1月26日から公募が始まった「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」について、早わかりを説明します。
例年あまり人気がない補助金のようですが、売上減少から反転攻勢をかけたい、開発意欲のある下請事業者に使える制度です。
説明のポイント
- 事業所の閉鎖、事業規模が縮小していること
- 新分野にて10%以上の規模拡大を目標とする
- 最高500万円の補助金。試作・開発などが補助対象
「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」
正式名称
平成29年度「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」(下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業)
対象となる事業者
元請けからの売上減少で苦しいが、新分野へ進出して需要開拓を実施する小規模事業者
1.売上減少要件
下記のいずれかであること。
- 過去2年に事業所を閉鎖 or 生産規模が減少(生産量や従業員などを25%以上縮小)
- 申請日以後1年以内に親事業者が事業所を閉鎖予定で、年間売上高が前年比10%以上減少の見込み(※親事業者への取引依存度が20%以上)
2.新分野進出要件
新分野の事業において、下記のいずれかの割合が10%以上を占める見込み
- 売上高(または売上総利益)
- 有形固定資産の額
- 従業員数
3.下請事業者であること
下請事業者とは?
- 中小企業者(※業種により資本金・従業員数の制限あり) ……自己より資本金等が大きい法人 or 従業員数が多い個人事業主 から委託を受けている
- 個人事業主 ……自己より従業員数が多い法人 or 個人事業主から委託を受けている
対象となる事業・経費
新分野への進出し、取引先を多様化するための試作・開発・展示会出展等
- 事業費 ……特許権等取得費用、調査等委託費、臨時雇い入れの経費
- 販路開拓費 ……展示会等出展費・旅費、広報費、調査等委託費
- 試作・開発費 ……リース・レンタル料、機械装置等製作・購入費、試作費、実験費、委託費
補助率・補助限度額
- 補助率:対象経費の3分の2以内
- 補助限度額:上限500万円、下限100万円
受付期間
- 受付開始:平成29年1月26日
- 締め切り:(1次)平成29年3月2日、(2次)平成29年5月31日
- 補助事業期間:交付決定日~平成30年3月末
注意点・参考事項
- 所定の「補助事業計画書」「経費明細表」を作成して提出する
- 事業期間外に行った支払いは補助の対象にならない
- 前年度の採択件数:8件 (※競合が少なく採択されやすいと考えられる)
- 事業が採択されると、事業者の名前が中小企業庁のホームページにて公表される(※事業がやや苦境ということが明らかになる)
まとめ
最高500万円の補助金が出る「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」についてお知らせしました。
なお、同時に「下請中小企業自立化基盤構築事業」という最高2,000万円の補助金制度も公募されていますが、こちらは他業者との連携が必要な制度です。
ここでご紹介した補助金の詳細な要件は、下記の公式サイトから「公募要領」などで確認できます。
サイト:中小企業庁:平成29年度予算「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金(下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業)」の公募を開始します(中小企業庁、2017年1月26日)