ネットバンキングは、大企業よりも中規模企業のほうが利用率が高い

前回の記事に引き続き、ネットバンキングの利用率について言及のある資料を紹介します。少し古い資料なのですが、興味深いのは、大企業よりも中規模企業のほうがネットバンキングの利用率が高い結果が出ていることです。

説明のポイント

  • 利用率は中規模~大企業で、おおむね50%~60%台
  • 大企業は、中規模企業よりも利用率がなぜか低い
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ネットバンキングの利用率、2007年・2012年の調査結果

中小企業と大企業を比較すれば、基本的に規模が大きく、利益率が高いのも大企業です。それに大企業は、優秀な社員もたくさんいて、効率化されているというイメージがあるでしょう。

ところが、ネットバンキングの利用率について見てみると、利用率が高いのは意外にも「中規模企業」という結果でした。

ここでいう「中規模企業」とは、中小企業のうち「小規模企業」(5人程度の事業体)を除いたものをいいます。また、中小企業とは、中小企業基本法に定める要件をいい、業種によって違いはありますが、50人以下~300人以下の企業をいいます。

具体的に見ていきましょう。

現在の2019年から見ると古い調査結果ですが、ネットバンキングの利用率を規模別に記載している資料がありました。その資料が転載されていた平成25年度「中小企業白書」から、利用率の画像を引用します。

2007年と2012年のITに関する調査で、小規模企業・中規模企業・大企業の3つに区分した利用率となっています。緑は小規模企業、赤は中規模企業、青は大企業です。

引用平成25年度「中小企業白書」第2部第4章第1節

この調査を見て気づくことを整理すると、

  • 利用率は中規模~大企業で、おおむね50%~60%台
  • 大企業は、中規模企業よりも利用率がなぜか低い
  • 小規模企業を除き、5年間のあいだで利用率に変化はない
  • 小規模企業は、調査によって数値にブレが生じやすい(2017年調査では27.4%

といった点があげられます。

 

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以下に、これらの点について簡単にコメントをつけてみます。

1.利用率は中規模~大企業で、おおむね50%~60%

小規模企業をのぞき、利用率はおおむね50%~60%の間で推移しています。

これは、中小企業庁の委託調査である「「決済事務の事務量等に関する実態調査」(2016年)で見られた回答の割合「振込にネットバンキングを使っている」とも、おおむね一致します。

2.大企業は、中規模企業よりも利用率がなぜか低い

もっとも意外性のある結果が、大企業の利用率は中規模企業よりも低いという結果でしょう。2回の調査結果で同じ傾向が出ているので、間違いはないでしょう。

ネットバンキング以外の利用率では、このような結果は出ておらず、大企業ほどITの導入状況は高い結果となっています。

なぜこのような結果が出るのかは、興味深いところです。リスクも勘案した結果なのでしょうか。

大企業が「低い」のではなく、効率化をせまられる中規模企業が「高い」という見方もあります。

3.小規模企業を除き、5年間のあいだで利用率に変化はない

2007年と2012年の調査なので、いまから見ると古い情報ですが、示唆を得られる面もあります。

2007年と2012年を比較すると、利用率に大きな変化は見られません。(小規模企業を除く)

そうであるならば、現在の2019年と2007年~2012年を比較しても、ネットバンキングの利用状況はたいして変わっていない、ということも想像できます。

なんらかの原因で「天井」が発生しており、その理由は、大企業の利用率が低いこととも関連があるかもしれません。

4.小規模企業は、調査によって数値にブレが生じやすい

小規模企業のネットバンキングの利用率は、調査によって利用率がぶれやすい可能性もありえます。

というのは、前回の記事で紹介した2017年の調査によると、利用率は27.4%とされていたからです。

今回の調査では40%台となっていることもあり、ブレが発生しやすい可能性があります。調査内容の比較ができなかったので、参考情報にとどまります。

まとめ

ネットバンキングの利用率について、中小企業白書のなかにある資料を紹介しました。

話を整理すると、

  • 利用率は中規模~大企業で、おおむね50%~60%台
  • 大企業は、中規模企業よりも利用率がなぜか低い

という傾向が見られます。

とくに興味深いのは、大企業よりも中小企業のほうがネットバンキングの利用率が高い結果が出ていることでしょう。