という登載事項(公表事項)があります。

国内事業者でも氏名又は名称にフリガナの記載欄はありましたが、登載事項ではありませんでしたので、国外事業者だけの登載事項といえます。

引用[手続名]適格請求書発行事業者の登録申請手続(国外事業者用)

ところが、実際にカナが登載された公表事項のリストを見てみると、微妙に気になる点があります。

というのは、カナの小書き文字(ャ、ュ、ョなど)が大文字(ヤユヨ)になっている場合もあれば、小書き文字(ャュョ)の場合もあるからです。

法人番号の表示が優先される(らしい)

カナの小書き文字のルールについて、東京国税局の登録センターに聞いてみました。聞き取りを整理すると、次のとおりです。

  • 日本語カナのルールについては、国税庁法人番号公表サイトの公表事項が優先されている(らしい)
  • 国税庁法人番号公表サイトの公表事項に記載のないカナは、登録申請の記載が参照される(らしい)

順を追って話を説明します。まずは法人番号の話です。国税庁の法人番号公表サイトでは、「よくある質問」に次のものが見られます。

Q.表示されるフリガナの文字の種類を教えてください。
A.国税庁法人番号公表サイトで表示されるフリガナは「全角カタカナ」と「-(長音)」のみとなります。なお、税務署から情報提供を受ける法人等のフリガナについては、法人番号システム上の仕様により拗音(小書き文字)が大文字で表示されます。

この説明を補足すると、「税務署から情報提供を受ける法人等のフリガナ」ですが、設立登記法人以外の法人等の場合、税務署への届出書の提出などによって法人番号の指定を受けることがあります(参考)。

そして、その届出書に記載したカナが法人番号公表サイトに掲載されるわけですが、そのカナは、小書き文字であってもシステムの仕様により大文字となっています。

この影響を受けるかたちで、インボイスの登載事項を「小書き文字」で申請しても、法人番号公表サイトのカナ表示を優先するので、インボイス登載事項も「大文字」になる、ということのようです。

しかし、この記事を書くにあたっていくつかの国外事業者のカナを、インボイス登録や法人番号登録で確認してみましたが、本当にこのルールに当てはまっているのか疑わしいものもありました。

その正確なところは、その国外事業者が提出した登録申請書と対比させないとわからないでしょう。

例えば、小書き文字であるところを、誤って大文字で記載した可能性があるでしょう。また、書面に手書きで記載した場合は、小書き文字か大文字かの判別がつきづらいケースもあると思われます。登録センターとしても、どこまで厳密に確認を行っているのかはわかりませんし、限度があるでしょう。

まとめ

国外事業者の日本語カナについて、小書き文字(ャュョなど)が大文字(ヤユヨなど)になっているケースと、そうではないケースにばらつきがあるため、そのルールを調べてみました。

あくまでブログ筆者の聞き取りと経験をふまえた情報で、これが本当に正しいのかはわかりません。参考程度でお願いします。

東京国税局の登録センターにも、カナの表示ルールについてFAQを追加してもらえるように頼んでおきました。

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