地味すぎる個人事業税について、知識をつけよう

事業に関する税のなかでも、もっとも地味な存在である「個人事業税」。小ネタ集的に、ちょっと気になる話を集めてみました。

説明のポイント

  • 個人事業税に関する小ネタ集
  • 税率は5%
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1.個人事業の開業届は都道府県にも出す

個人事業を開業した場合は、税務署だけでなく、都道府県の役所にも開業届を提出します。

この点は、あまり知られていない印象があるので、前回の記事でお伝えしました。

え? 都道府県にも開業届を出すの? ――この話、意外に知らないひとが多くいるので、説明しておきます。...

2.課税される業種は、法律で決まっている

課税される業種は、法律で決まっているものです。リストを東京都主税局のページから引用してみましょう。

個人事業税の法定業種

出典法定業種と税率(東京都主税局)

このリストに該当しなければ、課税されないわけですが……まあ、どんな業種でも、ほとんどこのリストに引っかかるはず。

ちなみに筆者の場合は、第3種事業の「税理士業」です。

3.個人事業税の税率は5%

先ほどの法定業種のリストにも書いてありましたが、個人事業税の税率は「5%」です。

例外的に3%~4%の業種がありますが、ほとんどは5%と思ってOKです。

所得税の税率は5%~45%で変動し、住民税は10%の固定、個人事業税は5%の固定。

合計すると、個人事業には最低でも20%の税金がかかっているわけですね。

いまさらですが、事業には税金がかかりますよ、ということを忘れないようにしたいものです。「売上から経費を差し引いた金額」が、手取りではありません。

念のために申し添えておくと、個人事業税の税金の計算では、「事業主控除」というものがあります。これは、所得から290万円をマイナスしてから、税率をかけます。

このため、事業のスタート時や、事業があまり好調ではない場合は、個人事業税がかからないこともあります。

ここで紹介した税金のほかに、国民健康保険料が概算で10%かかります。「税金20%(最低)+国民健康保険料10%+国民年金保険料(年20万)」が、個人事業で手もとから出ていくおおまかな税金・保険料とお考えください。

4.勝手に納付書が送られてくる

確定申告書を税務署に提出していれば、個人事業税の申告は不要です。

このため、個人事業税というものについてなにか特別なことをすることなく、勝手に納付書が都道府県から届きます。

納付書の納期は、2回に分かれています。

  • 第1期……8/31期限
  • 第2期……11/30期限

なお、都税の場合は、クレジットカードによる納付も可能です。

参考都税クレジットカードお支払サイト

事業税は、住民税と同じく、前年の所得(利益)について、翌年に納付書が送られてくるしくみです。個人事業税がかからない場合は、納付書は送られてきません。

5.納税したら経費になる

税金は、経費になるものと、ならないものがあります。このうち、個人事業税は「経費になる」税金です!

所得(もうけ)に課税される税金は、さきほどもいったとおり、「所得税」と「住民税」もあります。しかし、「所得税」と「住民税」は経費になりません。

ハンパなく、わけのわからない感じです。とにかく、「事業税」は経費になるとおぼえましょう。

ここで一番怖いのは、経費にならないと思いこんで、そのまま打ち捨ててあること。

未入力だと、誰にも指摘されずに気づかないことがある……という事例もあるとかないとか。恐怖ですね。

ちなみに、個人事業を廃止したら、来年払う予定の個人事業税をその年の経費にできます。所得税基本通達37-7に、「事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税の見込控除」という項目があります。

6.減免の制度がある

個人事業税には、減免制度があります。

減免制度にはいくつか種類がありますが、なじみのありそうなのは、今年のもうけが少なかった割に、医療費の支出が膨大だった場合です。

減免の条件は、「所得の2割から25万円を引いた額よりも、医療費が多かった場合」とされています。(参考

この医療費による減免制度は、東京都都税条例を見たところ、はっきり明文化されているものではないようです。減免制度の基準は、都道府県によって異なるようです。お住まいの都道府県でご確認ください。

まとめ

ヒジョーに地味な印象のある税金、個人事業税に関するお話しをまとめてみました。

法人の場合、事業税というのは結構注目されている感じなのですが、コレに比べると、個人事業税は、実に影がうすいという。

必要経費に入れられる、”ナイスガイ”なんですけどね……。

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