証券会社から電子交付される「電磁的記録印刷書面」 確定申告で使えるのは平成31年分から

証券会社から電子交付されている「特定口座年間取引報告書」について、確定申告で使えるのは平成31年分からとされています。その詳細を確認します。

説明のポイント

  • 現時点(平成29年分時点)では、証券会社から電子交付された「特定口座年間取引報告書」は確定申告に使えない
  • 平成31年分(2019年分)から「電磁的記録印刷書面」として使えるようになる
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特定口座年間取引報告書は、書面と電子で交付される

証券会社の特定口座で株式等を取引しているひとは、「特定口座年間取引報告書」の交付を受けます。

この場合、「特定口座年間取引報告書」の交付は、書面交付(郵送)と、電子交付の2種類があります。

ちなみに、「特定口座年間取引報告書」とは、特定口座における年間の配当・株式等の取引結果が集計されたものです。

自分で取引結果を集計しなくてよいので、とても楽ができます。

昨今、仮想通貨の所得計算が話題となっていることでもわかるとおり、相場の所得計算とは、本来手間がかかるものですが、こうした負担が軽減される画期的な制度といえるでしょう。

特定口座年間取引報告書

引用カブドットコム証券

電子交付された取引報告書が使えない!?

ところが、その「特定口座年間取引報告書」については、気になる問題があります。

それは、電子交付された「特定口座年間取引報告書」を自分で印刷しても、確定申告には使えないという点です。

この点は、証券会社のヘルプを見ると、「特定口座年間取引報告書」に関して、必ず以下のような記載があります。

SBI証券
当社からお客さまに電子交付にて提供する「特定口座年間取引報告書」および「上場株式配当等支払通知書(外貨建の配当金等)」は、確定申告の際の添付書類としてご利用いただくことができません。

 

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楽天証券
電子交付閲覧画面から印刷なさった「特定口座 年間取引報告書」は、確定申告には使用できません。

マネックス証券
確定申告に「特定口座年間取引報告書」をご提出いただく場合、原則、ウェブサイト上に提供する「特定口座年間取引報告書(PDFファイル)」を印刷してもご利用いただけません。

……では、どうすればいいのか?

その答えは、証券会社から書面で交付された「特定口座年間取引報告書」を取得して、添付する必要があります。

電子交付は使えないので、証券会社が紙で発行したものが必要ということです。

この話、当ブログでは以前に、似た話をご紹介したことがあります。(デジャヴ?)

それは、会社が電子交付した給与所得の源泉徴収票は、自分で印刷しても確定申告では使えないという問題です。(ただし、申告の現場ではうやむやになっている可能性が高い)

この記事は、今もそこそこのアクセスをいただいています。

会社からPDFなどで電子交付された源泉徴収票は、プリントアウトしても、確定申告に使うことはで...

税制改正で解決! ただし、ちょっと先の話

せっかくペーパーレスになっても、確定申告で使えないのでは、何のための電子交付なのかわかりません。

コスト削減の点から、証券会社から不満の声があがっていたのでしょう。この問題は、税制改正で解決されることになりました。

平成29年度の税制改正において、次の点が改正されています。

電子交付された「特定口座年間取引報告書」が、指定の方法で電子署名・印刷されていれば、納税者が印刷したその「電磁的記録印刷書面」も、紙で交付されたものと同じように添付書面として使えます。

この「電磁的記録印刷書面」で確定申告が使えるのは、平成31年分以後の所得税についてです。

よって、平成29年分と平成30年分については、まだ書面で発行された「特定口座年間取引報告書」が必要です。

「電磁的記録印刷書面」という名称ですが、今後、保険会社などから電子交付される予定の書面でも、同様の名称が使われています。生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除で使える「電磁的記録印刷書面」は、平成30年分からの適用となっています。(証券税制より1年早い)
参考当ブログの記事(2016年3月)

まとめ

証券会社から電子交付されている「特定口座年間取引報告書」について、現時点(平成29年分)では確定申告の添付書類に使えないことをご紹介しました。

また、この不便な点はすでに税制改正で手当済みで、添付書類として使えるのは、平成31年分からとされています。

証券会社からも、いずれ案内が来るでしょうね。

参考平成29年度税制改正の解説(財務省)のうち「租税特別措置法等(金融・証券税制関係)の改正」