平成28年度税制改正(1)個人所得課税

平成28年度税制改正大綱

自由民主党と公明党は、12月26日、「平成28年度税制改正大綱」を発表しました。(→税制改正大綱の全文はこちら

この投稿では、来年以降に変わる税制を、大綱をもとに簡単にまとめました。第1回目は、個人に関係のある所得課税の改正内容です。重要なものを抜粋しました。

※一般の方に分かりやすくするため、適用要件における用語や表現を簡潔にしています。あくまで概要をつかむものとしてご利用ください。

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空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例 の創設

概要 被相続人が亡くなった後に空き家となった建物や、その建物と土地を一括して、相続した人が譲渡した場合に特別控除が受けられる
期間 H28/4/1~H31/12/31 の期間のうち、死亡日から3年後の年の12/31までに譲渡する
メリット 譲渡所得から3,000万円を所得控除
注意点 ・昭和56年5月31日以前に建築した建物が対象
・建物を譲渡する場合、耐震基準の要件あり(詳細は不明)
・建物を除却して土地を売っても適用OK
・譲渡対価が1億円超の場合は不可
・相続後に貸したり居住したら不可
・他に適用できる特例とは選択適用・重複適用となるものがある

住宅の三世代同居改修工事等に係る特例 の創設(1)

概要 二世帯が同居のために増改築をした場合の借入金を、住宅ローン控除の対象に加える
期間 H28/4/1~H31/6/30 に増改築して居住する
メリット 工事費用のうち1,000万円を限度として、
(1)250万円を上限とする工事費用相当分の借入残高×2%
(2)上記(1)を除く部分は借入残高×1%
を5年間、税額控除
注意点 ・下記(2)との選択適用
・5年以上の借入が対象
・所得が3,000万円超の場合不可
・工事費用は50万円超で適用OK
・調理室、浴室、便所、玄関のいずれかを増設し、これらのうち2つ以上が工事後に複数になっていること
・評価機関等の発行した工事証明書が必要
(※名称にある「三世代同居」について、子供なしの二世帯住宅でも適用可能かは不明)

住宅の三世代同居改修工事等に係る特例 の創設(2)

概要 二世帯が同居のために増改築をした場合の工事費用を、税額控除の対象に加える
期間 H28/4/1~H31/6/30 に増改築して居住する
メリット 「標準的な工事費用相当額」250万円を上限として、その10%相当額を税額控除(その年だけ)
注意点 ・上記(1)との選択適用
・あらかじめ定められた「標準的な工事費用相当額」で判定
・所得が3,000万円超の場合不可
・「標準的な工事費用相当額」が50万円超で適用OK
・調理室、浴室、便所、玄関のいずれかを増設し、これらのうち2つ以上が工事後に複数になっていること

非居住者への住宅取得等に係る措置 の適用拡大

概要 居住者に限定されていた住宅取得等に係る恩恵を、非居住者(=海外長期滞在者)も受けられる
期間 H28/4/1~
メリット 非居住者も住宅ローン控除等の適用を受けられる
注意点 (疑問点)・居住者が海外への転勤で非居住者となった場合には、住宅取得等に係る恩恵は受けられないとされていた。しかし、この改正にともなって、特例の適用を継続できるようになるか?

セルフメディケーション推進のためのスイッチOTC薬控除 の創設

※スイッチOTC薬とは

 

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病院の薬の成分を市販薬に転用したのがスイッチOTC薬

これまでは医師の判断でしか使用できなかった医薬品を、薬局で買えるようにしたのがスイッチOTC薬です。スイッチOTC薬の登場で、セルフ・メディケーションの幅が広がっています。
OTCとは「Over The Counter」の略で、街の薬局のカウンター越しに売られる薬、つまり市販薬のことを指します。以前は医療薬であったものが、市販薬として薬局でも買え るように販売が許可されたものを、医療薬から市販薬(OTC)にスイッチされたということから「スイッチOTC」といいます。(gooヘルスケアより引用

概要 一定のスイッチOTC医薬品の購入対価について所得控除できる
期間 H29/1/1~H33/12/31
メリット OTC医薬品購入額について、1万2,000円を超える部分の金額を所得控除。所得控除は8万8,000円が上限(10万円購入)。
注意点 ・医師の関与のある特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、予防接種、定期健康診断、健康診査(人間ドック)、がん検診を受けている者が対象
・現行の医療費控除(10万円または総所得金額等の5%を超える額が所得控除)との選択適用

通勤手当の非課税限度額 の引き上げ

概要 通勤手当は一定の枠内で非課税とされているが、現行10万円の非課税限度額を、15万円に引き上げる
期間 H28/1/1~
メリット 遠距離通勤をしている者の給与課税の負担が軽減される

国外転出時課税制度 の措置変更

概要 対象となる有価証券等のうち、ストックオプション等の一部除外
期間 H28/1/1~
メリット 行使による所得の全部または一部が国内源泉所得となるものを除外する

居住用財産の特例の適用期限を2年延長(27年12月31日→29年12月31日)

その他

  • 公益法人等に対する「パブリック・サポート・テスト」の寄付者数の要件緩和(H28~)
  • 国立大学法人等の行う学生の就学支援事業のために充てられる個人寄付について税額控除制度を導入(H28~)
  • 寄付金控除の適用要件である領収書について、メールに添付された電子データを一定の方法で印刷した書面でも適用可能にする。(H30~)

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