住所(住居表示)から地番を無料で調べる方法を説明しています。
説明のポイント
- 地番はオンラインで無料検索できる。
- 登記情報提供サービスの「地番検索サービス」を利用する。
- 「固定資産税の課税明細書」や「ブルーマップ」を利用する方法もある。
登記簿謄本で不動産の状態を調べたい
不動産の登記の状態を調べるためには、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得します。
「登記」は、日常生活で意識することのないものですが、その意味は次のように説明されています。
不動産登記は,わたしたちの大切な財産である土地や建物の所在・面積のほか,所有者の住所・氏名などを公の帳簿(登記簿)に記載し,これを一般公開することにより,権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。(法務省)
この登記簿の謄本(実物の登記簿をコピーしたもの)は、お近くの法務局で取得できます。
ただ、困ってしまうのは、その登記簿謄本を取りたい住所(住居表示)はわかっているのに「地番」がわからない場合です。地番とは、土地の番号であり、住所とは異なるものです。
では、「地番」がわからない場合には、どう調べたらよいのでしょうか。
地番の調べ方
1.固定資産税の課税明細書から調べる方法
固定資産税の納付書は、市区町村から毎年6月ごろに送付されます。その納付書には、課税された理由の説明(課税明細書)もついています。
課税明細書を見れば、固定資産税が課税された地番や建物がわかります。ただし、課税明細書では、住所と地番の対応関係まではわかりません。
2.ブルーマップで調べる方法
ブルーマップとは、地番がわかる地図帳です。上の画像のような青い表紙の本です。(引用:ゼンリン)
画像ではわかりづらいのですが、地図帳なので、サイズも非常に大きいです。
ブルーマップについて、国会図書館の説明を引用します。
「住所」から不動産登記の「地番」が簡単に分かるようにした地図帳です。これは『住宅地図』の上に、登記所備付の「公図」の内容を重ねあわせて印刷したもので、その内容が青色で印刷されているためブルーマップと称されています。(国立国会図書館)
このブルーマップを見れば、その建物に対応する表札が記載されているので、地図から簡単に地番を割り出せます。
ただし、ブルーマップは非常に高価という問題があります。
下記に参考として、東京都北区のブルーマップをリンクしておきます。単なる地図と考えていると、ハッキリいって、目玉が飛び出るような価格です。価格的には「一家に一冊」というレベルを超えています。
自分で買うのは高価すぎるため、公的機関に備え付けてあるブルーマップを見せてもらうのがよいかもしれません。
もし、図書館や市区町村の役所・役場で探すとしても、値段も値段ですので、必ず置いてあるとは限りません。事前に電話して、置いてあるかを確認した方がいいでしょう。
3.オンラインで調べる方法
地番は、オンラインで確認できる時代になっています。
しかも、地番の確認だけなら、なんと無料(!)でできます。民事法務協会が提供する、「登記情報提供サービス」を利用しましょう。
地番を検索するには、「地番検索サービス」というサービスを使います。
その検索サービスだけを単独で使うことはできませんので、最初に「一時利用」からサービスの利用申し込みをします。
登記情報提供サービスのトップページから、一時利用の「利用申込」を選択します。
登録後、「不動産請求」の画面で住所を入力して、「地番検索サービス」をクリックします。
住所に対応する地番の地図が表示されます。(※著作権の都合上、下の画像の地図にはマスクをかけています)
この検索サービスは、地番を検索するだけであれば、「無料」です。ただし、検索した結果、実際に登記簿の中身をオンラインで確認する場合は、有料になります。
また、ブルーマップとの違いですが、「地番検索サービス」では、住宅の表札(居住者)、用途地域、容積率の表示がありません。
居住者を確認したい場合には、ゼンリンの提供する「ゼンリン住宅地図サービス」という有料サービスもあります。
このほかに、JTNMAPという企業のサービスでも、無料でブルーマップが見られます。ただし、サービスの利用には、登録申請をFAXで送信してから利用開始する必要があるなど、始めるまでのハードルがやや高い気がします。
なお、JTNMAPの有料サービスを利用すれば、地図帳のブルーマップとほぼ同等の表示することも可能のようです。
建物登記の検索もオンラインでできる
ここまでは土地の登記の検索を紹介しました。
建物の登記検索も、先ほど説明した民事法務協会「登記情報提供サービス」を使って、地番から家屋番号を調べることができます。
ただし、建物が多く混在している場所では、どの建物が目的なのか、オンラインだと判別が難しい気がします。
目的としている建物が地番に複数ある場合は、法務局に問い合わせて確認するか、直接法務局に行ったほうがいいかもしれません。
参考:管轄のご案内(法務局)
まとめ
これらのサービスを使って、住所から地番を割り出したのち、法務局で登記簿謄本を取得すれば間違いないでしょう。
自力で調べるのが難しいなら、法務局に直接聞いてしまうのも手だと思います。
ちなみに、ご紹介したオンラインの「登記情報提供サービス」から登記簿を確認できますが、取得したPDFデータは、登記官の印鑑がないので、相続税の申告には使用しないほうがよいでしょう。
このほか、登記簿謄本の取り寄せも、オンラインできます。その方法は、下記の記事で説明しています。