厳しい役員報酬の制限 利益を見ながら変更・調整はできない

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会社経営で悩むことも多いのが役員報酬でしょう。「今期は見通しがわからないので、あとで賞与を出すか決められたら助かるんだけど……」という疑問についてお答えします。

説明のポイント

  • 一般的な中小企業では、事業年度の最初に決めた役員報酬・役員賞与をそのまま支払う必要がある
  • 役員報酬を変更するのは、よほどの理由がないと難しい
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役員報酬を経費にするには

役員に支払う給与(役員報酬)については、税法は厳しい立場をとっています。

なぜなら、会社が役員に対して支払う報酬は、「要件を満たさないと経費にできない」という条件がつけられているからです。

経費にする要件とは?

役員報酬を経費にする要件をまとめると、次のとおりです。

  1. 役員報酬を毎月同額で支払えばOK
  2. 役員へのボーナスはもっと厳しい。事業年度の初期に決めて税務署に届出したものだけ、OK。
  3. 利益に関する指標を基礎として算定される給与はOK(利益連動給与)
  4. 同業同規模と比べて、大幅に高額でないこと

これらの要件を見ると、結構クセモノです。

基本的に毎月決まった金額を支払い、あらかじめ決めたボーナスをそのまま支払うことになります。 利益が出たからと言って、年度の途中で上げ下げできないのです。

なんでこんな厳しいのかといえば、役員報酬を好きに上げ下げして、会社の利益を調整できてしまうからです。

これを変更するには、業績が悪化した場合などの要件が必要で、こうした理由がない場合は、変更は認められません。厳しいですね。

 

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利益連動給与って?

よくみると、3の「利益連動給与」は、利益が出たときに報酬を増やせそうなイメージのある名前でしょう。しかし、ほとんどの中小企業では、この方法は使えません。

なぜなら、利益連動給与には「同族会社以外の法人」「有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益」という要件があります。有価証券報告書を作っていない中小企業では利用できない仕組みになっているです。

筆者の私見では、一般的な中小企業にも「成功報酬」の裁量を認めるようにすべきと考えていますが、これが認められるのは難しいでしょう。

所得税も考慮する必要がある

役員報酬を支払った場合、損金になれば、会社側は利益が減って税負担も減るでしょう。

一方で要注意なのは、役員報酬を受け取る個人側です。役員報酬を受け取る個人側では、所得税が課されます。

とくに昨今は、法人税率が引き下げられる一方で、所得税のほうでは給与所得控除が削減され、課税が厳しくなる傾向にあります。

会社が小規模な場合は、会社と役員を一つして見た場合の、全体的な税負担も考慮しながら報酬を決めることも考えたほうがよいでしょう。

まとめ

年度の途中で利益を見ながら、役員報酬を変動させるという利益調整は、税法上封じられています。

経営計画をきちんと立てた上で、報酬、賞与を決める必要があるでしょう。

クラウド会計と税務の情報をお届けする東京都北区赤羽の税理士。好きな食べ物は、さば缶。
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