確定申告(e-Tax)を利用しており、利用者識別番号や暗証番号をなくした場合は、どうすればいいのでしょうか? 対処方法をまとめておきます。
説明のポイント
- e-Taxの利用者識別番号や暗証番号を忘れた場合の対応方法
- オンラインで再通知の申請をする
- 緊急時は番号を再取得する方法もあるが、過去の情報を引き継げない
利用者識別番号・暗証番号を紛失したら、どうする?
電子申告(e-Tax)のIDである利用者識別番号や暗証番号。これらは、電子申告を利用する上で必須の情報となっています。
では、この「利用者識別番号」や「暗証番号」がわからなくなってしまった場合、どうすればいいのでしょうか?
結論からいえば、申請すれば再通知を受けることが可能です。この手続きは、オンラインで可能です。
申請方法
ここのリンクから、「利用者識別番号等をお忘れになった場合」というボタンを押して、変更等届出書を提出します。
この変更等届出書を提出すると、税務署から通知書が送付されてきます。
どれくらいかかるのか?
一番気になるのは、税務署から再通知されるまでにどれぐらい時間がかかるのか? ということでしょう。
筆者が電子申告についてアレコレ調べていたところ、この点について触れている資料を、東京国税局のマニュアルで見つけました。
その申請マニュアルによれば、「最短で1週間かかる」とされています。
引用:【PDF】はじめよう!e-Tax(初期設定マニュアル)(平成29年6月版)(東京国税局)
ただし、これは東京国税局のマニュアルですので、東京国税局の管外の場合は、参考の情報となります。
確定申告のシーズンに筆者が利用したケースでは、申請から2日後に送られてきました。
再取得のほうが早いが……
「利用者識別番号がわからないが、今すぐにどーしても必要!」という緊急時もあるでしょう。
申告期限まで、1週間を切っている場合などです。
この場合は、利用者識別番号を再取得をしてしまうという荒業も考えられます。
ただし、この方法の場合、次のデメリットがあることを承知しておく必要があります。
- 利用者識別番号が変更になる
- 過去の電子申告・メッセージボックスは引き継げず、参照もできない
また、利用者識別番号を再取得をすると、税務署から確認の電話が必ずかかってきます。
そして、上記のデメリットについて、承知したことの確認を求められます。確認後は、以前の利用者識別番号は一切利用できなくなります。
利用者識別番号だけがわからない場合
暗証番号はわかっているけれど、利用者識別番号だけがどうしてもわからない……という場合は、次の方法で調べることが可能かもしれません。
- 過去に電子申告したPDFファイルに書いてないか探す
- 税務署からの郵送物に記載されていないか探す
- 過去の確定申告書等作成コーナーの保存データ(ファイルの拡張子が.dataのもの)を読み込んでみる
ちなみに利用者識別番号とは、16桁の数字の番号です。
暗証番号だけがわかっている、というのはケースとしては少ないでしょうけれど、念のための情報としてお伝えしておきます。
まとめ
利用者識別番号を紛失した場合の対応について、確認しました。
確定申告の時期に、大事な番号を紛失してしまったという事例も耳にします。申告前に一度、早めに確認しておくとよいでしょう。
余談ですが、平成31年(2019年)1月からは、個人の電子申告では利用者識別番号は使わなくなり、マイナンバーカードの認証だけで申告できるように変更される予定です。
個人の場合、利用者識別番号は年1回しか使わないことも多いため、「忘れてしまった!」ということもあったわけですが、方式が変更されれば、紛失することもなくなるのでしょう。