前期の無申告が解消される場合、当期の「中間申告」の扱いはどうなるか

法人税の申告で、前期が無申告になっていたものとします。

そして、前期の無申告を解消する場合に、当期における「中間申告」の扱いはどうなるのか。ありそうで、なさそうな話を考えてみます。

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整理

法人税の申告は、事業年度終了日の翌日から2月以内、つまり翌期になってから2ヶ月以内に行うのが原則です。

しかし、申告がやむを得ずに遅れた結果、無申告の状態になっているものとします。

では、前期が無申告で、これを当期に申告して無申告の状態を解消する場合に、当期における中間申告の扱いはどうなるのでしょうか?

扱いを整理すると、次のようになるものと考えられます。

(パターン1)無申告になっている前期の申告書を、当期の6月経過よりも前に申告した場合は、当期の中間申告あり

(パターン2)無申告になっている前期の申告書を、当期の6月経過した後に申告した場合は、当期の中間申告はなし(※期末に当期1年分の納税額を納付)

中間申告の規定は

法人税法における中間申告の規定を読むと、次のとおりです。かっこ書きは読みやすいように「・・・」で省略し、とくに関係のある部分を太字にしています。

第71条 中間申告
内国法人である普通法人・・・は、その事業年度・・・が6月を超える場合・・・には、当該事業年度・・・開始の日以後6月を経過した日・・・から2月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第1号に掲げる金額が10万円以下である場合若しくは当該金額がない場合又は当該普通法人と通算親法人である協同組合等との間に通算完全支配関係がある場合は、当該申告書を提出することを要しない。
一 当該事業年度の前事業年度の法人税額・・・で6月経過日の前日までに確定したものを当該前事業年度の月数で除し、これに当該事業年度開始の日から当該前日までの期間・・・の月数を乗じて計算した金額

中間申告の規定によれば、当期の事業年度が6月を超える場合には中間申告が必要です。しかし、「6月経過日の前日」までに確定した法人税額がない場合は、中間申告書を提出することを要しない、という要件も読むことができます。

この点を考えると、前期が無申告になっている場合でも、当期において前期の無申告を解消したタイミングによって、中間申告の有無が異なると考えられます。

例えば、前期の申告を、申告期限から1~2日遅れて提出した場合を考えると、当期において中間申告が必要であることは想像できそうです。

……では、無申告の解消がもう少し遅れたらどうなるのか。

例えば、数ヶ月間、無申告の状態が続いて、それが当期の6ヶ月間を経過した後では、前期の確定した法人税額がないために、当期の中間申告も連動して不要(税額が不明なので中間申告のしようがない)になると考えられます。

なんだか不思議な感じですが、中間申告がなかったのですから、当期の中間申告の税額をむりやりあったものとするわけにもいきません。当期の中間申告の税額はゼロになるでしょう。

この点を考えると、当期の6ヶ月前後あたりで前期の無申告が解消されそうな場合は、当期の中間申告の有無にも目配りが必要といえそうです。

まとめ

無申告と、それに対応する中間申告の有無について考えてみました。話をまとめると、無申告が解消された時点によって、当期の中間申告の有無に違いが生じるように思われます。

当記事は個人的な見解が含まれます。誤りがある可能性もありますのでご注意ください。

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