2018年12月21日に閣議決定された「平成31年度税制改正の大綱」より、気になるトピックスを採り上げます。
基本的な内容は新聞報道等で一覧できますので、このブログでは、そのような報道では紹介されない注目点を紹介します。
法人設立時の税務署への届出時添付書類を削減
今回は、法人設立時に税務署に届け出る場合に、添付書類を削減するという改正を紹介します。
大綱の記述
税制改正大綱の記述を引用します。
法人設立届出書及び外国普通法人となった旨の届出書について、定款等の写し以外の書類の添付を要しないこととする。(後略)
これまでの経緯と解説
会社を新設した場合には、税務署にも届出が必要です。このときに提出する「法人設立届出書」には、各種必要な書類の添付が求められています。(参考)
今回の改正は、添付書類を削減することにより、法人設立時の複雑さを解消することが目的と考えられます。
一般的に法人設立時に必要とされる添付書類について、以下に図表で整理しました。左列「税務署」をご覧ください。(右側の地方公共団体は参考)
今回の改正で、「株主名簿」「設立時貸借対照表」の添付が不要となり、「定款等の写し」だけの添付でよいことになります。(実施時期については明記なし)
政府は、法人設立時の手続きが複雑であることを問題視しており、国際間の競争力を高めるための「法人設立オンライン・ワンストップ化」を計画しています。
今回の改正による添付書類の削減も、法人設立時の負担を少なくするための一連の流れに位置づけることができるでしょう。
なお、法人設立時の税務についても「法人設立オンライン・ワンストップ化」の影響を受けて、大きく変わる見込みです。
ただし、この点について触れ始めると税制改正の説明から外れていくので、記事を改めて説明します。
まとめ
「平成31年度税制改正大綱」から、法人設立時の添付書類を削減する改正案があった点を紹介しました。
デジタルガバメントの掛け声のもと、法人設立時の手間を減らすための取り組みが計画されています。今回の改正もその一環として位置づけられるでしょう。