令和3年度の法人税申告数 資本金100万円以下の割合は19.2%で増加傾向続く

国税庁の統計で最新の情報が公開されたので、以前にお伝えした記事を補足する記事です。令和3年度の法人税の申告数において、資本金100万円以下の法人数の割合は19.2%でした。20%は目前に迫っています。

説明のポイント

  • 資本金100万円以下の法人の申告数だけが増加している
  • 申告数の割合は、H23年度が7.2%、R3年度は19.2%。約10年間で12%の上昇
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前回の記事のおさらい

当ブログでは2022年6月の記事で、「資本金100万円以下の法人申告が、全体の2割近くになりつつある」という、税務統計で気づいた点を述べました。

国税庁の統計を見て気づいたことですが、「資本金100万円以下」の法人について、法人税の申告数が急増し...

法人の申告数全体も伸びているのですが、その内訳を見ると、資本金100万円以下の法人数だけが圧倒的に伸びています。

資本金の区分で、10年前と比較して申告数が伸びているのは、この「資本金100万円以下」と「資本金5,000万円超~1億円以下」の区分だけでした。

また、資本金100万円以下の法人数の増加については、業種もまんべんなく増えており、サービス業だけが増加しているという傾向はみられませんでした。

令和3年度の割合は19.2%に増加

最新の国税庁の統計が発表されましたので、令和3年度の割合を見たところ、法人税申告における資本金100万円以下の法人数の割合は19.2%でした。

参照国税庁統計情報より筆者作成

令和2年度から3年度の増加を見ると、法人全体では+55,831社で、このうち資本金100万円以下の法人数は+47,675社となっています。

20%到達は目前

令和2年度までの統計を見たときに、令和4年度には20%に到達すると予測しましたが、令和3年度で「19.2%」であることから、予想はほぼ確実といえそうです。

統計の集計期間について、令和3年度は「令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間に事業年度が終了した内国普通法人(会社等、企業組合、及び医療法人)について、令和4年7月31日までに申告のあった事績」とされています。

この統計の割合に注目する理由

この統計の割合に注目する理由は、全体の「法人」のありかたを考えるうえで、ひとつの物差しになるためです。

もちろん資本金だけで法人を完全に理解することはできませんが、大局的な「流れ」を見ることができます。

例えば、法人と個人事業主の垣根がほとんどなくなっていること、フリーランス的な働き方の増加、生産年齢人口が減少しつつあるのに法人が増えている状況は、こうした統計で変化を確認することができます。

まとめ

国税庁の統計情報のうち、法人税の令和3年度について発表された内容を確認しました。

法人税の申告数は増加傾向が続いており、その変化の大きな割合を占めているのが「資本金100万円以下の法人」という状況も同じです。

申告法人のうち資本金100万円以下の法人の割合は、令和3年度では19.2%でした。令和4年度には20%を超えることがほぼ確実といえそうです。

当ブログでは、この割合について引き続き注目していきます。

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