税理士向けのミニ情報です。税理士は、相続時における生命保険契約の内容を、代理人として照会することができる、ということをお伝えします。
説明のポイント
- 税理士は、相続人の代理人として、生命保険や簡易保険の契約内容を照会できる
相続時の生命保険契約の確認
相続が発生したときは、生命保険の契約を確認します。
相続時の生命保険金は、相続財産にはなりませんが、「みなし相続財産」として、相続税の課税対象になります。
相続税の申告については、難易度の高さもあり、税理士が納税者から申告の依頼を受けることがほとんどでしょう。そして、税理士が受任をするときは、相続人に、生命保険の契約の有無を確認するようにお伝えします。
税理士も生命保険契約の契約内容を照会できる
このように一般的な相続の手続きでは、相続人が自ら、生命保険の契約を確認する流れ・手続きが一般的です。
しかし、代理人としての委任を受けた場合は、税理士も生命保険会社に契約内容の照会を手続きすることができます。
この手続きは、東京税理士会の「税理士業務要覧」に、「相続発生の際の生命保険、簡易保険の契約内容照会に関する手続きについて」という内容で掲載されています。
業務要覧から、該当の部分を引用してみましょう。
Ⅰ 生命保険契約の場合
「生命保険解約の場合でかつ相続発生の場合に限り、関与税理士が税理士証票を提示し、相続人を確認できる書類並びに相続人の印鑑証明書及び自筆による代理人届を提出することを条件に、被相続人の生命保険契約の内容について文章にて回答する」
Ⅱ 簡易保険契約の場合
委任状(代理人届)の様式を定めているわけではなく、適宜の様式で構わないが、郵便局では①正当権利者から委任されたという事実が確認できること、②正当権利者の権利を有する部分の請求又は照会であることの要件が満たしていれば照会に応じる
生命保険会社の要件はちょっと厳しめです。これに比べて、簡易保険のほうがやや要件はゆるい感じです。
なお、生命保険各社によっても、細部の対応は異なる場合があるようです。照会にあたっては、事前に生命保険各社に確認したほうがよいとされています。
代理の委任を受けるための「委任状」「代理人届」のひな型も、業務要覧に掲載されています。お手元の業務要覧をごらんください。
通常は納税者が生命保険契約を確認することがほとんどでしょうけれど、例外的な対応として、税理士も代理人として照会できることは認識しておきたいところです。
まとめ
このブログでは、いつも一般向けの情報をまとめていますが、今回はめずらしく税理士向けのミニ情報を書きました。
業務要覧には、意外と重要な情報が載っているので、改めて目を通したほうがよいかもしれません。