サーバーインストール型の無料クラウド会計ソフト「RUCARO」を紹介します。
説明のポイント
- 自分でサーバーにインストールして使用するクラウド会計ソフト
- 無料で使用できる
- インストールや操作感に難しさがあるため、上級者向き
RUCAROとは?
「RUCARO」とは、RUCARO株式会社が提供する、無料のサーバーインストール型のクラウド会計ソフトです。
クラウド会計ソフトといえば、サービス提供業者のサーバーと会計システムが一体となっているものが一般的です。この場合、会計データや機密度の高い情報はすべて、サービス提供業者に預けることになります。
しかし、自分が使用するサーバーで会計ソフトを利用すれば、機密情報は自分で管理できます。従来のインストール型の会計ソフトと、クラウドの特質をあわせもった会計システムであるといえます。
この会計ソフトのメリットは、次のように説明されています。
国内中小企業、個人事業主 を想定し開発され進行中の会計ソフト。サーバーインストール型ユーザー登録数無制限永久無料銀行明細CSVインポート可能減価償却費の自動計上簿記が分からなくても仕訳逆引き辞典で解決セキュリティは自身で二段階認証やログイン通知等で強化可能(「無料会計ソフトRUCAROの使い方WIKI」より)
ダウンロードするには?
RUCAROは、下記のサイトからダウンロードできます。ダウンロード前にユーザー登録が必要です。
インストールから操作までの詳しい内容は、オンラインマニュアルが用意されています。通信を暗号化するため、共有SSLまたは独自SSLに対応しているサーバーを使用しましょう。
かいつまんだ手順としては、次のようになります。
- RUCAROのZIPファイルを公式サイトからダウンロードして解凍。
- 解凍したファイルを、FTP経由でサーバー内に移す。
- サーバー内でPHPを動作させる。
- サーバー内でデータベースを作成する。
- RUCAROを起動して、作成したデータベースとのひも付けをする。
使用感
以下の画像は、会計ソフトの画面をキャプチャしたものです。
▲メニュー画面一覧。部門設定、固定資産管理、分析機能も実装。
▲仕訳入力画面
▲仕訳帳
▲残高試算表(B/S)
法人、個人事業主ともに対応可能です。「ひととおり」といえる以上の機能が実装されています。ざっと試用した印象では、一般的な会計ソフトとほぼ同じ機能を持っています。
デメリット
デメリットも述べておきます。
最大のデメリットは、使用を開始するまでの難しさです。IT担当者のいない中小企業では、専門業者に依頼する必要があるでしょう。
サーバーにインストールすることを考えると、従来型のインストール・パッケージ型の会計ソフトと比べて、大きな違いはありません。クラウド型というメリットだけで、精度の高いインストール型に対抗できるのかは難しいところです。
操作感はシンプルです。しかし、シンプルすぎて何をしていいのか、よくわからない印象です。あらかじめ他の会計ソフトで熟練していないと、このソフトを活用するのは難しいです。もっと機能をしぼった簡易版が提供されてもよいのでは、とも思われます。
仕訳データのCSVインポートも、フィルター(学習)機能はありますが、それを設定するまでの難しさを感じます。今後、銀行からのCSVの自動取り込み機能を実装予定とのことですので、その時点で改めて評価をしたいところです。
代表者がひとりで開発している?
「RUCARO」の情報を調べると、この会計ソフトは代表者がひとりで開発しているようです。
ソフトの水準は大手に及ばずとも、独力でここまでの会計ソフトを作成されたことに、心から敬意を表します。
参考:日本一安全なプライベートクラウド会計ソフトを作りたい(READYFOR、2015年4月30日締め切り)
まとめ
自分でサーバーにインストールする、無料クラウド会計ソフト「RUCARO」を紹介しました。このような会計ソフトはめずらしく、国内では「RUCARO」が唯一のソフトではないでしょうか。
使ってみると、少々難易度の高い会計ソフトのように感じられ、上級者向きの印象でした。
紹介したソフト