税制を変えれば社会も変わる 印紙税の廃止はいかがでしょう?

カップルのダック

税金のプロである税理士が、税金の制度を変えた方がいいと思う事例を紹介します。

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税金の制度を変えれば、社会も変わる

税金の仕組みが社会に影響を与えているのは、ご存じのとおりです。身近な例でいえば、消費税の税率引き上げは、最も有名な話でしょう。

よい税金の制度を目指せば、よい社会の構築につながります。逆に、悪い税金の制度をつくれば、社会の公平感が薄れたり、国の効率は悪くなります。

税金は国を動かす血液の役割を果たしているわけです。ただし、制度を変えることは、企業や国民に影響を与えることであり、簡単ではありません。

その点、税理士は税金のプロフェッショナルですので、税金の仕組みをよく知っています。そのプロたちが、どのように制度を変えた方がいいと思っているのかを紹介します。

39項目の改正要望から一部を紹介

4月26日に書いた記事では、重要な改正要望項目として6項目を紹介し、税理士の要望と、政府の取り組みにはズレがあることを指摘しました。

前回紹介した重要な改正要望6項目のほかに、さらに39項目の要望があります。39項目を全部紹介するのは長すぎるので、興味を持ってもらえる要望をいくつか紹介します。

2.報酬に係る復興特別所得税の源泉徴収制度を不適用にすること

東日本大震災への復興財源にあてるため、従来の所得税に上乗せして復興特別所得税が課税されています。報酬にかかる源泉徴収税率は、所得税10%と復興特別所得税0.21%の合計で10.21%です。

しかし、この10.21%という税率は計算しづらく、事務負担が増加しています。それに「1並び」の報酬の支払いもできなくなりました(11,111円の報酬から源泉税10%の1,111円を差し引いて、手取りを10,000円とする方法)。

なんでも10.21%の税率にしないで、この部分は10%のほうが効率がよいのではないか? ということです。

5.事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例等の規定は廃止すること

夫の仕事を妻が手伝った場合、青色専従者給与(または事業専従者控除)によって経費にできます。しかし、夫と妻がそれぞれ独立して別の事業を営んでいる場合は、夫が妻に仕事を依頼しても、夫が妻に支払う報酬は夫の経費にできず、妻の収入にもなりません。

 

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これは夫の所得を妻に分散して、税率を低く抑えることを防ぐための制度なわけですが、その報酬に正当性があるならば、夫婦間の事業のやりとりも経費として認めるように変えたほうがいい、という要望です。

11.一括償却資産の損金算入制度等の廃止、少額減価償却資産等の一時損金算入限度額を引き上げること(30万未満)

買った固定資産があります。10万円未満は全額経費にできますが、10~20万円は一括償却資産に区分して資産に計上する、30万未満は青色申告なら経費にできます、と説明されます。しかし、細かく分かれていることに意味があるのか疑わしいです。いっそのこと、30万未満は全部経費にしたほうがスッキリするというものです。

28.印紙税を廃止すること

契約書や領収書に貼る印紙。例えば、紙で交付すると課税されるものですが、ネット上で交付するなら課税されないというのも不合理です。もはや時代遅れの課税方式といえるので、いっそのこと無くした方がスッキリします。

国税庁統計によれば、印紙による税収は1兆1260億円(平成25年度)で、国税収入全体に占める割合を見ると2.1%です。

廃止を実現するには代替の税収が必要なため、実現のハードルは高いかもしれませんが、商業活動に与えるメリットも見逃せないものがあるでしょう。まずは段階的な廃止に取り組んでほしいものです。

35.(4) 法人番号の指定を受けることとなる者の範囲に、個人事業主を加えること

16年1月よりスタートしたマイナンバー制度。法人に与えられた法人番号は公表されていますが、個人番号は厳格な取り扱いが求められており、公表できません。

このため、個人事業主には不利になるのでは、という心配があります。個人事業主にも専用の法人番号を付与しましょう、という話です。

まとめ

以上、5項目を紹介しました。これらの引用元は、前回の記事と同様に東京税理士会の「平成29年度税制及び税務行政の改正に関する意見書」(PDF)です。

この意見書を見ると、要望の多くは「継続要望」となっています。つまり、現場の税理士から制度の手直しを要望しても、それが実現されるのはなかなか難しいという現状があります。

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