法定耐用年数「電子計算機(パソコン)」は、固定型と移動型の2区分に分けてはどうか

税制改正への意見・要望系の記事です。(解説の記事ではありません)

以前に当ブログでは、スマートフォンの耐用年数を「4年」と述べる記事を書きました。

この記事は、スマートフォンの法定耐用年数を検討しています。いまや10万円を超えるスマートフォンもめず...

今回、この記事にいくつか追記をしたのですが、改めて読んで感じたことは、法定耐用年数の区分には限界があるということです。このため、新区分として「3年」を設けてほしいと考えています。

説明のポイント

  • スマートフォンにふさわしい耐用年数の新設を提案している
  • 消耗率を考慮し、モバイル用途のパーソナルコンピュータは3年、固定型は4年に区分する
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国税庁は「スマホ申告」を推奨しているのに……

近年、国税庁がスマートフォンでの確定申告を推奨していることは、よくご存じでしょう。スマホと確定申告で「スマート申告」というほどですから、その力のいれようがわかります。

国税庁の職員に聞いたわけではないですが、職員のみなさんも普通にスマートフォンを持って生活しているのではないでしょうか。

ところが、そのスマートフォンの法定耐用年数を考えると、悩ましい判断を求められます。これは、スマートフォンが電話とパソコンの機能を兼用しているためでしょう。

当ブログでは、法定耐用年数の判断を「4年」としましたが、数年が経過した現在でも、その記事はそれなりのアクセスがあります。

区分には限界がある

改めて思うのは、スマートフォンをパーソナルコンピュータとして「4年」とする区分には、どうしても限界があるということです。

以前の説明記事では、スマホもパソコンと同等の機能を持つ端末機器であり、用途もアプリがメインだから、これはインターネット回線を利用するということで、パソコンと同じ用途と判断しました。

しかし、パソコンとスマホを比較してみれば、スマホは容易に電話もかけられますし、電話をいつでも受けられるという意味で、電話とパソコンの用途を兼用しています。

LINEなどを多用しており、ふだん電話を掛けることはなくても、SIMに付属する電話番号の重要性を考えれば、単なるパソコンとの違いは明らかといえます。

常時保有する移動端末なので、破損の可能性も高い

Appleは、iOSを搭載した製品のライフサイクルのモデルを「3年」と述べています。(参考:Apple「環境 さまざまな質問」

つまり、iPhoneの想定利用年数は3年ということです。

しかし、これはあくまで1人目の所有者の想定使用年数であって、それ以上の使用も可能とされています。

現実のスマートフォンの状況を考えれば、利用者は常に(就寝時でも)肌身離さずに持参していることから、その使用環境は相当に過酷です。

コンクリートなど堅い床に落とせば破損のリスクもありますし、トイレでうっかり水没ということもあるでしょう。

デスクトップパソコンやノートパソコンと比較して、スマートフォンが故障率、破損率でどれぐらいの違いがあるのかは、筆者もデータを見つけることはできませんでした。よって、正確なところは不明です。

 

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しかし、街中に「スマホ修理」という看板がチラホラとある事情を考えれば、やはりその故障率は高いといえそうです。

こうした点で、小型端末であるスマホが、パソコンと本当に同等の耐用年数であるかは、やはり疑問を感じるところでもあります。

平成13年度税制改正で、電子計算機の耐用年数が短縮された

過去を振り返るに、およそ20年ほど前の平成13年度(2001年度)税制改正において、電子計算機に関する法定耐用年数が変更されています。

このときは、改正前の電子計算機は、耐用年数が6年だったものを、サーバーを除くパソコンは「4年」、それ以外を「5年」と短縮されました。

つまり、電子計算機における法定耐用年数の区分は、決して不変なものではありません。その実情にあわせた変更は可能と理解されます。

一方、スマホを「電話機器」として捉えるのも、インターネットに接続するパソコンとの違いが薄くなってきているように感じます。

電話回線がIP網に移行すれば、なおさらのことでしょう。

パソコンの耐用年数を用途別に分けてはどうか?

話がとりとめもなくなりそうですが、この記事でいいたいのは、電子計算機の「パーソナルコンピュータ」という区分は、スマートフォンを含めて考えるには、無理が出ているのではということです。

スマホを含む移動通信端末の劇的な普及を考えれば、これにふさわしい法定耐用年数を新たな区分として設ける時期に来ているように考えます。

具体的には、電子計算機の「パーソナルコンピュータ」を2通りの区分にし、

  • パーソナルコンピュータ(移動型) 3年
  • パーソナルコンピュータ(固定型) 4年

として区分し、移動型のなかには、タブレットやノートパソコンも含めて3年に区分するということです。

そして、通話機能を兼ね備えているものも、移動型の3年に区分されることを通達に明示します。

単なるノートパソコンと、スマートフォンを同じ区分にすることには、消耗率の違いを見ても、当然に異論はありそうです。

この点ですが、ノートパソコンは事業用として用いるだけでしょうが、スマートフォンは事業用に加えて、私生活にまで兼用されて常時使用されています(私生活の利用分は経済的利益・家事関連費となる)。

この点を考えると、スマートフォンの消耗率はさらに激しいものがありますが、どこかで割り切りは必要でしょう。

まとめ

以前に書いたスマートフォンの耐用年数の記事を再読し、改めて考えたことを整理して記事にしてみました。

スマートフォンの耐用年数を、固定型を含むパソコンと同等の4年にするには、消耗率の点からも無理があるのではと考えます。

以前の電子計算機に関する耐用年数の改正からおよそ20年が経過し、価値観や勤務状況も大きく変化しています。

スマートフォンを含む移動型の端末が大きく普及し、モバイル機器の利用を前提としたテレワークの促進が求められている実情を考えれば、それにふさわしい「移動型」の区分を設けることも必要であると考えます。

「スマートフォンは個人が私生活のために買う物」というイメージがあるため、それだけを見ると事業用という区分には違和感もあるでしょうが、もっとひろくモバイル端末の普及で捉えるべきでしょう。