振込した場合に摘要欄が変化する明細の場合を考慮し、自動仕訳ルールの設定方法をお伝えします。想定事例は、楽天銀行です。
説明のポイント
- 振込をすると、自動仕訳ルールが毎回作成されてしまう場合の対処方法
楽天銀行+クラウド会計で気になる点
インターネット専業銀行の「楽天銀行」は、ミニビジネスにおすすめの銀行です。
振込手数料が最安クラスで、法人口座であってもオンラインバンキングの利用手数料が無料であるなど、ミニビジネスに利用しやすい条件となっているからです。
ところが、この「楽天銀行」、クラウド会計で扱うと微妙にクセがあることが気になります。
それは、振込処理をした場合に、同じ振込先でも、摘要欄(明細)が毎回変化する、という点があるためです。
摘要欄が変化する?
同じ振込先なのに、摘要欄(明細)が変化するとは、どういうことでしょうか?
具体的に見てみましょう。
以下の画像は、実際に筆者が楽天銀行から振り込んだときの明細です。
明細欄を見ると、「管理番号20180101-XXXXXXXX」といった内容が書かれています。
この管理番号がクセモノです。
取引明細に管理番号が挿入され、しかもその管理番号は毎回、微妙に変化します。
管理番号よりも前までの部分は毎回同じなのに、管理番号が挿入されるので、明細が毎回変化しているのです。
なにが気になるのか?
明細が微妙に変化すると、クラウド会計では次のような影響が生じます。
クラウド会計の側では、取引明細が同一のものを同じ取引として認識しているようです。
このため、毎回違う管理番号が挿入されると、「おや、これは別の処理だな!」と認識して、そのたびに「自動仕訳ルール」が作成されます。
このため、勘定科目の判定時にうまく考慮してくれない、という事態が生じます。
また、「自動仕訳ルール」が振込のたびに増殖していくので、このままでいいのか? という疑問がわきます。
摘要欄が変化する場合の対応
自動仕訳の判定がうまくいかない場合や、「自動仕訳ルール」をキレイにしておきたい場合は、ルールを設定したほうがよいでしょう。
ルールを設定しておけば、クラウド会計が新規にルールをつくることはなく、既存のルールに従って処理してくれるからです。
MFクラウド会計・MFクラウド確定申告の場合、「自動仕訳ルール」は次のように設定します。
メニュー欄「自動で仕訳」>「連携サービスから入力」を選択します。
画面右側にある「自動仕訳ルール」をクリック
仕訳ルールの一覧が表示されますので、ここから、すでに作成された仕訳ルールを編集します。
ルールの設定における注意点を、画像で示しておきます。
- 似たようなルールが作成されている場合は、優先度を高める(小さい数字ほど優先)
- 「入出金明細」の設定欄は、確実に表示されるキーワードを「部分一致」で設定する
- 摘要は空欄にしておく(←ポイント)
このほかに注意すべきポイントは次のとおりです。
- 誤った編集はキャンセルできないので、慎重に作業するなら、最初に自動仕訳ルールのデータを「エクスポート」したほうがよい
- 確実性を高めたい場合は、「詳細」ボタンで、判定対象の金額をしぼりこんでおく
- 似たようなルールが多数作成されている場合は、混乱を避けるため、削除しておくことが望ましい(または優先度に差をつける)
公式の情報も参考にしてください。
参考:「自動仕訳ルール」の使い方(MFクラウド会計 使い方ガイド)
自動仕訳ルールはクリーンにすべきなのか?
自動仕訳ルールで気になるのが、この「ルールの管理状態」です。
たくさんの振込をしている事業や、規模が大きい会社では、自動仕訳ルールの設定は、すでにものすごい数に膨れ上がっている可能性があります。
この自動仕訳ルールは、内容が類似していたり、もう使用しないルールは、こまめにキレイにしておくべきなのでしょうか?
公式の情報はありませんので、筆者の考えを参考に述べておくと、別に「自動仕訳ルールはぐちゃぐちゃでもOK」と考えています。
ただし、「これはきちんと認識してほしいルールだ」というものがあれば、そのルールを設定した上で、優先度を高める(数字が小さいほど優先)対応をとるべきでしょう。
まとめ
MFクラウド会計で、気になるようで気にならない、摘要欄が毎回変化する処理と自動仕訳ルールの設定について述べました。
なお、文章中で、自動仕訳ルールの設定にあたっては、「摘要を空欄にする」のがポイントと述べました。
その理由は、長くなってしまうので、別の機会でお伝えします。