iDeCoに関するTipsです。iDeCoに加入している個人事業主で付加保険料を支払っている場合、毎月積立の上限は67,000円とされています。
付加保険料(400円)も含めて拠出枠が決まるため、上限枠が1,000円引き下げになるわけですが、積立方法を毎月積立以外に変更することで切り捨てをせずにすみます。
説明のポイント
- 個人事業主で、付加保険料を払っているiDeCo加入者が対象の話
- 積立方法を年単位拠出に変更すると、切り捨てになっていた上限枠600円が活用できる
結論
記事の結論です。
毎月上限で積み立てている「iDeCo+付加保険料」加入者は、付加保険料(400円)の負担によって、600円分の加入上限を切り捨てしています。
しかし、支払方法を「年単位拠出」に変更することにより、切り捨てとなっていた「600円枠」も掛金を払うことが可能となります。
毎月積立以外に変更する
iDeCoの積立は、毎月積立が原則とされていました。
しかし、2018年から積立の頻度を「毎月」ではなく、任意の月に設定できるようになり、自由度が高くなりました。
この積立方法は「年単位拠出」と呼ばれているそうです。(参考:目黒政明「iDeCo、年単位拠出のメリットと注意点」)
積立方法を「年単位拠出」に変更するメリットとしては、毎月の拠出時における「国民年金基金連合会の手数料」(毎月105円)を削減できることが挙げられます。
- 毎月拠出の場合 105円x12=1,260円
- 年2回拠出の場合 105×2=210円
もし年2回の拠出に変更すれば、1年あたりの手数料で1,050円の差が生じます。
積立額の少ない人にとって、手数料に対してのコストパフォーマンスを考えれば、検討する価値のある話でしょう。
iDeCo+付加保険料の場合
ここからが本題です。付加保険料を納付し、iDeCoに加入している場合、iDeCoの毎月積立の上限額は67,000円です。
これは、付加保険料の400円を払うことで上限が低くなり、積立上限となる68,000円が1,000円分引き下げられているためです。
本来であれば、付加保険料(400円)を除く67,600円を毎月積立できるはずですが、拠出は1,000円単位とされており、600円は切り捨てとなっていました。
年単位拠出だとどうなるか?
この点について、2018年から始まった「年単位拠出」に変更すると、保険料の納付上限枠は「年単位」の計算となり、年間811,000円が上限となります。
811,000円の根拠は、以下のとおりです。
- 付加保険料を除く本来の毎月の上限……67,600円
- 67,600円x12月=811,200円 →811,000円(1,000円未満切り捨て)
(参考:関西みらい銀行「国民年金の付加保険料を納付している場合、iDeCoの掛金額の限度はどうなりますか?」)
付加保険料を払い、上限ギリギリまでiDeCoを積立している個人事業主は、年単位拠出に変更することで、1年あたりで7,000円多く拠出できるようになります。
1年でみれば7,000円程度の話ですが、変更手続きをすませれば、あとは毎年同じ積立方法が継続されます。
つまり、これは1年単位ではなく、ずっと継続される積立額で考えるべきでしょう。
毎月拠出にこだわりがなければ、多少面倒でも、年単位拠出への変更も検討する価値もあるようにも感じます。
まとめ
前回、iDeCoの話をしましたので、これにまつわるTipsとして、付加保険料負担+iDeCo加入者の場合に使える制度をお伝えしました。
iDeCoは”ほったらかし”スタイルが多いためか、「年単位拠出」を知らない方もいらっしゃるようなので、小ネタとして整理しておきました。